今週の闇金ウシジマくん/第468話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第468話/ウシジマくん54

 

 

 

 

 

 

 

 

丑嶋を殺すつもりである獅子谷のもとに柄崎を送った戌亥だが、そこに豹堂があらわれる。

熊倉が死んで鹿島が行方不明といういまの状況で、いちばんうえの猪背が引退すると、くりあがりで、現在鳩山がいるポジションには豹堂がつくことになる。しかし、鳩山的にはちょっとうーんというところらしい。それよりも、カリスマ的な滑皮のほうが、などとかんがえてはいるが、なにしろ若い。豹堂も、じぶんがあまりうえから買われていないことは知っている。しかし、かといって滑皮を認めているわけではない。豹堂は、建前上、古いヤクザ的な仁義を立てていて、いっぽうの滑皮はまったく手段を選ばない。滑皮は滑皮で豹堂のことを古臭いヤクザとしてぜんぜん評価していない。こういうところで、組長の件をきっかけに、豹堂が動き出したところなのである。ちなみに、戌亥が滑皮のもとで働いていることを豹堂は知っている。

10年前の戌亥は、雲居という、探偵だか情報屋だかのところで働いていて、この雲居は熊倉と仲良くしていた。どういう構成かわからないが、戌亥が属している会社かなにかじたいが、猪背と無関係ではないというところなのかもしれない。いまの戌亥が独立していないとも限らないのでなんともいえないが、とりあえずふたりは顔見知りみたいだ。しかし、戌亥の感じからして、ほんとうにただの顔見知りくらいのようである。豹堂は、戌亥の家の近くに用事があるから送ってやるという。つまり、戌亥の家を知っているということだ。ふたりとも顔見知り程度の関係なのに、相手のことをよく知っているのだ。

 

 

家まで送る、という言葉が、家を知っているということを示す、そのことを、豹堂はもちろん理解したうえでしゃべっている。ヤクザにせよ半グレにせよ、相手を脅して生活するものは、必ず相手の想像力に訴えかける。逆らったらどうなるか、相手に想像してもらわないことには、迫力のある言動をいくらがんばってつくっても、意味がない。同様にして、言質をとられないためにも、ヤクザは好んでこの手の言い方を用いる。

 

 

豹堂は発車してすぐに、人捜しをしてくれともちかける。3年前、豹堂の兄弟分であった鹿島がいなくなった。ハブ組と丑嶋や滑皮がもめていたのはいまからおよそ2年前で、そのときに鹿島が連絡とれない的なことを誰かがいっていた記憶がある。例の三回忌問題で、なぜか作中のひとびとは2年前のことを3年前と呼ぶのだが、ひょっとすると、進行中の物語が年末に近いとか、そんなことがあるのかもしれない。現在が2018年の11月だとすると、鹿島が行方不明になったのは2016年の10月とかである。しかしこれを、ただ2016年と記憶していたらどうだろう。そうであれば、2019年になろうかという段階で、これを3年前と呼ぶことはそう不自然ではないかもしれない。

戌亥も鹿島の件は知っているが、むろん知らんふりをする。探してもらいたいのは、鹿島ではない。豹堂は、鹿島はすでに死んでいると断定しているようだ。そして、彼を殺し、埋めた人物を探してくれというのである。豹堂は、鹿島はすでに死んでいて、その犯人は滑皮だという噂がある、的な会話を子分としていた。つまり、彼は滑皮のもとにいる戌亥に、主人を告発せよといっているのである。戌亥が少し焦ると、豹堂は見逃さずになにか知っているのかなどという。

しかしそれがほんとうなら警察の仕事である。戌亥は、行方不明の件さえはじめて聞いたと、うまく言い逃れ、なにか心当たりはあるかと問う。豹堂は、そのことでいちばん利益があったもの、得したものに決まってるという。組長関係でいえば、滑皮の躍進は熊倉の死こみのようなところがあるから、あの時点でもっとも利益が見込めたものは、むしろ豹堂である。鹿島が行方不明になったときは、まだ滑皮はいまみたいなホテル暮らしではない、敏腕の平ヤクザという感じだった。その状況で、鹿島以外で組長候補になりえたのは熊倉だが、ご案内のとおり、熊倉は鼓舞羅によってヴォケにされてしまった。すなわち、犯人は豹堂である。なんていったら殴られるよね。

 

 

