自分の壁を乗り越えるために | 恵翠(けいすい)書道教室

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 A君(小3)は、憂鬱質(落ち込みやすい)の子で、些細なことで落ち込みやすいので、かなりの頻度で泣き出してしまいます。また、当塾では不定期ではありますが専門の講師を招いてオイリュトミーとフォルメンを行っていますが、フォルメンの最後で、描いた線画を使って自由に絵を描いてもらっています。彼は、毎回、破壊的な絵を描き、最後にはぐちゃぐちゃになった絵になってしまいます。とはいえ、調子の良い時は、みんなと一緒に大騒ぎしているのですが、「今日の作品は何点の出来かな?」と質問すると、決まって「0点」と答えるマイナス思考なのです。

 お母さんが協力的な方なので、情報を引き出しては策を講じてきたつもりなのですが、せっかく良い面を引き出せても、次回には悪い面が出てしまうという試行錯誤が続いていました。

 その日は、胆汁質(怒りっぽい)のCちゃん(小2)対策を講じていました。彼女はすぐに添削をしないと不満な顔をしてつまらなそうに練習に取り組んでいて、その状態が数週間続いていたからです。そこで、彼女への待ち時間ゼロを目指して取り組むことにしました。他の1年生の二人の女の子も、同時に元気よく「できました」と次々言ってくるので、3人同時に添削しなくてはならない事態にもなりましたが、それでも自分にとって最大限のハイテンションで対応し、待ち時間ゼロでこなしていきました。

 すると、Bちゃんの機嫌が大変良くなり、終始笑顔で練習に取り組んだのです。私といえば、ほとんどパニック状態でやっていたので大した添削もできませんでしたが、それでも3人共、楽しそうに素晴らしい作品を連発していました。

 その日は、この3人と時間を同じくして、A君とB君(小3)の計5人でのお稽古でした。女の子に教えていた超ハイテンションそのままに教えたため、A君もB君もノリノリとなり、競って素晴らしい作品を連発し始めました。その時の毛筆課題は「人形」だったのですが、たまたまA君は「形」が上手く、B君は「人」が上手かったので、「二人の作品を合体させればスゴいと思わないか」の私の言葉に二人のやる気に火がついたようでした。お互いにほめ合い励まし合って、休むことなくひたすら書き続けました。二人とも今日の練習には、よほど満足したようで、お母さんたちが迎えに来た際には、二人ほぼ同時に元気な声で「一番良い作品をお母さんに見せて」と言っていました。

 次の週にも、このハイテンションでやってみたところ、A君が泣き出すことも、マイナス思考な面を見せることもありませんでした。

 このように、子どもの良い面を引き出し、それを毎回切れ目なく続けられるようにして習慣化させていけるならば、その子のマイナス面を克服させられるという考え方で指導を行っています。

 ただ、上記のようなやり方だと教師はいつも元気でいなければならないということになります。健康管理はとても重要となってきます。私は、副業として新聞配達をやっているため、かなりキツイと感じています。とはいえ、家族の協力を得て、あと2ヶ月で新聞配達を辞められることとなり、これで指導に専念できるようになることでしょう。


 D君(小2)は、多血質(落ち着きのない)子で、あまりにせっかちに書くため、硬筆ではマスから大きくはみ出して書いたり、毛筆では形が大きく崩れ読めないような字を書いています。不注意が目立ち、大量の墨を床にまかしてしまうことや、ありえない所に物を置くため、失くし物が多く一緒に探さなければならないようなことも少なくありません。机の上にいろいろあると、それが気になって集中できなくなるため、必要な道具以外はトレイに乗せて別の場所に置くように気を使っています。

 彼の良いところは、遅刻をすることなく、いつも一番乗りでやって来ることと、お稽古後にお母さんが迎えに来るまでの時間に、宿題をしっかりやっていることです。学習面にはほとんど問題はないようです。ただ、せっかちで超不器用な性質が固まってしまっているのです。

 前の週では、高野山の修行について話して聞かせ、そのあとで、硬筆課題をひたすら枚数を書いてもらう練習に取り組んでもらいました。おしゃべりを一切しないで、30分近くの時間、集中して取り組んだ点は大成功といえるものでしたが、書いた作品となると、「神様に奉納するもの」として書いた筈だったのに、残念ながら集中力に欠けた酷い作品の連続でしかありませんでした。

 そこでその日は、硬筆課題を、ストップウォッチを用いて、ゆっくり、ゆっくり書いてもらう練習をしてもらいました。はじめは2分程度で仕上げていましたが、その記録を破ると「努力カード」に付ける点数がたくさんもらえると知るや、ついに6分以上も掛けて書けるようになりました。また、ストップウォッチを用いたことでゲーム感覚になったことがやる気に火をつけたのかもしれません。インクの乗りが良く、落ち着いたきれいな線に描かれるなど、見違えるほど素晴らしい作品が書けるようになりました。

 次の週には、最大8分も掛けて書くことができ、良い作品を連発することができました。上手く書ける感覚が身に付けば、きっと良い作品を連発できるようになることでしょう。


シュタイナーの4つの気質

【憂鬱質】 土の要素 いつも思い悩んでいる。悲観的に考えやすい。

【粘液質】 水の要素 のんびりしている。おっとりしている。

【多血質】 風の要素 落ち着きがない。おっちょこちょいで飽きっぽい。

【胆汁質】 炎の要素 怒りっぽい。場を仕切るタイプか、喧嘩っ早いタイプ。


※  憂鬱質と胆汁質の複合型の性質の子は胃の病になりやすい傾向があるようです。
胆汁質で特に嫌いな人を許せないというタイプの子は、「心の病」になりやすく、それを放っておくと免疫系の大病になりやすい傾向があるようです。
共に心因性であり、心の状態は、レントゲンにもCTにも血液検査にも尿検査によっても根本原因までは見つけることができません。病院での治療は、あくまで対処療法であって根本治療ではありません。
シュタイナーの教えによると、心の病を修復させるには、まずは知性を開くためのワークから取り組む必要があります。頭で理解が(整理)できたら、アファメーション(ポジティブな言葉を繰り返し唱えることで潜在意識に働きかける心理療法の一つ)をするなどの習慣づけをして、アストラル体(知性)の修復 → エーテル体(生命力)の修復 → 肉体の修復〉と言う順番で改善されていくようにするのです。病院での治療はもちろんのことですが、教育によるアプローチも侮れないと思うのです。




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