この記事は4976文字です。(読破予想時間:約11分50秒)
今回は、恐怖症についての話です。
単に「怖い」と言う感覚を持っている事と「恐怖症」と言うものは違うの?と言う話です。
そして、違うのならそれはどこがどう違うの?と言う話もしていきたいと思っています。
僕の持つ恐怖症の詳しい症状や、僕の経験からただの「怖い」と言うだけの感覚と「恐怖症」の違いについても、どこがどう違うのか、これからじっくり話したいと思うので、興味があれば是非聞いて頂きたいと思います。
以前書いた事があるが、僕には2つの恐怖症がある。
◇入院生活で嬉しかった病院スタッフの気遣い
この話をする前にまず初めに言っておくべき事が2つあって、その1つ目が、この恐怖症の症状が皆同じ様なものなのか、個人個人によって違うものなのかは僕には分からないと言う事である。
そしてもう一つは、恐怖症と単に怖いのは違うと言う事だ。
ここを理解して貰わないと話が前に進まない。
世の中に高い所が怖いと言う人はたくさんいる。
そのたくさんいる高い所が怖いと言う人の中には、「自称、高所恐怖症」の人もたくさんいる。
例えば、高い所が怖いと言いながらも、その中には怖いからこそ高い所でそのスリルを味わいたがる人間もたくさんいて、これは、明らかに高所恐怖症と言うものではない。
そして高い所が苦手だと言う人もたくさんいる。
こう言う人は流石に高さによる恐怖を自分から味わいたがったりしないものだが、高い所が苦手だから高所恐怖症であるとは限らない。
何らかの恐怖症と単に怖いだけの2つの違いを例えるなら、認知症と単に物忘れが激しいだけの健康な脳みその持ち主の様なものだと思って貰うと分かりやすいのではないだろうか。
高い所が何とも思わないって人や、高い所が好きだと言う人もいるが、そう言うタイプや嗜好の人を除けば、後は、基本的に人間は高さには恐怖を感じるものなのではないだろうか。
高さと言うものは、我が身に危険を及ぼすものであるし、人が本能的に恐怖を覚えるのは何ら不思議な事ではない。
しかし、高所恐怖症と言うものはそう言う一般的な反応からは、逸脱して高所に対して恐怖心を抱いているものなのである。
僕は、生まれた時から2つの恐怖症を持っていた様で、つまりは先天性の恐怖症の持ち主だ。
自分が高所恐怖症であるとしっかりと認識するまでにはある程度の月日を必要としたのだが、後からいろいろ考えると先天性だった事は間違いがない様だ。
その理由も後述したいと思うが、まだ、僕自身も家族も僕が高所恐怖症だと気付いていない3才の時に、それまで住んでいたアパートの1階から二階建ての家を購入して移り住んだ時の事だ。
僕は、その家の二階の部屋の窓のそばへは怖くて近寄る事が出来なかったのだ。
窓を閉めれば外も見えず怖くない筈なのに、窓が閉まっていても、ある一定の距離からは恐怖ですくんで窓に近寄る事が出来ない。
当然、ベランダに足を踏み入れるなんてとんでもない事で、その時点でもまだ、高所恐怖症とは自他共に認識はなく、単なる「恐がり」だと言う認識の中に収まっていたのである。
それ以外にも、隙間から下が見える鉄製の階段なども物凄く怖くて自分ではとても昇る事が出来ず、どうしても登らなければ目的地に辿り着かないなどの場合には、親にしっかり抱っこされてしがみついて目をつぶって移動したのを今でも鮮明に覚えている。
言うなれば、自分では足がすくんで身が縮こまって絶対にその1歩を踏み出せないので、大人が強制的に運ぶ感じだ。
大人にしがみついて目を瞑っていれば怖くないのかと言えばそんな事はなく、恐怖そのものが和らぐ事は一切ない。
ざっと説明すると僕の高所恐怖症とはこんな感じだ。
大人になって、随分マシにはなっているのだが、治ったと言う訳ではない。
テレビを見ていてもタレントが自分で高所恐怖症だと言ってる場面をよくみかける。