黙り込む戌亥に、豹堂はなぜか丑嶋のことを持ち出す。お前の幼馴染、滑皮と獅子谷に狙われてるんだってなと。ここからずいぶん飛躍して、戌亥は、滑皮を疑っているのかとどもりながらいう。滑皮と仲良くしていることはオフィシャルな事実なのだろうか。滑皮が消えれば、丑嶋が助かる。だからがんばって調べろと、こういう理屈を、戌亥はたぶん瞬時に理解して、滑皮を疑っているのかと問い返したのだろう。

その問いに豹堂は応えないが、隠すつもりもないようだ。豹堂は、いきなり戌亥の実家のお好み焼き屋がうまかったというはなしをする。運転している巳池もいったようだ。うまかったし、店員、特に戌亥の妹がかわいかったと。あんなかわいかったら、ほんと夜道に気をつけないと、みたいな常套的なセリフを巳池は続ける。戌亥は色を失って丸くなるほかない。

1週間以内に有力な情報を集めろ、というのが豹堂の指示だ。豹堂は、じしんでは滑皮を殺す気はなく、ヤクザ社会的に抹殺するだけのつもりなのだろうか。

豹堂は、じぶんは昔かたぎな仁義を重んじるヤクザである、しかしやるといったらやる、これは脅しではないという。しかし、なにをやるのだろう。巳池は、夜道は危ないとしかいっていない。つまり、豹堂がいうのとは逆に、脅ししかしていない。滑皮や、戌亥や、戌亥の家族に危害を加えるとは、彼はひとこともいっていないのである。

今回豹堂がやると断言したことといえば、戌亥を家に送るということくらいである。しかし、戌亥はどこだかわからないところでおろされるのだった。

そこへジャーナリストだかライターだかの友達から電話がかかってくる。ゴールデン街で飲む約束をしていたのだろう、遅いから電話してきたのだ。

戌亥はなんだか友達に冷たい。彼は、ボブ・ウッドワードに憧れてジャーナリストを目指したはずなのに、ゴシップ記事書いて喜んでいるのがなんとなく興ざめなのだろう。ボブ・ウッドワードというひとは、調べたら、ウォーターゲート事件の調査をしたひとらしい。友達は、開き直って、いい記事を書いてもスポンサーに不利益なことは書けないと、現実を語る。しかし悲愴感はない。価値よりも、社会的評価とそれを示す金のほうが重要になっているのだ。

その国のジャーナリストの水準は、国民の水準、などというパンチラインも飛び出す。ゴシップ記事ばかりなのはそれが求められるから、自分のあたまで考えない会社人間を作り出す義務教育がその元凶、そんな社会で、じぶんたちはペン一本でひとを成功と破滅にふりわける。おもしろいけど、ひと呼吸でぜんぶしゃべったのかこのひと。飲み過ぎじゃない?

しかし、そこには真理も含まれていた。戌亥は、情報操作ひとつでひとの命を奪ったり救ったりできるじぶんのポジションを思い返すのだった。

 

 

 

車をとめて巳池が電話している。これは、潜舵が篠田の店に仕込んだつもりでいたキャバ嬢のようだ。女の情報にしたがって潜舵は強盗を企画し、甲児がそれを実行した。そして、ことごとくうまくいかなかった。それは、背後に巳池が、そして豹堂がいたからなのだった。

女は巳池のなんなのだろう。よく知ったなかではあるようだし、ふつうにキャバクラ嬢で、それなりに関係のあったものなのかもしれない。彼女はいま福岡でヒマにしている。東京が危ないというならせめて地元の札幌がよかった、などといっているが、東京も札幌も確実に獅子谷たちが探している。危機感のない感じの子でなかなか困るが、巳池は別に彼女のことを心配してそうしているのではない。拷問されて巳池や豹堂の名前が出てはまずいからだ。豹堂は始末を考えろというが、巳池はすでにフィリピンで人身売買しているルートに声をかけているのだという。仁義もへったくれもないな。

 

 

 

さて、バールをふりかぶる獅子谷の絵で終わった前回の続きである。あたまを殴られた丑嶋は、気絶でもしたのか、きつく縛られてしまっている。甲児は、痛いおもいをして死ぬのと楽に死ぬのと選べという。滑皮からは許可されている。しかし、金をすべて奪ってからというはなしだ。いまから甲児は丑嶋を拷問してそれを吐かせる。すぐに吐けば、苦しいおもいはしない。それを選べということだ。

