牡蠣の季節 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

クリスマスのご馳走と言えば、フランスでは生牡蠣とフォワグラ。フォワグラは脂肪の固まりみたいなもんだし、ガチョウの喉に長い漏斗の管を突っ込んで器械で無理に餌を呑みこませ、肝臓肥大にするやり方が残酷でどうにも食べる気にならない。

唯一、生牡蠣は、美味しいと思うし、カミサンも大好きなので、剥くのが大変だけど、毎年クリスマスからお正月にかけて、なんどか食べる。前居たフォンテンヌブローには魚屋さんが2・3軒あって、大きくて新鮮な牡蠣を売っていた。今住んでるところは内陸なので魚屋がない。スーパーで売ってる箱入りので我慢しなければならない。その代わり、生牡蠣とはぴったりの白ワイン、サンセールが近くで豊富に出回っていて、有難い。


牡蠣

開いた生牡蠣の貝柱をナイフで切り、レモンを絞ってかけ、縮むのを確かめてから、小さなフォークで身を引っ掛けて口に入れ、薄いつるりとした身を噛んで味わってから、殻に残った海水も啜ったあと、サンセール・ワインを口に含むと、火打石のブーケが口腔と鼻腔にひろがり、さっぱりとした味と酸味が快く喉を洗ってくれる。これはもう、いちどこの快さを覚えたらやめられない。シャブリほど甘味やブーケが強くなく、ほんとにさっぱりした生牡蠣にぴったりのワインなのだ。

生牡蠣をいつごろから食べ始めたかというと、ローマ人がフランスを占領してた頃からなんだよね。近所にエスコリヴ・サント・カミーユというローマ風呂の遺跡があり、ローマとケルンを結ぶ街道上にあった温泉宿だったのですが、そこから牡蠣の化石が出てるんです。ガイドさんの説明によると、ローマ人は海水が入った生簀に生牡蠣を入れ、道中担いで運ばせながら生牡蠣を食べた、というから、さすがローマ人! グルメもここまで徹底してたのか……なんて驚きます。

日本のおせち料理も、僕がまだ学生で母親が元気な頃は、晦日になると2・3日かけて黒豆、きんぴら、蛸と
大根人参の酢の物、里芋や蓮根を煮たり、きんとん、昆布巻き、紅白の蒲鉾、伊達巻などは買ったのを重箱に積めて、大晦日の除夜の鐘が鳴るまで台所で立ち働いてたけれど、母が年老いてから正月に帰郷すると、もはやおせちも全部スーパーで買った出来合いのもので済ませていた。

生活のモードが変わってしまった。フランスでもクリスマス料理をスーパーやレストランやカフェテリアや仕出し専門店(traitteur )が予約を取って作ってくれる。料理はまあ、作る楽しみがあるし、時間を掛けて作っても食べるのはあっという間のことだけれども、有名高級レストランで食べても、跳びあがるほど旨い料理はめったにあるものじゃなし、要は雰囲気なのだと思っているから、祭日に家族団欒で楽しむ料理がいちばんなのだ。

来年は年齢もちょうど70、フランスへ来てちょうど40年目になる。なんのためにフランスに居るのか? と昨夜も考えた。

日本語が母国語なので、日本語なら大抵のことは理解できるから読み書きしているのだが、単に郷愁に誘われて読み書きしてるだけじゃないのか? と自責してみた。言葉で作る作品は、それが日常的に話され使われている場所に置かれてはじめて評価されるのじゃないか? フランスに住む一日本人として、しなければならないことがあるだろう。僕のフランス語では、高度な内容のものは書けないが、言葉が足りないところを絵で補えればいい。それは40年前パリに着いた当初考えたことだ。

40年フランスに住んで、外国語でもある程度血肉化した。忘れてることの方が最近は多いが、あと10年フランスに住むことを考えて、老年の最後の力を振り絞ってやるだけの価値はある。

友達は皆いちように「君は絵の方が優れている」と言い、決して文才がある、良い文章を書くとは言ってくれない。僕自身彼らの方がずっと文才があると思っている。「絵の道を行ってれば稼げたのに」と言ってくれるが、絵については彼らより限界を知っている自分としては、文才がないから物書きなんか辞めた方がいいよと言う代わりに慰めに絵の方がいいと言ってるだけのことかと思う。眼が悪くなったこともあるし、プロの絵描きのデッサンを見てからは絵を描くのは止めたのだったが……。

ところが、デジタル絵画を少しやってみて、がぜん興味が湧いた。眼が悪くても拡大して描けるし、デッサンが下手でも補う方法がいくらでもある。まずは短編から。表紙絵とイラストを描いて絵本をいくつか電子書籍で出そうと思う。テキストはフランス語で。

先月からツイッターを始めたら、スペインやフランス人のフォローが多くて驚いた。フランス人よりスペイン人が多い。フランス人は、こういった小まめな操作が嫌いなのじゃないか? ツイッターは世界中の個人と繋がってしまうんだから恐ろしいもんだ。

いま、具体的に考えてる絵本はこれ→


あかね


いちどこのブログに投稿したこともある「茜空の欅」。
ずっと簡潔にして思春期の少年少女にも読んで貰えるよう書き直そう。

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