アニマルホーダーによる二度目の多頭飼育案件《多頭飼育崩壊案件》 | ツキネコ北海道 ブログ

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4月1日に札幌市動物愛護管理センター あいまるさっぽろ より

猫を10匹引き出しました。

 

 

多頭案件2組、合計10匹引き受けしたのですが

そのうちの1件はツキネコ北海道で過去に関わった案件でした。

 

 
 

 

2019年にアメリカンショートヘアとスコティッシュフォールドの猫を飼育し、

24匹の猫と1匹のチンチラ(齧歯類)を多頭飼育崩壊していた案件です。

しかもチンチラは身体とほぼ同じくらいのケージに入れて飼育していて驚きました。

*一緒に引き出しに行ったスタッフのマリアが、偶然チンチラ好きですぐに引き取ってくれて助かりましたが、、、

 

その飼い主だと聞いた時には驚くばかりで空いた口が塞がりませんでした、、、

5年が経って、またしても猫をどこからか引き入れて子猫を産ませ増やしまたしても飼育崩壊させて

問題になり【あいまるさっぽろ→旧札幌市動物管理センター】に引き出し収容されていました。

 

飼い主は完璧にアニマルホーダーです。

 

アニマルホーダーと言う言葉をご存じでしょうか。

 

米国では劣悪多頭飼育者のことを、アニマルホーダーと呼ぶ。

「ホーダー」はごみや物を捨てられずに集めてしまう精神的病理のある人に対して使われる専門用語であり、

これが劣悪多頭飼育者に当てはめられ、アニマルホーダーと呼ぶようになった。ーーー環境省HPより引用

 

アニマルホーダーの定義
・多数の動物を飼育している(何頭かは一概には言えない)
・動物に対し、最低限の栄養、衛生状態、獣医療が提供できない。
・動物の状況悪化への対応ができない。
・環境悪化に対応できない。
・本人や同居人の健康や幸せにマイナス効果が生じていることに対応ができない。


アニマルホーダーの特質

アニマルホーダーには、不妊・去勢する人が非常に少なく、自家繁殖で終わりのない悪循環になる。

犬も多いが猫の場合が一番ひどい。

各個体に割ける時間が削られ、ほとんど動物病院に連れていけなくなる。

中には、獣医師が多頭飼育を行政機関などに報告すると思い込み、数頭ずつ病院を分けて連れて行く人や数頭の特別な動物だけ連れていく人もいる。

動物にはかなりストレスがかかる。

 

と言われています。

 

今回の飼い主はまさに当てはまると思います。

 

2019年に私たちが携わった際は、全頭に不妊手術やワクチン接種など医療行為を済ませ飼い主には1匹のみ戻しました。

アニマルホーダーは集める対象の猫(動物)がいなくなるとまた同じことを繰り返すからです。

 

ツキネコでは、多頭飼育者や野良猫保護、飼育放棄に関わらず猫に関しての医療費は飼い主および相談者本人に支払ってもらっています。

この案件も例外ではなく、月々数千円ずつの支払いをしてもらっていたのですが突然支払いが止まったままです。

こちらから電話をかけても、郵送で連絡をしても一向に音沙汰がありません。

当時は当団体も保護すればするほど赤字が膨らむ一方で必死の活動を余儀なくされていました。

猫たちは血統種ということもあり早めに全頭卒業させることが出来たので助かりました。

ただ、飼い主本人にはその責任も問われることもなく、今回の様に同じことを繰り返してしまうのは

いかがなものでしょうか?

行政には今後厳しく指導して頂きたいものです。

 

あいまるさっぽろから引き取りをした6匹の猫たちは、人に馴れてはいるものの猫風邪症状も酷く痩せこけている子ばかりです。

*出産したばかりの親子猫と子猫は、ねこたまごさんが引き出ししています。

 

 

 

 

 

 

 

あいまるさっぽろに出向き猫達を引き出し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
特に唯一の子猫《いちねんせい》は、片目は猫風邪の為にすでに萎縮して陥没
現在、代表が自宅でケアしていますがとても飼い猫とは思えない状態で
身体は栄養不足でスカスカでもう少し遅ければ命を落としていたかもしれません。
現場ではたくさんの子達が命を落としていたのかもしれません。
 
当時、飼い主はお子さんもいて一見すると普通の方でした。
ただ、家の中は猫だらけにも関わらず、普通のテンションで佇んでいるのは
なんとも言い難い状況でした。
この様な飼い主に対峙する場合、一番困るのが機嫌を損ねることです。
突然『もう大丈夫だから来なくていい』と言われると、私たち民間団体は
それ以上出入りすることさえできなくなります。
 
以前関わった砂川多頭飼育崩壊案件120匹では、警察を呼ばれたこともありました。
理由は、、、、
『連れ帰る時に猫とお別れの挨拶をさせなかった』です。
 
この様な理不尽なことも唇を噛み締めながら受け止め、対峙しながらの活動なのです。
お陰様で活動を通してかなり寛容になりましたε-(´∀`; )
また、多頭飼育やゴミ屋敷になる飼い主に多いのはADHDや発達障がいにも起因している様に
感じています。
その特性により問題を回避することができないのかも知れません。
その様な状況にならない為には、官民が連携を取り情報提供しなければまた
同じことが繰り返され、その皺寄せは小さな命達に向けられるのです。
 
昨今のご時世では個人情報の保護が叫ばれ、全てにおいて優先される為に
本末転倒な案件も多々あります。
*ツキネコの玄関前に置き去りにされた捨て猫ルナの案件も、個人情報保護法の元に
飼い主が特定されてもどうすることもできませんでした😤😡💢
 
もうすでに春の繁殖シーズンは始まっています。
繁殖力の強い猫の多頭飼育崩壊を防ぐのは、
生殖制限と適性飼育の徹底しかないのです!!