この記事は5158文字です。(読破予想時間:約12分16秒)
■はじめに
今日は、ギターのカポタスト(通常は略してカポと言います)の話です。
僕は長年、実に30年以上にも渡って、Jim Dunlopと言うブランドのTOGGLE CAPO Curved 14Cと言うカポタストを使い続けています。
しかし、このカポには、演奏中に外れるので使い物にならないだとか言う噂があって、長年に渡って時折僕の耳にも入ってくるのです。
でも、その理由が分かったと言うのが今回の記事の本題です。
徐々に話をすすめますので、結論までは今しばらく(かなりラストの方まで)お待ち下さいね。
それでは、始めたいと思います。
■ゴムで締め付けるカポタスト
バイトでお金を貯めて、15歳の夏に初めてアコースティックギター(フォークギター)を手にした時、それと同時に購入したのは、ベルトがゴム製の赤いカポだった。
ゴム製だけに、そう何年も持たずにゴムがゆるゆるになって使えなくなってしまった。
その後も前のやつよりすこしコンパクトな青いゴム製のカポを購入したが、それも同じ運命をたどる事になる。
最初の赤いゴム製カポがまだまだ元気な時に、どんなだろうと、買ってみたのが、Jim Dunlopのトグルカポ、14Cだ。
その頃から30年以上に渡って14Cを使い続けている。
■Jim Dunlopのトグルカポが好きな訳
Jim Dunlopのトグルカポには、僕がしる限り4種類ある。
まず、大きく本体部分がカーブしているものとフラットのものとがある。
フォークギターの場合は、大抵、フレットに少しアールがついているので、カーブを使うのがいい。
そして、その2つのタイプにそれぞれ、ベルトの長さを調節出来ないが、低価格なものと、ベルトの長さ調節の利く少しだけ価格が上のものがある。
僕が使っているのは、カーブでベルトの長さ調節が利くタイプの14Cと言う品番のトグルカポだ。
僕は、デカくてギターのネックでやたらと存在を主張して目立つカポタストはあまり好きではない。
そう言う意味では、トグルカポは、最もコンパクトで目立たないカポの一つだと言える。
そして、トグルカポは付けた時の厚みも薄いので、フレットの極にセットしても、手が当たって邪魔になる事もほぼない。
取り付けも簡単で、取り付けた時に、音がビビると言う事もほぼない。
ゴム式だと、けっこう微調整が必要で、毎回、音がビビらないボジションを探すのに、2、3度付け直す必要があったのに対して、トグルカポは本当に安定感と安心感がある。
そして、コンパクトで軽いので、持ち運びにも便利と言うオマケ付きだ。
そんな訳で僕は長年、Jim Dunlopのトグルカポを愛用しているのである。
■ネジ式のカポタストは二度と使わない
僕が二十歳前後の頃の音楽仲間で、ギターのネックを挟み込んで、裏からネジで締めて使うタイプの金属製のカポを使ってる奴がいた。
そのカポをちょくちょく借りたりしていたのだが、ある日、ギターのネックの裏側に円形の型がいくつもついている事に気付いたのだ。
カポのネジの先端のギターを締め付ける部分も円板型の金属がついていて、ギターを傷つけない様にフエルト生地で一応は保護がしてある。
でも、ギターのネックの傷は、間違いなくそのカポを締めた時のものだ。
ネックの木材にしっかり食い込んで、円形に着いた型の中心にネジが刺さった様な跡が、僕が初めて買ったYAMAHAのFD-250Dに30年以上経った今でもはっきりと残っている。
当時、そのカポを何度も使っていて、傷だらけになっている事になかなか気付かなかった自分にも腹が立ったし、そのカポを使った事を後悔している。
それから、ネジ式のカポは二度と使わないと決めている。
■いつの間にかメインが入れ替わる
ギターを買って、しばらくして、まだ赤いゴム式のカポタストがあるうちに、Jim Dunlopのトグルカポ14Cを購入したと先ほど書いたが、その最初に買ったトグルカポは今でも現役だ。
軽くてコンパクトなので、ギターを持って出かける時に、カポを入れ忘れた場合の対策に、ギターケースにいれておくと言う予備的な使い方をしていたので、最初はトグルカポの出番はあまりなかった。
しかし、メインと予備の立場は、そう時間をおかずに入れ替わる事になる。
ゴム製の場合、取り付け位置やゴムの引っ張り加減、カポの角度などによる、音のビビリが発生する確率がけっこう高い。
しかし、トグルカポは取り付けやすく、しっかりと弦をロックしてくれて、音の安定感もあり、簡単に安心して使えるので、気がつけば、トグルカポがメインでゴム製が予備に変わっていたのである。
■増えるトグルカポ
二十代半ば頃には、所有するアコギが3本になってたので、トグルカポもその分増えている。
