平坦な道はスプリント走者たちのレースになる。ダッシュに強いカヴェンデイッシュ、ユソヴ、ペタッキの争いが予想される。
ゴールまでかなり遠い(100m)地点でグリーンジャージのユソヴがダッシュした。たちまち追い抜かれてしまう。50m前でカヴェンデイッシュが猛然とダッシュ。他を4mも引き離してゴール。今季4度目の勝利を飾った。
トム・クルーズとカメロン・デイアズが新作 Night & Day のフランス封切りで来仏し、この日レースを随走車で観戦した。試合後のインタヴューでカメロンに「女性にはライダーはセクシーじゃない」と評判があるようですがと向けると「みんなすばらしいアスリートばかりよ」とかわした。
グリーン・ジャージーはユソヴからまたペタッキに。ユソヴは今年はダッシュの力が出なくてダメだった。最終日もカヴェンデイッシュかペタッキが取るだろうと諦めを見せた。
ツールドフランスはのんびりした一面があるので結果タイムは秒単位までしか発表されない。この日はトップから139位までが同タイムでゴールしたことになる。140位がやっとトップとの差22”と記録される。平地でのゴールは100人以上が一瞬のうちにダダーッとなだれ込む形になる。
個人総合の順位は、このため依然、トップのコンタドールと2位のシュレックの差が8秒のまま。24日(土曜)のタイムトライアル(TT)へ勝負は持ちこされた。
日本の新城はトップと同タイムでゴール。順位だけが16位。総合では112位。
水泳や陸上みたいに100分の1秒単位で計測しない。いや、計測は1000分の1秒単位で行うが結果に影響しない。着順は、ヴィデオカメラで判定するのだろう。
ロードレースで、しかも長い時は5時間もかかるレース。途中、休憩こそないが、飲み食い、用足しもする。さすが大の方はスタート前に足しておくのだろうが、ちらほら道端で小用を足す選手がいる。むろんこんな時間時計を止めるわけにゆかない。
24日のタイム・トライアルは前日のゴール地点をスタートしポイヤックPauillac ゴールの52kmと長いコース。ボルドーの北側、メドック地帯の名だたるワイン・ヤードとシャトーの中を走る。
シャトー・マルゴー Chateau Margaux は一帯でいちばん大きく美しい城だ。
平地では50km/hは出るだろう。ひとりひとり1分間隔で走る。時計との競争( Course contre la montre )とフランス語では呼ぶ。
この種目ではオリンピック・チャンピオン、スイスのカンチェララが初日と同じく強みを発揮して、いきなり1時間0分56秒と時速50kmを超えるパーフォーマンスを見せた。
2位にトニー・マーチン(ドイツ)がつける。
この日最大の関心は、総合でトップのコンタドールとわずか8秒差のシュレックが逆転するかにかかっていた。前半でシュレックがついに逆転を果たしたかに見えた。シュレックはコンタドールを5秒上回るラップタイムだ。
が後半は向かい風が強い。どの選手も後半でタイムを落している、コンタドールと随走車のワイヤレス通信がうまく機能せず情報が伝わらない様子。珍しくコンタが苦しい表情でスピードを上げる。
コンタのバイクは最新のカーボン製だが、サドルの調整不具合か尻が前へずれ、数秒ごとに尻を持ち上げ座り直す。しかしコンタの姿勢は空気抵抗が少なく、シュレックは逆に長身で胸が開き肩幅が広いので50km/hでは空気の壁にぶつけながら走るようなものだ。後半はおまけに向かい風。
この違いは結果となって現れ、コンタはじりじりと差を縮ぢめ、最終的に31秒差をつけた。苦しい闘いだったらしく、珍しくゴールに飛び込んだ直後、監督が駈けよると顔を両手で覆った。表彰式でも眼を押さえていた。
レースが苦しかったのと、シュレックのミスに付け込んだイエロージャージという悪評を実力で吹き飛ばさねばならない心理的重圧にやっと解放され感極ったのだ。総合では二人の差は39秒。シュレックがチェーンを外し失ったタイムは41秒だった。
明日は最終日。午前中に選手たちはTGVでパリへ移動し、郊外のロンジュモーから最終ゴールのパリ・シャンゼリゼに向かう。
シャンゼリゼでは凱旋門の手前でUターンしコンコルド広場まで下り、セーヌ河に沿ってルーブル美術館の西端へ行き、トンネルを潜り、リヴォリ通りへ出る。
コンコルド広場から再びシャンゼリゼを凱旋門へ向けて登る。このコースを十数周した後、最終ゴール。最後のダッシュをカヴェンデイッシュとペッタチが争うだろうし、理論的にはシュレックが31秒差を超えるスパートを見せるかもしれない。
実力ではコンタドールに勝るのではないかと思わせる力を発揮した。「ボクは来年、だれにも負けない強さを身につけ必ず勝ってみせる」とインタヴューでは、もう来年のことを考えている25歳の若者。大選手になる可能性を秘めたシュレックだ。
個人総合の3位が入れ換わった。サムエル・サンチェスに代わりロシアのメンショフ
Denis Menchov がトップと2’01”差で3位となった。7位 カナダのRyder HESJEDAL10’15”差。
アームストロングは23位。
新城は112位で3h13’20”の差。
チーム別順位は
トップがアームストロングが作った Radio Shack (USA) で267h55’00”
2位 ケッス・デパルニュ Caisse d'Epargne ( スペイン) +9’15”
3位 ラボ・バンク Rabo Bank (オランダ) +27’49”
4位 AG2R La Mondiale (フランス) +41’10”
アスタナは6位、新城が属するB・Box Bouyguesブイグ は10位となった。
サッカーのフランス・ナショナル・チームは南アのW杯でトレーニング・ボイコットを行った23人全員を処罰する形で新チームには、このメンバーからは一人も入れず、まったく新しい顔ぶれで出発することになった。
サッカーの不調に比べ、今季6人がステージ優勝を遂げたツ-ルドフランスで活躍したフランス人メンバーが明日のレース終了後、エリゼ宮(大統領官邸)に招かれる。