しかし、僕から見た感じではそのほとんどが自称・高所恐怖症だ。
自称高所恐怖症のタレントなどがテレビのバラエティーで、高所恐怖症なのにバンジージャンプだとか高い所が関わる罰ゲームなどに挑んだとか言ってる場合があるが、これは僕には信じ難い事でこれは単に高い所が怖い・苦手ってだけだろうと思えてならない。
高所恐怖症の人が高い所で恐怖を体感している時の反応とはどう見ても全くの別物だし、恐怖症とはそんなに単純なものではない。
本物の恐怖症は、仕事だからとかプロ根性などでどうにかなるものではない。
先程も話したが、高所恐怖症と先端恐怖症と言う僕のこの二つの恐怖症は先天的なもので、先天性であると言うその根拠になるエピソードがある。
不思議な事に母が僕を身ごもった時、突然、この二つの恐怖症を発症したのだそうだ。
そして、僕を産んだ後は徐々にその恐怖症は薄れていったそうで、今でもほんのちょぴり残ってはいるが、まあ、程度はかなり軽いらしい。
でも、母も軽くなったとは言え、未だに高所恐怖症と先端恐怖症の症状を抱えている。
これらの恐怖症はきっと僕が母の胎内に残していったものだろう。
そういう根拠があって、僕の場合はおそらく先天性だと信じて疑わないのである。
先端恐怖症の場合、高所恐怖症と違って「自称・先端恐怖症」と言う人には会った事はない。
この恐怖症は高所恐怖症に比べてマイナーなせいもあるのかもしれないが、先端恐怖症だと誰かに説明すると、どんな風に怖いのかだとか興味津々訊かれる事が多い。
僕が先端恐怖症だと認識させられたのは随分前の事で、眼科での治療の際だ。
もともと尖ったものが苦手だと言う事は当然自覚している。
しかし、「先端恐怖症」と言う言葉を初めて聞かされた相手が眼科医だったと言う話だ。
その医師の言葉によって僕は先端恐怖症なのだと初めて自覚する事になった訳である。
それでは、先端恐怖症とはどういうものなのか説明しておこう。
あくまで僕の場合の症状なので、全ての先端恐怖症が同じ症状だと思い込まれても困るのだが、話を進めるには参考程度には知っておいて貰う必要があるので、取り敢えず「僕の場合は」と言うのを強調しておきたいと思う。
読まれる方も、そこを認識した上で理解を深めて貰えれば、僕としては願ったり叶ったりである。
先端恐怖症と言う名前からよく誤解されるのは、先の尖った物を常に怖がっていると思われる事だ。
先端恐怖症の場合、高所恐怖症と違って発作的な所があって、何かのはずみで、恐怖症のスイッチが入って発作が起こると言う感じである。
突然、そのスイッチが入ると目玉の中心から目玉がムズムズする様な感覚に襲われて、まず尖ったものを直視出来なくなる。
その目玉の不快感は、時間が経つ毎にどんどん増していく。
そして、目をそらしたり目を瞑ったりしてみるのだが、そのスイッチが入ってしまうと手遅れで、見える見えないに関係なく恐怖と目玉の不快感に支配される。
時間と共にその発作は酷くなり、鉛筆や注射針や刃物などの先が細く尖ったものだけでなく、机などの家具の角などもダメになり、角が丸いテーブルなども見れなくなり、最後には形あるものは全てダメになり、とうとう、目を開けていられなくなる。
目を閉じていても、目に襲い来る独特の口で説明出来ない何とも嫌なあの感じからは逃れる事が出来ないのだが、もうその段階では目を開けてはいられなくなるのだ。
けっこう発作が短時間で治まる時もあれば、ほぼ一晩中発作が続いて、ほとんど眠れない時も稀にある。
日常生活をしているだけでは、鉛筆を見ようが、ナイフを見ていようが特に意識する事はないのだが、針を直接扱う時は少し意識をしてしまう。
少し怖さを覚えるのと、発作が起きると困るので、ボタン付けやちょっとした繕い物などをする時、針の先端を直視せず、少し、針から目線をそらせた状態で作業をする。