3本のそれぞれのギターのハードケースの中に、予備として一つずつ入れてあるのと、各ギター毎に弾く場所が違うので、自ずとそれぞれ専用のカポを用意している。
更には、曲を作る時、近くにストラト(エレキギターの一種)があれば、そのままストラトを手に曲作りを進めてしまうので、ストラトの近くにも一つ置いてある。
と言う訳で、最低でも7つのJim Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14Cを所有している事になる。
■トラブルは一度もない
先ほど少し触れたが、それだけたくさんの14Cを30年以上に渡って使いながら、トラブルは最近まで一度もなかった。
なので、Jim Dunlopのトグルカポに関する悪い噂は、「多分、扱い方や取り付け方に問題があるのだろう」くらいに思っていた。
ゴム製カポの様な消耗品ではなく、きちんと使えばJim Dunlopのトグルカポは一生物なのではないかと思える程だ。
ただ、流石に30年以上も使っていると、ベルトの樹脂繊維がバラバラにばらけてボロボロになってきている物が一つある。
それは、僕がメインとして使っているギター、GUILD F30NTで使っているカポで、使用頻度の一番高いものだ。
そしてそれを、1年とちょっと前、去年の2月にとうとう買い替えたのだ。
と言っても、樹脂繊維で編まれたベルトがほどけたと言っても、使えない訳ではないので、捨てずに予備として未だに残してあるので買い替えとは言えないかも知れないが。(笑)
■新しいトグルカポ
新しいトグルカポを、30年以上も前のカポと比べてみると、流石にロゴデザインや印字は変わっているが、その他は、昔のまま相変わらずの姿形をしている。
やはりいいものはいいと言う事だろう。
実際に使ってみたが、問題なく使えたので、この頃はそれで全てが終わったと思っていた。
■噂のトラブルが我が身にも発生
しかし、買い替えて1年を過ぎた頃だろうか。
去年、新しく買ったばかりのその14Cが、最近になって演奏中に外れる様になってきたのだ。
その頻度は徐々に加速し、とうとう、ギターに取り付けて2、3秒経つか経たないかで直ぐにクルン!っと回転して吹っ飛ぶ様になったのだ。
■もしやバッタもん?
どこか壊れた部分はないかあちこち確かめてみたり、ベルトの長さを調節してみたり、取り付け位置や角度を変えてみたりと色々工夫はしてみたのだが、何をしても無駄で、僕の頭の中には「この新しいカポは偽物なのではないか?」と言う疑念が湧き始めた。
そこで、昔、Jim Dunlopのトグルカポに見た目がそっくりで格安の中国製のカポを買ったら使い物にならなかったと言う話を何度か聞いた事がある事を思い出した。
以前から使ってる14Cとロゴや印字が違う事も疑わしくなってきたのだ。
そこで、新たにもう1つ買う決断をしたのである。
■トグルカポ14Cを改めて購入
今度の購入は、僅か1年余りで故障してしまったカポの代わりと言う意味もあるが、壊れたカポが本物か偽物か確かめる意図もあったのだ。
正規品のパッケージは、自分が買った所ではないネットショップで確認出来たので、価格が何処より断然安い、以前買ったショップと同じショップでもう一度購入する事にした。
故障したカポのパッケージは既に処分済みなので、これしか確認方法はなく、よく使うショップだったので、危険な賭けであってもそれでも確認の為の購入をしたかったのだ。
そして、届いたDunlop TOGGLE CAPO Curved 14Cがこれだ。
Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14C・パッケージ(オモテ)
Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14C・パッケージ(ウラ)
他所のネットショップでのパッケージ写真と比べてみたが、全く同じである。
■正規品と比較
パッケージを開いて、いよいよロゴや印字の確認。
Jim Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14C・印字比較(本体側)
Jim Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14C・ロゴ比較(ベルト側)
写真では少し分かりづらいかもしれないが、新しく買ったものと、故障したものは同じロゴに同じ印字だ。
パッケージから見て、どうやらどちらも本物だと断定して良さそうなので、やはり、長い年月の間にロゴや印字が変わっただけであると見ていいだろう。
■トラブルの原因を発見!
