元々はマイホームカテゴリーにいましたが、
突然夫のすい臓に5cm大の腫瘍が見つかり、スティーブジョブズと同じ膵神経内分泌腫瘍の疑いで摘出手術を行いました。
大切な経験なので記憶に残しておくために
記録に残しておきたいと思います。
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土地40坪 建坪32坪弱
2階リビング 2LDK
アラフォー夫婦+子
マイホームがSUUMOの注文住宅
雑誌に掲載されました♡↓
手術は無事に成功したとのことで一安心しましたが術後の経過が悪く、術後8日目に3回目の手術をしてようやく症状が軽くなり喜んでいた矢先に、夫が出血して緊急処置をすることなったとの連絡がきました。
最初はよくわかっていませんでしたが、夫は膵液瘻という10%〜20%の確率で発症する合併症を起こしていました。
膵液瘻とは、切断した膵臓から膵液が漏れでて、漏れた膵液が消化液や胆汁と混じることにより活性化して、周囲の組織を溶かしたり膿を作ったりして炎症を引き起こす合併症だそうです。
そして、まれに近くの動脈を溶かして出血を引き起こし生命にかかわる深刻な状況になることがあるそうです。
その確率は僅か2-5%だそうですが、術後出血を生じた場合その死亡率は 20-50%との報告があり、出血性合併症は時に致死的となる重篤な合併症の一つだそうです。
まさか2-5%の確率を引き当てて夫が命を落としかけていたなんて・・・
後からわかって背筋がぞっとしました。
後に夫が回復してから聞いた当時の様子は以下の通りでした。
少し体調が良くなったことで眠ることができる様になった夫は気持ち良く午睡をしていたそうです。
ふと目を覚ますと、お腹の辺りが血まみれになっていました。
痛みもまったくなかったので、一体どこから血が出ているのかもわからず、とにかく血まみれの状況にびっくりしてナースコールを押しました。
担当看護師さんが直ぐに来てくれて、「何かお腹が血まみれなんですけど」と伝えると、
担当看護師さんが明らかに動揺をしているのがわかったそうです。
夫の視点からはお腹の上の血しか見えなかったのですが、駆けつけた看護師さんには夫のお腹の大量の血、そしてそこからベッドの下に垂れ落ちる血、そしてベッドの下にできた血溜まりが見えていた様です。
担当者看護師さんは動揺を見せつつも、すかさず冷静にスタッフコールを押しました。
このスタッフコールというのは本当に深刻な緊急事態が起こった際に押されるものらしく、病棟のフロアにいる全スタッフを呼び寄せるという緊急信号だそうです。
後に新人看護師さん曰く、スタッフコールが鳴ったのは前回の緊急訓練以来、初めての経験だったそう。
スタッフコールが鳴り響く中、フロア中の全スタッフが夫のベッドに集結
フロアにたまたまいたお医者さまも駆けつけて下さいました。
とにかく止血をということで、お腹を自分の手で押さえる様に指示された夫はわけもわからずお腹を手で押さえますが、血の流れが止まることなく、激しい吐き気に襲われて吐いたそうです。
そうこうしているうちに両手の指先から痺れてきて、だんだんと視野が狭くなり、目の前が見えなくなって・・・
血圧もだいぶ下がっていた様で、夫はその時に、
あ…このまま行くと本当にマズイ。死ぬ。
と思ったそうです。
また、
こんな感じで人は死んでいくのか…と思ったと言っていました。
お医者さまはその間必死に夫を呼び続け、「とにかく意識を失ったらダメだから、何でもいいから話し続けて!」と言ったそうなのですが、
人間は死を感じると生き残るために全力で死を回避しようとするらしく、
夫は手術室に運ばれるまで、ひたすらに喋り続けたらしいです。
後にお医者さまからその当時の話を聞くと、夫が必死に喋り続ける姿を見て人間の生きようとする本能はすごいなと思ったそう。
夫はその時のことを覚えていなくて、お医者さまも夫がどんなことを喋り続けていたのかまでは教えてくれていないので不明ですが、
一体何を喋ってたんだろう?
変なこと言ってないよね?とやや不安
夫がかろうじて記憶にあるのは、お小水の管(尿道カテーテル)を入れるのだけは嫌だ!あれだけはやめてくれ!と訴えたことだけ…
手術室にはベッドごと運ばれて、その間に一瞬意識を失ったらしいのですが、気がついたら輸血が開始されており、視界に輸血のパックや食塩水?のパックがぶら下がっていたのが見えたそう。
その後はもう意識がなくて気が付いたらICUで全ての処置が終わった後だったとのこと。
そして、しばらくしたら私が面会にきた感じだったそうです。
痛みもなく出血していたので、もしあのまま目覚めることなく眠り続けていたら・・・発見が遅れて、本当にそのまま永遠に眠り続けてしまうところでした。
そう思うと本当に怖い。あの時、目覚めてくれて本当に良かったと思いました。
また、気がついた時に担当看護師さんが冷静に動いて対処してくれたことにも感謝しました。
その後、夫は担当看護師さんに会う度に「命の恩人の〇〇さんだよ」と私に紹介してくれました
また輸血ができたことで生き延びることができたので、夫に血を提供して下さった献血をしてくださった方に心から感謝しています。
今後、元気になったら次の誰かを救うために是非献血したいと夫は言っていました。
後に担当看護師さんに当時のことを聞くと、
あ…学んだ通りのことが本当に目の前で起こっている。これが…と思ったそうです。
知識として、すい臓を切った患者さんが稀に膵液瘻によって血管に穴をあけて大量出血するということは知っていましたが、本当に起こったのは初めてだったのでこれがそうなのかと思ったそうです。
冷静さが凄いですね。
動揺しつつも的確に判断して、学んだ通りのマニュアルに従って動いてくださった看護師さんには頭が下がる思いです。
わかっていても突然の事態でちゃんと動くのは難しいですよね。
本当に頼りになる担当看護師さんでした。
また、新人看護師さんからは「初めてのスタッフコールを経験して本当に勉強になりました。ありがとうございました。」と感謝されたらしい夫
今でこそ笑い話しにできますが、全ての方々が迅速に対応していたおかげで夫の命は救われました。
本当に感謝しかありません。
ありがとうございました。
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SUUMO掲載記事より