運転手のプロフィール | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

84人の死者、300人にも上る負傷者を出した7月14日夜のニースの暴走トラックを運転していたムハメッド・ブーハルのプロフィールが徐々に明らかになってきた。


白あじさい



チュニジアに住む父親はインタヴューにムハメッドは閉じこもりがちで親にも口をきかず自閉症的な子供で精神科医の処方により治療を受けることになっていたという。

しかし学業は優秀でフランスの大学では建築科の学生となり同級生は頭の良い青年だったと証言している。

だが建築家にはなれず、職業として大型車の免許を取りトラックの運転手をして生計を立てていた。妻からは家庭内暴力で離婚手続きをされ独り暮らしをしていた。

共和国検事フランソワ・モラン氏は
18日に行われた記者会見で、事件直後トラックの運転席とムハメッドの自宅の家宅捜索により押収されたパソコンの解析結果により明らかになった容疑者のプロフィールを公表した。

その前にニースのパスツール病院に運ばれた84人の死者のうち身元が判明できたのは61人で、23人は未だ確認ができていないという。大型トラックにひき殺された遺体は顔かたちも無惨に破壊されてるのだろう。

検事はムハメッドとダエッシュ(イスラム国)との直接的な関係を示す物的証拠はいまだ見つかっていないとした上で、インターネットを通じて容疑者が犯行の2週間ほど前から急激に過激化した様子が確認できたという。

ムハメッドがスマホのSMSで通信した6人のうち一人はアルバニア国籍で自動拳銃を入手しムハメッドに提供した。

7月4日にレンタル会社とコンタクトし、7月11日~14日の期間大型の冷凍貨物トラックをレンタル契約した。値段は1600€で、ムハメッドは銀行にローンを申し込んだが断られ、ATMから1000€を引きだそうとしたが550€しか引き出せなかった。

しかし(自分の車を売った?かして)トラックは借りることが出来、7月12日から数度に渡り現場の事前調査と確認のために海岸通り(プロムナッド・デ・ザングレ)をトラックで通り、ネグレスコホテルの前で停車してセルフィー写真を撮った。これは、通りに設置してある監視カメラにも写っていて確認できた。

インターネットでは数週間前にニースで起きた車がレストランに突入した事件の記事を閲覧しており、意図的に突入した怖ろしい殺人事件というコメントも見た。

人格的には宗教とはずっと無関係で、モスクへも行かず、酒を呑み、豚を食べ麻薬もやっていた。

ボデイービルデイングで魅力的な肉体を作り、同性異性を問わず羽目を外した性的関係を結んでいた。

凶暴な性格で、子供が3人いながら家庭内暴力が絶えず、そのため離婚手続きをしていた。

数週間前からアゴヒゲを生やし始め、家族には「これの意味は宗教的なものだ」と言っていた。

USA、オルランドの乱射事件、フランス、パリ郊外マグナンヴィルMagnanville の警察官夫婦殺害、昨年1月のシャルリ・エブド襲撃などテロの現場写真を熱心に視て、さらにダエッシュ(IS)が人質を首切り処刑する様子を視ている。

このように、もともと自閉症的で急に暴力を振うなど精神的に不安定な性格のうえに、失業と離婚の問題を抱え出口なしの状況にいるときに、セラフィー主義を掲げジハード(聖戦)を唱えるISのプロパガンダは極めて魅力的に映り、救いへの道がそこにあるかのようにたやすく戦列に加わろうという気を起こさせる。

マグナンヴィルの警察官夫婦殺害は犯人の遺書によりイスラム過激派のテロだったが、それまでの自爆テロと違い凶器はナイフが使われた。

爆弾が入手できないなら、ナイフでも棍棒でもクルマでも身の回りにある手に入るなんでも使ってユダヤとアメリカ人とフランス人(とそれに手を貸す国の人間)を殺せ、というISのプロパガンダをインターネットで視るだけで、シリアに行き戦闘訓練を受けず、指導や指示を受けなくてもISの戦士としてテロを実行することが出来るのだ。

19トン積みの大型トラックが通行止めになっていた海岸通りにどうやって侵入できたか? というのがニース市民の間でも問題になっていて、私が視たヤフーのニュースでは「アイスクリームを配送するので」と言って検問を潜り抜けたとあったが、いくらニースの市警と国の警察がお人好しで間抜けでも、花火見物客がぎっしりと埋め尽くしている通りに大型トラックがいくら冷凍車だったとしても鵜呑みにして通すはずがない。後部の扉を開けさせて積み荷を確認すればムハメッドの自転車と木のパレットが5つほど積んであるだけと判ってしまう。

検察当局の発表では、トラックを止めようとパトカーが前を阻んだが、ムハメッドは境の鉄柵を押し倒してトラックを歩道に乗り上げ、海岸通りを突進したという。

トラック防止柵を置けばよかったとか、対戦車砲をぶっ放すべきだったとか、事件後、主に保守の政治家が来年の大統領選挙にからめて社会党政府を糾弾する声を高めているのだが、爆弾を使わず、今までとはまったく違った方法でテロが行われたことに、警察も阻止しようがなかったのが現実で、これは社会党でも保守の共和党が政権に居たとしても変わらない。

政府は、市民から警察予備隊を12000人募集すると発表した。17歳以上のフランス国籍、前科が無い事などが条件。

前大統領のサルコジ氏は、そんな手ぬるい事で、これからも起こる筈のテロが防止できるか。まずは「Sリスト」(シリア、イラクなどへ行き帰って来たテロリストになる可能性のある危険人物)から国外追放に処すべきだ、と政府を批判した。


今回のモハメッドのようにテロを起こすわずか2週間前から急速に過激化した人物を警察は予知できないし、そんなことまで徹底して監視するとなると、個人の人権侵害にふれてしまう。変身に気づいた家族や近親者しか危険を予知し警察に申し出るしかない、という個人の人権侵害とすれすれの予防措置しかない。それを、政府は充分な対策をしなかった、と非難するのは政治利用だと思う。昨日のニースの事件現場の追悼集会にヴァルス首相に対し「人殺し!」「辞任しろ!」とヤジが飛びブーイングが起こったのだが……。

たび重なるテロと犠牲者の増大に、個人の権利にはうるさいフランス人も、81%は自由を犠牲にしても安全を守ってもらった方がいいと世論調査に答えている。