今週の刃牙らへん/第39話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第39話/Great Again!!



今回は通常の展開はおやすみ。トランプの大統領再選にあわせたいつものやつである。


トランプはトラムプ。イーロン・マスクはイーロソ。トラムプがイーロソに、勇次郎への不可侵宣言について聞かせている。トラムプは大統領になるのは2度目なので、もちろんその重要度を理解しているが、イーロソはそうではないようだ。イーロソ、オタクだろうし、ビジネスの畑のひとでいろいろ物知りだろうに、知らないんだな…。あまりにも非現実的な存在なので、どこかで見聞きしてもうっかりスルーしてしまうのかもしれない。


富豪でもないのにアメリカより強い人間、範馬勇次郎。トラムプは、金を必要としない人間だという。そうなのか、ちからゆえにお金たくさんある、わけではなくて、何もかも顔パスなんだ。だから顔見知りで周囲をかためてるんだな。でないといちいち殴ってまわらないといけなくなるから。


その実力の正体が腕っぷしだと聞き、イーロソは、逮捕すりゃいいと当たり前なことをいう。しかし軍隊が出動してもそんなことは不可能だとトラムプはいう。彼のいうことはいちおう信じるようにしているのだろう。とにかく関心を持ったイーロソは、一緒に会わせてくれという。


勇次郎の部屋に向かうふたり。明らかに緊張しているトラムプにイーロソも気がつく。ドアを開けると、いつものように窓を向いて勇次郎が立っている。圧倒的存在感。だがイーロソはまずレースカーのような機能性を感じたようだ。宇宙ロケット飛ばしたりしてるからかな。

次にイーロソは、振り返る勇次郎から肉体の可能性のようなものを感じ取る。そして犬歯。

2度目の登場のトラムプはすっかり縮み上がっている。トラムプはいい。だが横に知らないやつがいる。勇次郎は拳の風圧でイーロソをおどかす。2人とは聞いてないと。はなしとして狭量なようだが、これは勇次郎なりの「範馬勇次郎拳」である。

そして、あんまり勝手をするようなら犯すと怒鳴る。多い方が楽しいから警備も呼ぼうと、勇次郎は何度目かの問題発言をするのだった。



つづく



板垣先生、懲りないなあ…



勇次郎の問題行動については以下を参照。





勇次郎にとっては、この世のどんなファイターも、そしてまたどんな人類も、再現可能な存在にすぎない。げんにそうであるし、彼自身、そのことを確かめるかのように、ファイトに臨んでは相手の唯一無二性の否定する行動を選んできた。このことが、彼にとってまず彼以外の人類を非勇次郎化する。ここまではよい。だが、この価値判断が彼自身にとっても絶対的であるため、それはやがて彼自身を非人類化していったのである。おもえば皮肉なはなしだ。勇次郎はその絶対的な強さゆえ、正確な比較の可能な相手すら見つからない日々のうちで、「俺以外のものは俺とはちがう」という相対的認識を通じてのみ輪郭が明瞭になるのである。

これが、強さを雄度ととらえる世界でこの問題行動につながる。彼が証明すべきこと、またそう信じ、事実そうであることは、「じぶんは雄である」ということただ一点なのだ。これが転じて非勇次郎たる全人類を雌化するのである。


ただ、この過程で見逃せないのは、強さが雄度と直結することが自明とされていることだ。

見たように、勇次郎は、その強さゆえに、また全能性ゆえに、というか全能ということの機能ゆえに、どうしても他者を経由した自己認識にいたりがちである。しかしその自己実現は「男」として行われるのである。これは、オンナコドモの技でピクルを倒すまでになったジャックのありようと鮮やかな対比をなす。じしんの無二性を「男」で表現する勇次郎は、他の「男」が存在することを認められないから、全人類を女とする。だが、ジャックのがむしゃらさと比べたとき、そもそも男とはなにか、女とはなにか、それが強さとどう関係するのか、そのあたりが驚くほどナイーブなのである。


しかし、このあたりは、最初にも書いたが、勇次郎は必死で雄であろうとしているという感じもする。「範馬勇次郎」を演じているのだ。親子喧嘩を経て丸くなり、ジャックを認めるようにもなった勇次郎が、いつまでもそんな感性でいるはずはない。これは、勇次郎にとっての外交、「政治」なのだ。あんなふうにえらそうに振る舞っていても、彼が無傷で合衆国を圧倒するということはありえない。パワーバランスや個人的信頼関係、また恐怖など、さまざまな事情こみで、あの会談と宣誓は実現する。そういう現場で、勇次郎もまた、「範馬勇次郎」であることを強いられるのである。各国首脳が親子喧嘩に注目したのは、それが戦争に他ならなかったからだ。勇次郎がほんの少し丸くなるだけで、母国日本や友好関係にあるアメリカの立ち位置は微妙に変わってくるだろう。勇次郎は勇次郎なりに政治を行い、もはや大統領の前でしか見せないあのような行動をとるのである。




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