閑話休題 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

1995年のフランスの社会情勢は2010年秋現在ととても良く似ている。

ただひとつ大きく違うのは、2010年がリーマン・ショックを契機とした世界同時不況下にあるのに比して1995年は、むしろ好景気の真っただ中に有った。だから、ゼネストをうって一カ月も国の産業をマヒさせることが出来、日本の自動車会社のフランス進出が現実のものとなったのである。

四大労組の呼びかけによる職場放棄、国鉄のスト、学生たちがストを決議し大学にバリケードを張ったことなど現象だけを見れば、現在と1995年と非常に似ている。ただし、状況は大きく違ってしまった。

現在の方が若者の将来への不安は大きいのではないか。失業率は上昇し就職難。社会保障により保護された親たちの生活ぶりを見てきた若者たちは自分たちの将来が保障されていないことに不公平を感じている。

老齢年金の改革法案は衆議院、参議院とも賛成多数で通過してしまった。各労組は共産党系を除き、ストをこの辺で切り上げ、職場への復帰を呼び掛けた。これ以上、産業活動を低下させ損失を重ねれば労働者と国民自身に経済的ロスのツケが回ってくると判断した。

4年前に引っ越し、ダンボール箱に入れたまま積んであった日本語の書籍を取り出し本棚に整理してるうち、1995年に書いた原稿が出て来た。読み返しているうちに当時のことがありありと蘇って来た。愚息の和秋や、甥っ子のシャルルからも日記を借りることが出来、引用を許してもらった。

イザベルは語学の才能がある娘で、この頃すでに中国語が出来たが、李くんとフランス語と中国語の交換授業をやるうち親しさが行き着くところまで行き、とうとう二人は結婚した。

ふたりは現在、上海に暮らしている。
ときどきメールのやり取りをしているが、和秋に起こったことを書きたいので当時のことで覚えていることがあれば教えて欲しいと問い合わせたところ、親切にも、当時の想い出と、イザベル個人の身の上の話も交えた回想記をわざわざ書いて送ってくれた。

勤勉で几帳面な娘にしか書けないような身近の人間の心理など細かい観察が貴重なので、いささか冗長になる嫌いはあるが敢えて引用させて頂く。原文はフランス語で書かれときに中国語が混じる。