漠然とした予感が現実となってしまい、想像を超える事態に愕然とするばかり。
胸を塞ぐ「悲劇」の感情は、地震と津波の過酷さ、非情さに由来するが、それ以上に原発事故によるところが多い。一回に書くと長すぎるので数回に分けて、感じていることを書く。
いくつかの「テーマ」に絞る。まず「想定外」について。それから事態に「科学的」に対処することと「直感」で行動することについて。そして、「レベル7」についてと、「これからのエネルギー源を何に求めたら良いか?」について書きたい。
その前に、昼寝をした「しろたゑ」は花がすっかり終わってしまった。
「花の色は うつりにけりな いたずらに わがみ よにふる ながめ せしまに」
ながめ(眺め)はしたけれど、長雨(ながめ)も降らないうちに、花はうつろい古びてしまった。
ヒルメシを食べた「花林檎」が満開なのでその写真を掲載↓
右上の屋根の左に黄色い帯状に出ているのは、丘の菜の花。この村がロワン川の谷底にあることを示しています。
まず、「想定外」から。
悲劇の感情には色々なことが混じっていて、たとえば、クレタ文明が津波で滅びたこととか、地球の表皮に乗っかって暮らしている人間の生活というものは儚く悲しいもんだという感慨だとか……。
その前に、福島のフランスでの影響につき。
昨日、ストラスブールの市議会では、棄権1を除く満場一致で、フッセンハイム Fessenhaim 原発の即時廃止を決議した。フッセンハイムはフランスで稼働中の原発の中で一番古く、1980年代に建設され、30年を経ている上、ドイツ、スイス、フランスの国境に近く、地震帯の上にあり、福島と同じ沸騰水型。
19カ所58基あるフランスの原発の80%は、加圧水型で、炉心の燃料に触れ高温となった軽水(普通の水)は、熱交換器でタービンへ送られる水(蒸気)とは別回路で分離されている。福島のように復水器の水が放射能を帯びることはない。
福島原発の事故が国際評価尺度(INES )で最悪の「レベル7」と、チェルノブルイと同じ、またはそれを上回ることもありうると政府は発表した。もっと前(3月25日)に通知を受けてはいたがデータを確認していないので、という常なる当局のコミュニケだった。行政の責任者としては仕方がないかもしれぬ。
危惧だけから過大な警告を発して、不必要な退避を住民に強制したとなれば、これまた責任重大だから。だけど、去年のフランスのインフルエンザで膨大な量のワクチンを準備し、結果的にその僅かしか使わずに済んで、予算の無駄遣いだと当時は批判されたが、今は、万全な体勢を整えた当時の厚生大臣は当然のことをしたと批判は消えている。
チェルノブリの時はフランス当局は「パニック」を恐れるとの理由で正確なデータを公表しなかった。福島は「他所事」だからなのか?早くからフランスは「レベル6」、アメリカは「レベル7」と評価していた。
もう一枚、写真を↓
二階から見た庭と通りを挟んだ向かいの公園のマロニエの樹。
実証主義が世界の常識となり、科学的データに基づいた分析判断でなければ、信ぴょう性に欠ける、不合理な恐怖心から判断すべきでないと、政府、当局のコミュニケは常に「国民の皆様の冷静で落ち付いた行動」を求めて来た。
原発から半径30km以内の住民に対しても同様だった。けれども、初めの水素爆発が連続して起こった時、すでに住民の中には被曝してしまった方たちが居るはずである。
「危機を感じた」なら政府。当局、行政の発表を待つことなく、一人一人が自分の危機予知能力に従って、怖いところから逃げ出すことが必要だと思う。人間の恐怖心は本能に基づくものだから「怖い」という声を直感的に感じた時はそれなりに根拠があると思って良い。
「データを調べたうえでなければ」というのは科学者の、行政の立場にある者の言うことである。
津波が襲って来た時、データが足りません。いまそこに来ている津波の高さが何メートルかどこまで届きそうか解りません。冷静に行動しましょうと言われ、従っていたら吞まれて死んでしまう。
本能の促すまま、夢中で逃げるしかない。中学生が引率して小学生を指定された避難所へ誘導し、そこも危ないと子供たちは直感したために、さらに高い所へ逃げて助かった。パニックは人間の恐怖心が引き起こすものであり、怖いと本能が訴えている時には、その声を聴き行動へ移すことが時には命を救うことになる。
原発周辺の住民は、(かくいうめのおも50km以内に2カ所も原発がある地域に住んでいる)政府の言うことを100%信じてはいけない。各人が自分で安全を守る覚悟と手立てを普段からしておくべきだと思う。
日本は、どの生産現場にも「マニュアル」がある。マニュアルに従って行動しさえすれば、万事安全、ミスも不具合も防げると考えている単細胞のマネージャーや経営者が多いことに、めのおは驚いていた。
現場は常に「想定外」に対応を迫られている。毎日、日々刻々、「マニュアル」に書いていない事態が起こり、解決せねば現場は回ってゆかない。
(つづく)
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