特養にいる認知症の父に会いに行きました。
父のやる気モードが落ち着くと、父は
「今日は何かあって来たんじゃないの?」
と問いました。
えっ、何もないけど…。
わたしが口ごもると、父は、
「ないなら別にいいんだよ」
と言いました。

お父さんの顔が見たくて来たのよ、と返せばよかったと今になって思います。父はすぐ忘れるので、次に同じことを聞かれたらそう答えることにしましょう。
「何もないけど、写真を持って来たよ」
と、印刷した写真を父に見せました。
前回来た時に、父に見せた写真です。
写真には、ラベンダー畑を背景にわたしと夫が写っています。
「ほ〜。これはあんたと、あんたのご主人だ」
と父は言いました。(正解)
前回は「彼氏か?」と言っていたのですが、今回は当たりです。
そして父は、ラベンダー畑にも目を向けました。
父「これはどこだったかな?」
娘「これは嵐山(らんざん)というところのラベンダー畑だよ」
父「おれはここに行ったことがあったかな?」
父が行ったことはないはずですが、わたしは何も言いませんでした。
父は、一人で何やらぶつぶつ言った後に、
「この時が初めてだったんだ」
と結論づけました。
ラベンダー畑に行ったのはわたしと夫だけで、父は同行していないのですが、写真を見ただけで一緒に行った気分になってくれたようです。
また新たな思い出ができましたね!
ラベンダーの香りは、リラックス効果があるそうですよ。