そして、注射針は、発作が起きるトコまでいく事は滅多にないのだが、体に確実に刺さると分かっているせいか、直視は出来ず、注射は大嫌いである。
注射を刺す痛みより、注射針が自分の体に入って来る感覚や抜かられる時の「針感」の様な物に恐怖を覚えるのだ。
点滴なんて刺されたままになるので、一度点滴の針を刺されると、看護師さんや周りの人達からは違和感を感じるくらいに僕の体の動きは堅くぎこちなくなるようだ。
体に針が刺さっている感覚にほとんどの意識を持っていかれて、怖くて、針の刺さっている腕などの部位の曲げ伸ばしは必要最小限になり、動きは何をするのもゆっくりになり、点滴のチューブを引っ張られたり引っ掛けたりで、ダイレクトに針に衝撃が来ない様に、常に、チューブを少したぐり寄せて、余裕を持たせておく。
一番初めに貼ったリンク記事でも書かせて貰ったが、昨年12月に入院した時、点滴中に先端恐怖症の発作が起きた事がある。
詳しくは、上のリンク記事とだぶるので、興味があればそちらに詳しく書かれているので読んで貰うと嬉しいのだが、発作が起きた場合、自分でも知らなかったのだが、針を少し刺しただけで、全ての血管が収縮して見えなくなるのだそうだ。
そうなると、針をそれ以上刺し進めなくなり、どんなに腕のいい看護師も医者もお手上げなのだそうで、点滴の針を刺すには発作が治まるのを待つしかなくなるのだ。
そして、その発作はその日に治まる保証もなく、同じ点滴だと思うだけで再発作が生じたりして、なかなか、意識を外す事が出来なくなるのだ。
しかし、その発作騒動があった後にも、何故か採血は問題なく出来たのだが、その事に驚きと安堵と二つの気持ちが入り交じったのを覚えている。
退院後、違う病院で点滴を射った時には、スタッフも環境も違うせいか、その時は、発作は起きなかったので、採血の事といい別の病院での点滴の事といい、あの時の発作を思い出さない条件の違いや環境と言うのは大事なのかもしれないと感じた。
ちなみに、これらの恐怖症には特に発作を抑える頓服薬の様なものはなく、本来なら、恐怖症とは生涯に渡って上手く折り合いを付けて生きて行くしかない。
しかし、僕の場合は、ひょんな事から先端恐怖症の発作が治まる薬を発見したのだ。
◇生まれて初めての内視鏡、そして救急搬送へ
その事は以前も書いた事なのだが、その中の一つのかかりつけ医から常時貰っている薬で発作が治まる事に偶然気付いたのだ。
薬を飲まなければならないタイミングと発作のタイミングが何度か偶然重なった事で気付いたのだが、これはラッキーだと言わざるを得ない。
それに気付いて、まだ、おそらく1年も経っていない。
主治医の先生に訊いた所では、その薬は先端恐怖症の治療に使われる事がある薬ではなく、そんな話も聞いた事はないそうだが、その薬で治まるのなら、発作時に飲んでもいいと許可を貰ったので、それ以来凄く重宝している。
その薬を口にして1時間もすれば発作は治まり始めるのだが、入院中は、その薬はその病院では扱っていないと言われて、手に入らなかったのだ。
あれ以来、その薬は数回分だけ鞄に入れて持ち歩く様にしている。
ただ、その薬については、先端恐怖症の治療薬でも頓服薬でもないと言う事なので、薬の名前は伏せさせて貰おうと思う。
主治医の先生から許可を貰ったと言っても、薬の処方は患者によっていろいろ異なる訳で、医師でも薬剤師でもない僕にその判断は出来ないので、無責任な話の流布はやめておく事にすると言う意図をご理解頂ければ嬉しい。
二つの恐怖症について、何となくでもご理解頂けましたでしょうか?
あまりに誤解される事が多い高所恐怖症と、あまり馴染みがなく、毎回の様に質問攻めに遭う先端恐怖症と言う事で記事にさせて頂きましたが、誰かの何かの役に立てれば幸いだと思っております。
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