2010-05-10 19:08:50

緑茶の味は西洋人にわかるか?

テーマ:社会・政治・国際
前回の記事でヨーロッパの第二次世界大戦終戦記念日がフランスでは5月8日、ソ連では5月9日に祝日とされていると書いた。ソ連は無くなったので、ロシアはどうなんだと気になっていたが、昨日のニュースでロシアになってからも記念の軍事パレードが行われていると知った。やっぱり9日に祝うのだ。

暗い話が続いて恐縮だが、今日は、ナチス・ドイツに占領されていた時代のパリで起こったことと日本の茶の湯、緑茶の味について書く。

JAL が経営破綻など想像すらできず、日本を代表する航空会社として自他ともに認めていた頃のことだから、もう20年近くも昔の話。

今はNovotel になってしまったがその頃は「ニッコー・ホテル」として出張ビジネスマン、ツアー客、タイ航空などのクルーの利用するホテルとして親しまれていた。在仏の日本人向けに時々有名人を招いて講演会を催してくれた。

一回だけこの文化講演会を聴きに行った。講演者は、作家の野坂昭如氏とタレントのフランソワーズ・モレシャンさん。野坂さんは「ホタルの墓」が仏訳出版されたが、フランス人へ支払われる翻訳料がいかに僅かであるかを同情をこめて訴えた。

私の心に、今日もなお、わだかまりとして残っているのは、モレシャンさんの話の方である。彼女は日本人の感覚の繊細さ、微妙な味を見分け味わう能力を日本人が自覚し、他民族の人々にはできないと生理学的、解剖学的に説明しさえするが、それが日本人のレイシスム(人種偏見)とつながるという話をした。

彼女はなにも、こんな理屈っぽい話し方はせず、ずっと具体的な例と自らの体験と結びつけて話したので印象が強烈に残った。

彼女の話を要約するとこうなる。
日本人は緑茶のなどの微妙な味を感じ取ることができる。西洋人には、こうした微妙な味がわからない、味わえないとよく言う。舌にある味を感じ取る味蕾の数が日本人の方が西洋人より多いなどと言う。


フランスの田舎暮らし-chanoyu



私(モレシャン)はこれは日本人が持っている人種偏見の現れだと思う。
この緑茶と味蕾の話を思うたびに(といきなり彼女は飛躍するのだが)私が想い出すのは子供の頃眼にした光景である。

私(彼女はパリジェンヌなのだろう)がまだ幼かったある日、パリの街で胸に黄色いダヴィデの星のマークをつけた人たちが、フランスの警官に追いたてられトラックに乗せられ連れて行かれる光景を眼にした。この時受けた衝撃があまりに強烈だったので今も忘れられない・・・と。

以上がモレシャンさんの話しだった。彼女は1942年7月16日と17日にパリでフランスの警察により1万4千人のユダヤ人の老若男女(子供も含め)が一斉に狩り立てられた光景を眼にしたのだろうか?

モレシャンさんの講演を聴いた当時、私は、1942年7月の大量ユダヤ人狩りを知らなかった。パリ祭(フランス大革命の記念日)が終わるのを待ち、フランスの警察はヴィシー臨時政府の首相だったピエール・ラバルと警視総監ブスケの指示で、まずパリに住む外国国籍のユダヤ人を一斉に狩り出し、ニッコー・ホテルのすぐ近くのビラケムに在った冬季競輪場に強制収容し、そこから郊外と近県の収容所へ一旦収容したのち、家畜運送用の貨車でアウシュヴィッツなどガス室へ送りこんだのだった。

パリに続いて、リヨン、マルセイユ、ボルドー、ルーアンなど地方の大都市で、こんどはフランス国籍を持つユダヤ人も含め、四万人に上る人をドイツやポーランドの強制収容所へ送りこんだ。

ユダヤ人狩リのことを知らなかった私は、モレシャンさんの話を聴き、「なに、日本に住んで、マスコミでもてはやされてお金稼いでるくせに・・・」と単純に反発を感じた。

味蕾の数が多い少ないという話は、二千年米を主食としてきた日本人は腸が長いとか、アジア人の顔はほっぺたが前向きについてるから平たいとかいった類の話と同じだと思う。こういう話をしたからと言って日本人が現在も人種偏見を、他民族より多く持っていると私は思わない。

関東大震災の時に「五十銭」を「ジュッセン」としか発音できない人を捕まえて監獄へ入れたとか、「ワダシ・チンコージン・アルヨ」などと「ガ」とか「ハ」など助詞を使えないアジア人を蔑視したとか・・・。そういう時代と現代は変わってしまったと感じる。

