電話線が切られた! | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

まるまる1週間、固定電話、 E-メイル、インターネット が使えなかった。外部との通信手段はケイタイ電話だけ。それも取り換えたばかりで使い方が分からず、残っていた音声メッセージが聴いているうちに消えてしまった。ドイツからメッセージをくださったどなた様か、お返事もできず、この記事で深くお詫びさせていただきます。

先週のちょうど木曜(6月28日)の朝、拙宅のある路地で人声が聞こえ、覗くと小型のヴァンが停まり3人ほどが切り倒したコンクリートの電柱を運ぶのが見えた。電気工事だと思っていたのだが、彼らが帰った後、固定電話の受話器を取り上げても発信音が聞こえず、インターネットが使えないのを発見した。むろんE-Mail にも接続できない。

隣の家は5月ごろから入れ替わり工事の職人さんが出入りして風呂場のタイルの張替えや、庭の手入れをしているのだが、金曜はオレンジ色の小型実用車が停まって頭の禿げたおじさんが出てきた。

電話が使えなくなったんだけどと話しかけると、「ああ、昨日やった工事のせいだね。電話線を取り換えたんだよ」と言う。

「電力会社の車が来てたから電気工事かと思った。こんな、2階の窓から手を伸ばせば届きそうな所に線をだらんと垂らして、工事を途中で止めて帰ったんだろか?」

「これは電話線だよ。電気会社の工事人は電話線に触る権限がないんだ。ジャクリーヌが電話を使えるか今すぐ確かめてあげる」
そういうと禿のおっさんは隣家に入り、やがてジャクリーヌさんが出てきた。
「だいじょうぶ、アタシの電話は使えるわよ」

禿のおっさんは隣村に住んでいて、近隣の数か村のテレコミ組合の委員長を知ってるし僕は友達(コパン)だから話しといてあげる。でも、お宅も、フランステレコムにクレームした方がいいよ、とアドバイスをくれた。

で、月曜に50km離れたオーセールの街へ行き、プロヴァイダーのOrange にクレームをした。そうして、やっと今朝、ちょうど1週間目に、電話局のメンテの車が来て、梯子を掛けて登り、接続不良を確認して直していった。

「なに、ほんのちょっと差し込みが足りなかっただけさ」とお兄さんは言った。

そりゃ、ほんのちょっとだったろうさ。こちとらは、おかげで一週間のあいだ、電話もメールもできなければ、ブログも見られなかったんだ。電話線を外す前にひとこと警告し、取り換えた後、問題なく使えるか確認して帰るのが、手順じゃないのかい。

3年前、帰国してる間に電車の発着駅が変わったのに、駅の窓口では一言も言わなかった。お知らせのポスターすらどこにも見かけなかった。お陰で荷物を抱えたまま身動きできず、リヨン駅で3時間待ち、電車がないので60キロ離れた手前の駅まで行き、あとはタクシーで帰った。

国鉄といい、電話局といい、フランスは利用者より、組織で働く人たちの都合が優先するお役人天国なところがある。最近はテレコムは民営化で競争に勝ち抜くために顧客獲得争いが熾烈を極め、上司が客との対話を盗聴するとかでノイローゼになり一時期自殺者が数十人にも上り社会問題となった。

でも、フランスはやはり官僚天国だと思う。社会主義は官僚主義の悪弊を乗り越える道を探らねばならない。

お客様第一、利益優先、競争に勝ち抜く。自由競争に負けると職を失うという脅しが怖くて懸命に働くというのもどうかと思うが、独占企業の、サービスをしてやってるんだという
権威主義も許せない。

電話局の人は無論、1週間電話もネットも使えなくてお困りでしたねなど言うわけがない。工事をやったのは別の人だから。「直ったよ」という語調にかろうじて問題解決してよかったろと微かな情を読み取れはしたのだが。


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