昨夜のムビラ(楽器)レッスンの集まりで披露したのは、この名作絵本でした。
『ぼんさいじいさま』
木葉井悦子
ビリケン出版
(初めは、偕成社から1984年に出ていたようです)
ずっと前から好きで、2年前に大阪市の『キンダ―ブック林林』さんで買ったのですが、
今はもう絶版で、ネットでは高額になったりしてるようです。
とても残念です。
大勢の人に読んでほしいのに。
けれど、私は、この本は、読んでもらうのではなく
本当は“自分で”読んでほしい本なのだと、お伝えしてから読み始めさせてもらいました。
自分一人の時空間で、じっくりと、この本の世界に入ってほしいんです。
絵も隅々まで見てほしい。
...ぼんさいじいさまの一番大切な、しだれ桜のぼんさいが満開になり、大満足のじいさま。
そこへ、小さな小さな
“ひいらぎ少年”がひょっこり姿を現して...。
さぁ、どうなるのでしょう。
ぜひ 図書館で探すか、うちに来て、読んで下さい。
このラストは確かに非現実的かもしれないけど、
誰もがこんなふうに 死を迎えられたら...と思わずにいられない。
《願はくは
花の下にて春死なむ
その如月の望月のころ》という西行法師の歌も思い出す。
とてもいい絵本。
だけど、なぜか私の心には、感動と同じだけの寂しさがある..。
これはいったい、どこからくるのか?
たぶん、こういうことだ。
ひと昔どころか、もっと昔の時代が舞台と思われる、この絵本。
こんな世界を見せられると、やっぱり私たちの現在(いま)の暮らしって、大きく間違っているのではないかな??
と思えてきて仕方ない。
動物(生きもの)や植物とのつきあい方も、やはりどこか間違っているのでは??
と思えてくる..。
それどころか、人間(他者)とのつきあい方さえ、なにかおかしくなってるのかもしれない。
それはもしかすると、自分とのつきあい方がおかしくなっているということかもしれない..。
そんなふうに、私にとってこの本は、
ただ感動して終わっていてはいけない、と思う本のうちの1冊です。