天下分け目の | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

1月1日から実施予定だった燃料税増税を政府は結局は見送った。
2019年中は燃料税の値上げはしないとしたのだった。
当初は6か月間の「モラトリアム」とし、その間、関係者が討議し最適の解決策が見つからなければ増税は取り止める、とフィリップ首相は説明していた。

これは今までのマクロン大統領の決めたことは変えないと頑なな姿勢が後退し和らいで国民と対話する道へ方向転換したことを示す好い兆候だ。

しかし、その後マクロン大統領が燃料税増税を断念すると決めたと報道された。
黄色いチョッキを着たフランス市民の仮の代表役のような人が何人かテレビに招かれ「これでは不十分だ」「われわれが求めてるのは購買力のアップだ」「最低賃金を上げよ」「デモと実力行使は続ける」などと発言し、反政府の硬い意志が確認されたため、これ以上道路や製油所の封鎖が続いては経済活動に与えるマイナスの影響が甚大なものになると判断して取り敢えずは燃料税の増税撤回を決めたと思われる。

 

 

 

6日の午後、フィリップ首相が国会で演説し続いて質疑応答がなされ討議は4時間にわたって行われたのだったが、その直後にマクロン大統領が2019年の予算には燃料税増税分を計上しないと発表。国会議員は長時間にわたる討議がなんだったんだ! とあきれ返った。混乱による大統領府と首相官邸の間に情報の統一がはかれなかったとみられる。

フランス第五共和制下では、歴代大統領と首相との人間的軋轢が必ず伴う。ドゴールとポンピド
ー。ジスカールデスタンとシラク。ミッテランとベレゴボワ。シラクとアランジュッペ。サルコジとフィヨン。ここへきて、マクロン大統領とフィリップ首相、二人の間の人間関係に亀裂が生じないとも限らない。世論はマクロン支持が23%に対しフィリップ首相は50%を超えている。12月1日土曜日、大荒れのシャンゼリゼを首相が現場検証にすぐに赴かず予算大臣が準備した誕生祝に2時間もかけた後行ったとG20からの帰着後に知ったマクロン大統領は怒りを爆発させたという。

陸送トラック運転手組合のCGTとFOの2大組合が黄色いチョッキへの連帯を示すため日曜(9日)からがストに入ると声明した。しかし、経営者側から書面で「残業手当支払い保証」を得られればストは解除するとも発表した。

 

また南部鉄道は土曜日は黄色いチョッキの人たちを無料で電車に乗せるよう鉄道員に呼びかけた。

さらにリセ(高校)がバカロレア(卒業資格)の改組に反対し封鎖を決めその数は200に達した。大学も経費の個人負担増額と都市部の家賃高騰などで就学条件の悪化に抗議してストを始めた。

ここで黄色いチョッキの呼称につきひと言。Yahoo Japan など日本の報道を見ると政府関係の報道も含めほとんどが「黄色いジャージ」としている。めのおは「トウールドフランス」が好きなので毎年夏になると観戦するのだが「イエロージャージ」はこの長い歴史を持つロードレースの個人総合優勝者が着る名誉あるウエアーなのだ。ジャージと呼ぶにふさわしい伸縮性に富んだ黄色いウエアーなので「イエロージャージ」と訳して適訳だと思う。

でも、こんどの黄色いチョッキはほとんどが半袖の胴衣でフランス語ではジレ gilet 。せめて英語でベストとするのが好いと思う。「チョッキ」の語源は「jack 」なんだそうだ。

 

10年ほど前から自家用車を運転する際にも常備するのが義務付けられた。車がトラブルで道路脇に停車し緊急車線を歩いたり作業したりするとき安全用に遠くからも他の運転者の注意を引くよう目立ち易い黄色の蛍光色のベストを着用するよう義務付けた。通勤に車を使わざるを得ない農村部に住む人たちが燃料費の高騰が家計を圧迫してこれ以上我慢できなくなった。家計が破綻してます。トラブルってるので道路通行者に緊急援助を求めます。そういう意味を込めて「ジレジョーヌ(イエローベスト)を着用して道路脇に立った。それを運動のシンボルにしたのだった。

黄色いチョッキの人たちは明日土曜日もまたデモを行うと対決姿勢をくずさない。

 

フィリップ首相は、全国に動員する治安部隊の数は特別に8万9千人、先週に比べ2万3千人増。うちパリに8千人(3000人)に増やすと発表した。

 

さらに内務大臣は特別に「装甲車15台をパリに出動させ機動性を高め治安維持、人命保護に努めると発表した。この装甲車は四輪の装甲車でブルドーザーのように重量物を排除することが出来る。戦車ではない、と内相はコメントしたがパリにこの種の装甲車が入るのは歴史始まって以来。

こうした措置は過激化した黄色いチョッキの一部とくに若い人の挑発が Facebook などで発されているからだ。
 

若いジレジョーヌの一人エリック・ドルエ Eric Drouet は「8日土曜はエリゼ宮だ!」とBFMTVのデベートで発言し問題となっている。警備網を破って大統領府突入を呼び掛けてるのだから。

司会者がエリゼ宮前に集合してなにするんですか? クーデタでもやるんですか? と訊くと、あそこは現政権の象徴だから。みんなあそこへ行きたがってる。全員がひとつになってエリゼ宮に向かって最後まで進むんだ。この土曜はエリゼへ! 最終的決着をつけるんだ。

政府が折れて引いたのに黄色いチョッキ側が返って過激化したのに怖れた関係者は黄色いチョッキの人々に「パリへは行かないよう」呼び掛けている。これは温和な黄色いチョッキを着たフランスの市民と「壊し屋」「火事場泥棒」を区別するためでもある。温和な人々がパリに集まらず地方に留まるなら、パリに来るのは「壊し屋と殺し屋」の過激派だけになる。警察は大量逮捕を準備している。

パリ市はシャンゼリゼなど先週荒れた通りの舗石を取り除き、工事現場のパネルの代わりに重いコンクリートの壁と1トンはある鉄板に取り換えた。

機動隊もスト ? 一部には機動隊もデモに加わるのでは? との憶測も出ている。20kgの装備を着け早朝から夜遅くまで暴徒と闘い疲れ果てているからだという。

警察官の中の少数派組合が土曜日から「黄色いベスト」支持の意思表示のため無期限ストを呼び掛けている。

しかし、組合の秘書によれば、この動きは「事務職、技術、科学部門、それに内務省で働く手作業労働者と料理人などに限られている。機動隊はストを行う権利がないので、ストに呼応する人の数は限られているという。

パリの暴動は世界中に報道されるので、来年の観光客の数は減るだろうし、外国企業のフランスへの投資も減り、景気回復は遠のいた。マクロン政権が発足して少しは景気も良くなり家も売れるのではと期待したが、この様子だと期待は虚しかったようだ。

「財産税 ISF 」についても議論が続いてるのだが、長くなるので次回に……。

 

 

 

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