では、たった1年で故障してしまった14Cはたまたま当たりが悪かったのか不良品だったと言う事なのだろうか。
30年以上使っている14Cと故障した14Cと新品の14Cをあれこれ見比べている内に、ベルトの先端のロゴの裏表と根元の部分に何となく違和感を感じてよく見てみると、正に、トラブルの原因ではないのかと思える違いを発見したのだ。
それは、故障しているトグルカポだけ、ベルトの裏表が逆なのだ。
Jim Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14C・ベルト比較
お分かりになるだろか?
正常な二つのカポとは逆を向いているが。
もう一つ分りやすい写真を。
Jim Dunlop TOGGLE CAPO Curved 14C・ベルトが巻かれている向き
要は、この写真はベルトの先端部分だが、ベルトの根元を本体の金属部分に差し込んである方向はそのままに、裏表逆にひっくり返して差し込み直せばいいだけなのではないのか!?
そう思って早速、オモテ・ウラを逆に挿し直して、試しにギターに取り付けて1時間程演奏してみたのだが、全く外れない!
原因は単純に、出荷前の取り付け作業のミスだったのだ。
おそらく手作業で組み立てている作業だろうし、海外のメーカーなので、けっこうその辺りや検品なども日本のメーカー程、神経質にはきっとやっていないのだろう。
そして、こう言った組み立て作業のミスが起きたままチェックもされずに出荷されているトグルカポは相当数あるものとみるのが妥当なところだろう。
僕は、「トグルカポはすぐに外れてダメだ」と言っている人達の購入したトグルカポのほとんどは、これが原因なのではないかと思っている。
僕の感触だと、新品でベルトが硬い内は、差し込み方が裏表逆でも何とかベルトの硬さで止まるのだろう。
しかし、使う内にベルトが柔らかくなると、向きが逆では、滑って緩むのだと推測している。
僕の故障だと思っていたカポもベルトはもうふにゃふにゃになっている。
それでも、正しい向きにセットすれば、何の問題もなくしっかりと止まってくれる。
■終わりに
結局、カポは1つ無駄買いになってしまって余っている状態ではあるのですが、また、失くしたり必要とする時が来るかも知れないので、大切に持っておきたいと思います。
「でも、原因究明には役立ったじゃないか」と言う慰めの言葉も聞こえてきそうですが、それは違います。
不具合の起きていない正規品をたくさん持っていますので、それとよく見比べれば、この事に気付けた筈ですから。
やはり、無駄買いと言わざるを得ません。
品番に関わらず、Jim Dunlopのトグルカポが外れると困っている方は、是非、この方法をお試しになる事をオススメ致します。
但し、僕はこれ一つしか試してませんので、これで治らなくても、僕の所には言って来ないで下さいね。(笑)
苦情や質問は、私ではなく全てメーカーさんへお願いします。(=^.^=) ニヤニャン
ここには、僕のカポタスト使用体験のほんの一部しか書きませんでしたが、僕の知る限りではと言うか僕にとっては、Jim Dunlopのトグルカポが最高のカポタストだと思っています。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
もし、こんな僕に興味を持ったと言う方がいらっしゃったら、是非、この下のリンクをクリックしてみて下さい。
ミュージシャン、皆見つかさの世界が広がっています。o(゜∇゜*o)(o*゜∇゜)o~♪
関連記事:アコギとフォークギターは同じ意味の言葉?
関連記事:音楽アーティスト「皆見つかさ」について【情報まとめ】
関連記事:この5年間に一番読まれた記事
関連記事:月間PVランキング、発表してみました。
関連記事:ブログを始めるにあたって
![]() |
Yodo Big River Blues / 皆見つかさ (DL配信) (シェイク・エンターテインメント)
255円(税込み)
iTunes Store |
![]() |
解放 / 皆見つかさ(DL配信)
(シェイク・エンターテインメント)
2,444円(税込み)
iTunes Store |