12 - 6 20日のスケジュール | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

 七月二十日の詳しい日程の入手をイザベルに依頼し、ムホクは仲間とセルヴァン誘拐の方法について相談した。仲間のアイデアでは、セルヴァンの乗った車はパリへ帰るのに必ず高速を通る筈だから、タンカルヴィルかノルマンデかどちらかの橋のたもとで待ち伏せれば捉えられる。

 誰かが警官の服装をして運転手に停止を命じ、車を止める。車ごとセルヴァンを誘拐するか?その後、どこでどういう頼みかたをするか?場所とセルヴァンに揺すぶりをかけ得るイカルスの弱みを見つけ出すこと。

 とりあえず必要な警官の制服を手に入れることから実行に取り掛かかろう。制服は、この間円卓の騎士の服装を借りた劇場出入りの貸衣裳から最新の警官の制服を借りる。細部の違いなど夜なら暗くて見分けはつかない。仲間でそのような話をした。

 イザベルのルートは恐ろしいほど精巧に出来ていて、セルヴァンは二十日の午後おそく精油所につき関係者と話合った後、エトルタへ行き、ガリオンというレストランで夕食をとり、バーで飲んで十一時頃タンカルヴィル橋から高速に入りパリへ帰るだろうという詳細スケジュールが手に入った。

 警官の服を着るのはロイク、運転手と同乗の秘書室長を降ろし、セルヴァンを騒ぎ立てないようにし、車を運転してどこか秘密の場所へ連れて行くには、もうひとり要る。和秋は目立つので外され、ムホクとケバウが名乗りを挙げ、結局ムホクはセルヴァンとのネゴに精力を注ぎ、誘拐の実行は若いケバウが当たることになった。

 ケバウは用心のため眼出し帽を被ることにした。脅迫状や犯行声明は一切出さず、ジャクマン新社長が自分から進んでルイ・フーキエの釈放を予審判事と検察に願い出るよううまく持ってゆく。誘拐した後連れて行く場所を探し、セルヴァンへの話の内容をもう少し練ることにした。

 (つづく)

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