知略で勝ったコンタドール | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

昨日で勝負はついていた。最終日の25日(日曜)は華のシャンゼリゼの締めくくりパレードに向かうだけなのだ。イエロー、グリーン、白地に赤玉、白と各ジャージも決まった。アクシデントがないかぎり最終日で順位が変わることはまずない。

選手たちはロンジュモー市長のポーランド系才色兼備、デジタル産業相ナタリー・コスキュスカ女史の旗振りで市内をゆっくりと仮スタート。本番スタートは街の出口に0地点から。

選手たちは、20日間共に闘ったレース・ライバルと別れを惜しみ肩を組み合い和気あいあいとお喋りに余念がない。完走者は170人となった。

ひとつハプニングがあった。またもレンス・アームストロング。今年はRadio Shack というアメリカのスポンサーを見つけ新しいチームを引き連れてツールドフランス最後のレースだ。

アームストロングが癌と闘いながら前人未到の7連勝を遂げたことは偉業であり先々まで伝説として語り継がれるだろう。彼は癌と闘う財団を創り、これからは財団の為に世界各国で小さなレースを続けるという。

そのRadio Shack チームのメンバー全員が今日は黒のユニフォームを着てスタート・エリアに集まった。背中に白で大きく28と数字が染めてある。世界の癌患者の数2800万人を象徴し「ガンとの闘いをアピールしたい」アームストロングの意図は見上げたものだ。

しかし、レースのルール違反になるので国際サイクリスト連盟の会長がアームストロングに警告した。レース期間中、前もって提示し許可を得たユニフォーム以外のものと着替えてはいけない規則があり違反者は罰金のみならず出場禁止となる。

前もって許可を取らなかったアームストロングがうかつだった。しばらくネゴしたが、結局あきらめ仮スタート中にユニフォームを着替えゼッケンを付け直した。ゼッケン番号は背中に左右二枚見えるように貼らなければならない。100人もが同タイムでゴールになだれこむレースではゼッケン番号で識別するしかない。


最終日はスタート直後に選手全員にシャンペンが振る舞われる。コンタドールのアスタナチームは全員並び乾杯を交わした。後半疲れてしまいチーム成績は6位と振るわなかったがコンタドール優勝のため全員が犠牲を惜しまなかった

昨日のボルドー、メドックのタイムトライアルの記事では書き忘れたが、特別暑かった7月のおかげで、2010年のワインは100年に一度の超優良ヴィンテージとなるそうだ。2009年と続いて良いワインができる。

シャンゼリゼを折り返し、セーヌ河、ルーブル美術館、リヴォリ通り、コンコルド広場を通り再びシャンゼリゼ。このコースを今年は9回まわった。最後のダッシュは予想通りロケットの胸のすく勢いでユソヴ、ペタッキに5mの差をあけたカヴェンデイッシュがトップでゴール。今季5勝。3年で15勝と記録を更新した。

グリーン・ジャージーはペタッキ。イタリア人がグリーン・ジャージーを取ったのは1968年以来の事でペタッキが2人目。
             
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   (上の写真はジャージーを着た別の選手で数年前のもの。下がシャルトーの顔写真)

フランスの田舎暮らし-charteau


山岳賞:白地に赤玉ジャージー
フランスのアントニー・シャルトー



最優秀の若者(25歳以下)に贈られる白ジャージーは昨年に続きアンデー・シュレック。今年は初めてイエロー・ジャージーを奪い6日間キープし、チェーン外れのトラブルでコンタドールに奪われこそしたが、たびたびチャンピオンを脅かし、実力ではコンタドールを上回っていたと言われる。来年の優勝候補の筆頭

そして、うれしそうなコンタドールがカップを手にした。昨年に続き2連勝。2007年を入れ3度目の総合優勝だが今年は昨年の爽やかさがなかった。苦しそうだった。2週間続いた暑さが疲れさせたのかもしれない。


フランスの田舎暮らし-champs3

(2009年の表彰式左からシュレック、コンタドール、アームストロング)


コンタドールが人気があるのは、その内気な謙虚さと小柄な身体に秘める闘志、精神力のせいだろう。何より、この選手が一度死にかけ冥界を見てレースに復帰した過去を背負っていることにある。

2004年レース中に転倒し頭を打って意識不明のまま3週間、生死の境をさ迷った。意識を取り戻してからも半年間、手術と療養を繰り返し2005年にレースに復帰した。母親はアルベルトの生命力の強さに打たれたと証言している。


フランスの田舎暮らし-conta 昨日のタイムトライアルで最初の10km~15kmでシュレックのラップタイムが良かったので正直負けるかと不安だったと試合後のインタヴューで告白した。今年は調子が悪かったし苦しいレースの連続だった。優勝が夢のようだ。

苦しみを乗り越え、シュレックに脅かされながら、自分の弱みを知り、若いシュレックを牽制し、挑発に乗らず、最後のタイムトライアルで勝利を決めた。力では勝るシェレックを知略で抑え込んだ勝利だった。


チーム総合で優勝したアームストロングのRadio Shack Team は最後全員が黒地に白で28と入ったガン撲滅を訴えるシャツを着て表彰台に上った。

敢闘賞がシルヴァン・シャバネルに贈られた。おもしろいのは表彰こそされないが「ビリッケツ」賞があること。ランタン・ルージュといい昔の列車のテール・ランプのことか?総合で最下位の選手に贈られる。

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            (新城選手所属のブイグの車に積まれたバイク)

日本の新城(あらしろ)選手は日本人で初めてツールドフランスを2年連続で完走した。順位こそ112位だが一度はトップ争いの活躍をした。

来年のツールはヴァンデ地方を通る。7月に背番号1のコンタドール11のシュレックが熱い戦いを見せてくれるだろう。