猫とおサツ | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

「殊勝である!」
「気持ちはわかった。ご馳走するよ」

隣のネコは毎日ウチに食べにくるのだが、ウチにはもう7匹もいてエサ代、犬猫病院の支払いが毎月家計を脅かし、とうとうわれわれ年寄夫婦の生命保険を取り崩すまで追い詰められた。もう限界です。残りモンをきれいに片付けてくれるのはありがたいから家には入れてあげるけどね。

夏日がこれで4週目。台所も玄関もドアを開けっぱなしで風を入れる。午後は逆に外のほうが熱いので鎧戸を閉める。石の床は夏日には涼しくてネコも気持ちがいいらしく、寝そべってしまう。残りモンを平らげたあと、居心地のいい場所をみつけたネコはゆうゆうとお昼寝。この猫からだは小さいが食べる食べる。

ときには出て行ってもらうことにしているが、先日出て行ったあと、すぐに戻ってきた。みると二匹の仔猫を連れている。そして、こちらの顔を見て、目をしばたたいて済まなそうに顔を伏せるではないか。すみません。わかってください。あたしが食いしん坊だからじゃないんです。仔猫にお乳をやってるんです。

だって、キミはつい先月仔猫を産んだばかりだろ。灰色のトラは大きくなったじゃないか。この二匹の仔猫は生後2週間たらずとみえるが、キミが産んだんじゃないだろ。先月キミの大きかったお腹がへこんだと思ってたが、乳は張ったままだからどしたのか?って思ってたけどね。ほかのネコの仔を育ててんの?

そうなんです。ウチには猫がいっぱいいて、だれがどれの仔かわからないくらいなんです。食べるときも同じお皿に頭をぶつけあって奪い合いしないと口に入らないし、あっというまになくなってしまうから。お宅はまだ余裕があって、お腹いっぱいゆっくり食べられる。

一昨日の夜はキッチンの前のテラスに遅くまで黒い仔猫に乳をふくませ横たわっていた。

夜になると冷えるので心配だったが入れてやると確実に居ついてしまうので、家を売り引っ越し準備中にこれ以上猫が増えては問題なのだ。今でさえ7匹をどうする? と頭を抱えているのだから。

黒と茶の毛足の長い二匹の仔猫は大人のネコが皿に残したものをぜんぶ平らげてしまった。お腹がくちくなると眼がふさがり、その場でお昼寝。

夜冷えたのが悪かったか昨日は食べたものを全部吐いてしまった。

この母猫は、おまえはウチのネコじゃないんだからね……ってこっちの気持ちを、察してるようで、落ち葉を咥えて来ては「気持ちだけですが……」と入り口に置くのだ。もう3回もやってる。

ネコにも価値の交換って観念があるのか? 

残りモンだけど餌をくれたり昼寝をさせてくれたり……感謝してます。あたしだって物乞いでやってるわけじゃないんです。ネコにだって気位ってもんがありますからね。おサツのかわりに受け取ってくださいな。

「葉っぱじゃなくて、こんだ、ほんとのおサツ持ってきてよ。……キツネみたいに木の葉をおサツにチチンプイで変えられないのかね」

ネコは大きな丸い目をきょとんと開いたままだった。

(おわり)

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