猫のタトウーとマイナンバー | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える


「よそ目には一列一体、平等無差別、どの猫も自家固有の特色などはないようであるが、猫の社会に這入ってみるとなかなか複雑なもので十人十色という人間界の語はそのままここにも応用が出来るのである。目付でも、鼻付きでも、毛並でも、足並みでも、みんな違う。髭の張り具合から耳の立ち按排、尻尾の垂れ加減に至るまで同じものは一つもない。器量、不器量、好き嫌い、粋無粋の数を悉(つ)くして千差万別と云っても差支えないくらいである。そのように判然たる区別が存しているにもかかわらず、人間の眼はただ向上とか何とかいって、空ばかり見ているものだから、吾輩の性質は無論相貌の末を識別する事すら到底出来ぬのは気の毒だ。」

 ご存じ「吾輩は猫である」(漱石)の一節です。猫たちと近々暮らしてみて、実際この通りなので驚いています。

ウチに出たり入ったりする6~8匹の猫の中で「くろ」は最も古いネコ。ほんとは「クロジ」なのだが「クロ」になってしまった。

最初に来たのが「トラ」で、どこかへ行ってしまい、クロは2番目だが、今いるネコの中ではもっとも古い。

 クロは3年前姿をくらまし2年ほど不在だったが昨年の秋に戻って来た。それからも一日おきに別荘へ泊まりに行っては、帰ってくる生活を繰り返している。

クロの次に来た「チビトラ」が近頃急に痩せたので、「サナダムシ」でも沸いたんじゃないか? とストロンゴルドという名の、皮膚に塗りつけて寄生虫も退治できる薬液を塗ろうとしたら、カミサンが両手で抑え込んでるのを振り切って逃げ、昨夜は家に帰ってこなかった。痩せた体にあんな力があるとは想像できなかった。

クロが家出をしていた2年間は、チビトラ独りだったので彼には天国だった。体格も良くなり幸せな日々だった。クロが戻り、その上、ミニクロがデイナを産んで、カミサンは初めてウチで仔猫が生まれたので、そちらに気をとられチビトラを忘れがちだった。

チビトラは見かけは大人しそうな猫だが、隠れて他の猫を追い出したりするらしい。家の中ではしないが庭でミニクロとデイナを追い出そうとしていたとカミサンは言う。カミサンはデイナが死んだのは、チビトラに追いかけられ道路に出たため撥ねられたと疑っている。

デイナが死んだ日の夜、チビトラはそれまで中断していたカミサンの膝に乗って前足を交互に押し出す「オイチニ」運動をして甘えた。意外と「嫉妬深い」チビトラなのだ。

 フランスでは最近、猫の登録が義務付けられた。

 外をほっつき歩いていて、保険局に掴まりでもすると、登録してない猫は安楽死させられるとカミサンが雑誌で読んだ。
 
 登録IDはイレズミが一般的で、集積回路のチップを皮膚に埋め込むやりかたもある。
 
 クロはウチでは一番馴染のネコ。カミサンが可哀想だからイレズミしてもらおうと言いだし、この春、獣医さんのところへ連れて行った。ついでに去勢しますか? と獣医さんが訊く。猫エイズを持ってるので、これ以上伝搬させないためにも去勢するよう前々から獣医さんに勧められていた。気にはなっていたがなかなか思い切れなかった。
 
 クロはこの近所で子が数匹できたようだし孫までいる様子なので、そろそろ子作りから引退させてもいいんじゃないか。それで、ついにお願いします、と言ってしまい、イレズミのついでに、タマタマを抜き取ってもらったのだ。
 
 こんな歳になっても去勢して大丈夫ですか? 去勢するとどうなっちゃうんでしょう? とちょこっと心配なので獣医さんに訊くと「ぜんぜん平気よ。すこしラ・プラプラになるだけ」と仰る。掛かり付けの獣医さんは女医さんだ。
 
 「ラ・プラプラ」って言葉は初めて聞くが、なんとなく感じが伝わって来る。元気がなくなって、べったり寝てばかりって状態かな? プラには平って意味があるし。

$フランスの田舎暮らし-クロ寝姿

 
 クロは人の顔をみると甘えた声で鳴いたり、来たばかりの幼い頃は喉を鳴らす音が飛行機のエンジンと形容しても大袈裟じゃないくらいグルル~ングルル~ンと響いて大満足を表明したものだ。喉の中でルルルと笛を鳴らすみたいに可愛い音を立てるのも、他の猫にないクロ特有のものだった。
 
 その代り、クロは手が早い。すばしこくやんちゃ(エスピエーグル、シュピーゲル)なところがあるうえ、若い猫を捕まえては、時にサデイステイックなまでに爪を立て攻撃することがあった。男の僕には見せたことがないが、カミサンはなんども手を両脚で摑まれ引っ掻かれている。歩き方も、腰をひねりひねり歩くので「Yakuza」とあだ名してたくらいだ。とうとう、イレズミか! その筋へお仲間入りなわけだね。

$フランスの田舎暮らし-いれずみ2
 

 元気すぎたクロも、去勢され、食事の時以外、そして今もたまに元気よく木に登ったりする時以外は、こうして、大人しく寝てるようになった。
 
 タトウー(イレズミ)は耳の内側にします。イレズミのIDをフランス全国のデータベースに登録して猫のマイナンバーを貰う。こうしておけば掴まっても、あの世へ送られることはない。

$フランスの田舎暮らし-イレズミ1


ピエール・ド・ロンサールが花盛りです。

$フランスの田舎暮らし-ロンサール・ピエール


$フランスの田舎暮らし-ロンサール



「きんぎょ草(ミュフリエ mufrier )。彩が豊かですね↓

$フランスの田舎暮らし-きんぎょそう


鉢植えにしました。


$フランスの田舎暮らし-鉢植え



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