この記事は3166文字です。(読破予想時間:約7分32秒)
僕は、歌詞を覚えるのが得意ではないと以前書きましたが、どこかで、しかし、そうではなかったと訂正もしたのですが、もう一度訂正させて頂きます。
僕は、歌詞を覚える事くらいはすんなり出来る。
記憶力はいい方だし、暗記だって元々得意な方だ。
つまり、歌詞は完全に暗記しているのだが、ただ、いくらリハーサル(練習)を重ねても、どこかで必ずと言っていい程間違えたり、歌詞を思い出すのが遅れたりするのだ。
単純に間違えると言う場合は、1番で2番の歌詞を歌ってしまったりする事がほとんどで、これはライブで間違えても特に大きな問題ではないと言える。
僕が一番多い失敗は、歌詞を取り出すのが遅れる事だ。
簡単な話が、そのフレーズにたどり着いた時、「あっ!何だっけ!?」と言う状態に陥る事が、リハ中の平均で、一曲歌う間に1回は起きると言うくらい頻度が高い。
これが、ペーパーテストなどの答えを書くのであれば、一瞬「何だっけ?」となった所でその後で思い出せれば何の問題もない。
しかし、音楽の場合、思い出すまでに僅かでも時間がかかってしまうと曲は次のフレーズへ行ってしまい、思い出すのを待ってはくれない。
キャリアと共にそう言う瞬間をごまかす事も確かに上手くはなるのだが、間違えずに歌えるに越した事はないし、出来れば間違えずに歌い切りたいといつもそう思っている。
「間違えたくなければ、カンニングペーパーなり譜面台を立てるなりすればいいんじゃない?」と思う人がいるかも知れないが、僕はそれはしたくはない。
歌詞を見ながらでは、やはりパフォーマンスも落ちるし、お客さんに伝わるものも違ってくるのは明白だからだ。
◇やっぱり歌詞は覚えて歌った方が断然いい!
そして、そう言うタイプの人に限っては、「間違えるのは練習が足りないからだ」と言う彼らの持論も成り立つのだろう。
しかし、僕の場合は、理由はそれではない。
◇ミスが多いのや上手く出来ないのは練習が足りないから?
練習をたくさんすれば、確かにミスはどんどん減るし、安定感も増す。
そして、ライブで伝わるものも圧倒的に増える。
しかし僕の場合、それでも尚、必ずと言っていい程ミスは出る。
なので、練習不足が歌詞をミスる原因だとは思っていない。
では、今回僕が閃いた、歌詞を間違える・忘れる理由とは何なのか。
やはりそれは、集中力なのだ。
以前、僕は集中力は人一倍あり、少ない長所の一つだとどこかで書かせて貰った事がある。
でも、集中力には2種類あるのではないかと言う事も記事にした事がある。
◇集中力は二種類ある?
『集中力は二種類ある?』を読んで貰えば分かる事ではあるが、ここで簡単に二つの集中力とは何かを話しておく事にする。
一つは、一旦何かに集中し始めると、周りの景色も人も目に入らなくなり、あらゆる声や音も耳に入らなくなる、そう言うタイプだ。
但し、このスイッチは自動で入る事がほとんで自分の意思でオン・オフできないスイッチなのだ。
僕は、このタイプで、一旦スイッチが入るとその事だけに集中しすぎるくらいしてしまうのは、幼少の頃からで、持って生まれたものの様だ。
もう一つの集中力とは、自分で意識してやらなければならない時にそのスイッチを入れる事が出来、必要に応じてスイッチを切る事が出来るタイプの集中力だ。
一つ目の集中力がオートスイッチタイプだとすれば、二つ目のこのタイプはマニュアルスイッチタイプだと言える。
どちらのタイプも、威力を発揮出来る場面ではもの凄く威力を発揮するので、どちらがいいとか言う話ではないが、贅沢を言わせて貰うならどちらもあった方がいい。
そこで、先ほど、歌詞を間違ったり忘れたりする理由が集中力だと書いたのは、どちらの集中力の事か読者の皆さんはもうお分かりだろう。
そう、二つ目のマニュアルスイッチタイプの集中力の事だ。
歌詞を間違えずに最後まで歌い切るには、このマニュアルスイッチタイプの集中力があればいいのだ。
僕はオートタイプのスイッチを持っているので、音楽モードに入れば、他は何も耳に入らない。
しかし、リハの際、ライブ当日の必要以上の緊張を避ける為、ライブ会場をイメージしながらトレーニングをしたりする。
知らないライブ会場であっても、何かしら、自分の中から知っている会場を頭に置いてイメージトレーニングを兼ねていつも歌う。
その時に、歌いながら、イメージしているライブハウスで過去にあったトラブルやブッキングマネージャーと交わした会話など、色々な事が頭に浮かんでは消えると言う様な事があるのだ。
つまり、邪念が頭に浮かんで来ると言う事だ。
歌詞をミスする時は、必ず、何かしら邪念が頭に浮かんでいる時だと言う事をとうとう発見したのだ。
邪念が何も浮かんでいないタイミングではまずミスはしない。
この邪念が実に厄介で、どう頑張ってもどこかでふいに頭の中に湧き出てしまうのである。
勿論、集中のオートスイッチが入っているので、音楽に関わる事以外が邪念として出てきている訳ではない。
出てくるのは、イメージした会場にまつわる事や歌詞の内容にまつわる事など様々だが、連想が連想を生んで次から次へと邪念となって僕の邪魔をするのだ。
ここで必要になってくるのが、二つ目のオートスイッチタイプの集中の力なのではないかと僕は考えている。
この集中力はきっと邪念を取り払う事も出来る筈だ。
オートスイッチで音楽そのものの世界にはどっぷりと浸かっている。
そこで、歌う事に集中出来るマニュアルスチッチを自分で入れる事が出来れば、邪念とはさよなら出来るのではないかと言う事だ。
ただ、残念ながら、集中のマニュアルスイッチの入れ方が、今の僕には分からないのである。
禅寺で修行でも積めばいいのか、はたまた、ヨガでも極めればいいのか・・・。
最後に。
歌詞を間違えるのは、緊張感のあるなしが答えだと考えた時期もありました。
しかし、その緊張感をどう出せばいいのか?と言う話になると、やはり、マニュアルスイッチを自分でオンにすると言う方法にたどり着くのです。
なので、一番キャリアの長いボーカルと言うパートと、次いでキャリアの長いアコギを言うパートであるが故にその緊張感が生まれないのではないかと言う気がして、それをコントロールする鍵が集中のマニュアルスイッチのオン・オフだと言う、結論に近い仮説に至った訳です。
これを結論とするには、やはり、自分でそれを会得して結果どうなったかを身を以て体験しないと出来ないですからね。
ちょっと色々工夫してみます。
リハーサル前に座禅でも組んでみますか!
なぁ〜んてね。
ま、考えます。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
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