最近の日本の若い人たちは「テニヲハ」を正しく使えない。ブログなどを見ていて感じる。香港へ行くと、そこの住人が日本人のことを「ガジェン」と呼ぶ。やたら「が」「・・・ガ」と「ガ」を連発するアジア人のことを蔑称しているのだからお互い様なのだ。「ガ」を正しく使えない日本人が増えてしまっては通用しなくなる。

モレシャンさんは、「味蕾の数が日本人の方が多い。だから日本人は優秀なんだ」と論理を飛躍させることで他民族を蔑視し、抑圧につなげるのではないか。ナチス時代のドイツがアーリア民族の優秀性を宣伝し、人種偏見がユダヤ人の撲滅という悪魔の論理を生んだように、人種偏見が、他民族の迫害、大量虐殺へ繋がる危険を指摘したかったのであろう。

ナチスの占領時代にパリで幼少期を過ごした彼女ならば、アーリアニザシオンという言葉で、やはりフランスの警察が進んでユダヤ人の財産を没収し、人種的に優秀なアーリア人種のドイツ人の財産とすると政策的に行ったことを親から聴いていたかもしれない。

パリのフランス警察の手によるユダヤ人狩りのことを知ってから、ようやく私はモレシャンさんの話を理解できた。そこにはなお飛躍があると日本人の私は感じはするが。

人間の優越感、他者を見下したり蔑視したりの感情は、親や祖母から子供だった私にたやすく移転した。祖母は満州で暮らし、植民地時代の朝鮮半島で暮らした人だったから、日本へ強制労働にいきなりトラックに乗せられ連れて来られた人たちが居たことを悪く思ってはいないようだった。

それどころか、平気で差別的な言葉を口にした。子供は、そうした蔑視の感情や優越感を喜んで真似し、仲間をからかったり、イジメたり悪口を言ったりする。

「バーカ、ば~か、チンドン屋。おまえのかあちゃんデ~ベ~ソ」とか「百貫デブ」とか、55年も昔の頃の子供はハヤシ言葉にこんな言葉をよく使ったが、今ではチンドン屋さんも珍しくなり、貫という単位も使われないから懐かしい響きさえ持って聞こえる。

カナダにお住まいの belmonde さんがブログで、人種差別とか人種偏見とかは、文化が作りだすもので、親は子に偏見の種を植え付けないようにしなければならないと書いておられた。人権の国フランスは奴隷制度を長く持ち続けたし、アメリカでは1960年代もなお黒人は白人の乗るバスに乗れなかった。

belmonde さんのブログのリンク です ↓

          bel の Canadian Life


私がやってるネット・ビジネスのリンクです ↓

        今、一番活躍しているのは女性の仲間です
AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)

あがためのおさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

4 ■Re:はじめまして

>ellenaさん
コメントありがとうございました。フランスでも最近「お茶」が流行しています。中には緑茶がもつ抗酸化力を知って飲んでる人もいます。でも、おっしゃる通りほとんどが中国産ですね。アラブ風の緑茶もあります。日本のお茶は日本食品店へ行かないと。それも煎茶の安い物しかありません。日本へ帰るたび緑茶を仕入れてきます。めのお

3 ■はじめまして

人種差別は、いつまでも完全になくなることはないのでしょうね。残念ながら。

私の仲の良いパリ出身の友人は、英国よりもフランスの方が人種差別が激しいと話していました。差別のない環境で育たない限り、難しいことなのでしょうか。

ところで、緑茶の味ですが、私の尊敬する英国人の紅茶の専門家の一人は、日本の緑茶は苦手だと話しています。

英国で販売されている日本茶は、だいたいが中国の緑茶で、味も色も全く異なります。フランスでは日本の緑茶の購入は容易にできますか?

2 ■Re:感謝

>橋本和英さん
コメントありがとうございました。15日の出張スカイプセミナーでtwitterの活用法を教わりたく楽しみにしています。よろしくお願いします。

1 ■感謝

アメブロのカスタマイズをやってみました。それなりにきれいでしょ?これって完全無料で出来るんですよ。やり方をお教えしますので、ぜひスカイプセミナーをご利用ください。わたしもみなさんの活躍のおかげで、ようやくアメブロを利用して稼ぎ方ノウハウが完成してきました。ありがとうございます。感謝します。

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。