そこで、11月は道徳教育月間。12月は芸術書道月間とすることにしました。
前回ブログでも紹介した「元気が一番」は、子供たちに好評でした。私が読み終えた後に拍手をする子もいました。とにかく、話した後に、子どもたちの作品が気合の入ったものとなったのは確かでした。
本来シュタイナー教育は、競争をしないことが原則なのですが、当書道教室では、毎月の競書があるし、コンクールもまさに競争です。そして、シュタイナー教育を導入する前から長いことやってきたこととして、練習した枚数と賞状など頑張ったことを点数として記録する努力カードと今月のベストテン発表。年間ベストテンの表彰という競争もあります。
このように競争はありますが、見える相手との競争は禁止です。だから、自分との闘いなのです。むしろ、自分の士気を高揚させるために、お友達を大いに励ますように勧めています。ある意味、競争があった方が、将来、大人の社会に入っていった際に負けない精神が身に付くように思えるのです。とはいえ、バランスが重要で、競争にばかり捕らわれないように子どもたちを指導しています。
では、どこがシュタイナー教育なのかというと、大人になるまで言語として伝えるべきではないシュタイナー哲学を、そこに繋がる素地となる芸術活動で賄っているわけです(一般的にはオイリュトミーがその役割を担うのですが、当塾ではまだまだ試験的に始めたに過ぎません。あくまで教える際のツボを得るためにシュタイナー教育の理論が役立っているという感はあります)。ただ、当塾として目に見えて成功していることは、発達障害ぎみの子どもたちに、フォルメン線描を通して芸術の最も基本となる感覚を目覚めさせられたということだと思います。
さて、普段取り組んでいる競書は、芸術への素地とな成り得るのですが、どちらかといえば職人的スキルとなっています。手本を正確に書く練習だからです。もちろん重要な練習なのですが、こればかりやっていては芸術家は育ちません。そこで12月は、子どもたちに「自由書」に取り組んでもらうことにしました。
芸術とは何なのでしょう。ある人は破壊活動だと言っています。何を破壊するかと言うと、普段培ってきた基本となる世界観を破壊すると言うことなのです。ということは、何も培ってこなかった人には破壊活動はできないことになります。破壊といっても、単に物を壊すこととは異なり、知的な作業となるのです。また、芸術とは「上手」とか「綺麗」という表現があてはまらず、「凄い」と言わしめるものでなくてはならないと言う人もいます。または「なんだこれ」と言わしめるものこそが芸術だと言う人もいます。いずれにしても、見る者の魂を大きく揺さぶるものであると言えるのではないでしょうか。
現在、視聴率が絶好調の「下町ロケット」(TBS系列 原作:「10倍返しだ!」で流行語大賞を生んだドラマ「半沢直樹」の池井戸潤)というドラマ。私も見ています。
一昨日には、第4話を見ました。中小企業の佃製作所が、自社の特許を持つバルブシステムの部品供給をさせるべく大企業の帝国重工と勝ちで挑むのですが、自社生産でのロケット打ち上げを目論む帝国重工はすんなりバルブシステムの特許を売ってほしいゆえに意地悪とも受け止められる仕打ちをしてきます。はじめは見下されるばかり。佃製作所内でも反対をする社員もいて足並みが揃っていませんでした。そういった絶体絶命のピンチを救ったのが、大きな一枚の手書きの書だったのです。決して綺麗な文字ではありませんが、この書が社内を一つに団結させ社員の意気を上げさせることに成功し、見事な奇跡を起こしたのでした。

決して上手でも綺麗な字でもありません。しかし、書き手の思いと言うか魂が入った字です。これが活字でもレタリング文字でもいけないわけです。それでは見る者の足を止め、書き手の思いを伝えることが難しいことでしょう。人の手による気持ちのこもった字でなくてはいけないのです。
書道をやっている者だからなのでしょうが、つい、そこのところに感動してしまったのです。
12月の芸術書道月間。子どもたちはどんな作品を見せてくれるか楽しみでなりません。ある子は、世界平和を訴えてくるかもしれませんし、ある子は、大好きな歌の詩を表現してくれるかもしれません。交通安全の標語のような作品もあることでしょう。
見る者の足を止め、魂を揺さぶる書とは何か。芸術の力とは何か。きっと掴んでくれることでしょう。
恵翠書道教室 盛岡教室
恵翠書道教室 滝沢教室