丑嶋の出血はたいへんなものだ。甲児は「最後の買い物」と表現する。全財産の場所をいってそれを渡して、安楽死しろと。むろん丑嶋はかんたんにはいわない。甲児は丑嶋の右手の小指をつまみ、はさみでちょん切るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

つづく。

 

 

 

 

 

 

丑嶋社長にこんなことが起こるとは、わかっていたけど、じっさいにそのときになってみると、なかなかショッキングだな。

丑嶋のいるところにはいま柄崎が向かっているはずである。潜舵たちの姿が見えないが、山奥で、徒歩で帰るわけにもいかないから、まあどこかにはいるだろう。オーナーの死体を片付けたりしているのかもしれない。柄崎はやるときはやる男だ。あの肉蝮を二回も(車で)撃退しているのだ。あれだけ結ばれちゃったら社長の反撃は望めないが、本気出した柄崎ならあるいは、というところだろうか。

 

 

 

やるときはやる、といえば今回の豹堂の言動である。

豹堂は組長候補として滑皮を蹴落としたいというより、ヤクザとしてとにかく気に入らないという気持ちが強そうだ。少なくとも、じぶんではそうおもっているだろう。

2年前、丑嶋がハブたちに拉致される前(改めてこう書くと、丑嶋を中心にヤクザが廻っていることがわかってちょっとびっくりする)の豹堂と滑皮のポジションは、いまとはちがうものだった。豹堂はいちおう、宝塚でいうと「路線」、タイミングがあえば組長になることもありえる立場だった。しかし、鳩山がくりあがりで総長になっても、彼と鳩山のあいだには鹿島、熊倉がいた。現実問題、彼はじぶんが組長になるなどということをイメージできていなかったのではないかとおもわれる。まだトップスターが退団を発表していない段階で、ようやく新人公演を卒業したくらいの「路線」ジェンヌが、トップになることを夢見はしても、具体的には思い描けないのではないか、ということと同じである(という比喩はこの記事の読者にはあまり通じないだろうけど・・・)

たほうで滑皮は、たぶん明確にプランを描いて行動していた。鹿島殺しにかんしては、真相はいまいちよくわからない。梶尾たちは知らないようなので、殺し、また氷にするまでの過程を、おそらく彼はひとりで行っている。鹿島は裸で死んでいたので、実行にあたってはたぶん女を雇ったんだろうけど、いずれにせよ、金で結ばれた関係以外は、たぶんここには持ち込まれていない。これは、滑皮じしんの意志なのか、熊倉の命令なのか、はっきりしないのである。死体処理にかんして他人事だったことなど、熊倉が命令したようにはちょっとおもえないというぶぶんはあったが、そうでないと断言することはできない感じだ。熊倉の命令であれ滑皮の意志であれ、あまりおおっぴらにできるようなことではないし、梶尾たちにさえ秘密になっていたとしても不思議はない。

しかし、いずれの場合でも、滑皮はじぶんの意志を通すことになるといえばそうだ。私利私欲のためか、あるいは感情的な問題かで、仮に熊倉が鹿島殺しを命令したとする。先輩からの命令は絶対であるヤクザ社会に敬意を示す滑皮は、これを実行するだろう。ふつうに考えると、これは先輩である熊倉の昇進を助けることになるはずである。しかしそうならない。なぜなら、熊倉はすでに「かっこわるい熊倉」だからである。もし、熊倉の周囲に、鹿島や豹堂などの同年代のヤクザがひとりもおらず、滑皮のような優秀な若手もいない状況であれば、彼が組長になることもあったかもしれないが、現実問題そうではなく、鳩山は豹堂でさえかんたんには認めようとしていないわけである。果たして、約束の時間にこれない、電話をとりのがす熊倉を、半グレに殴られて人格が変わってしまった熊倉を、すすんで組長に推薦するなんてことがあるだろうかと。

また、滑皮がもしじぶんの意志で鹿島を殺したのだとしても、解釈の方向が異なるだけで、実は起こることは同じである。滑皮の真意は、ここではあまり重要ではない。だが、熊倉を立て続けるあの身振りをとっていた従順かつ優秀な滑皮が鹿島を殺す、という状況を「熊倉のため」と解釈することは難しくないのである。

つまり、熊倉が命令したのであれ、滑皮がかってにやったのであれ、それはヤクザ社会の上下関係がしっかり機能した状況ではどちらも「熊倉のため」であり、さらにいえば、現実問題機能していない熊倉という要素が、必ずそれを無意味にする。熊倉が丑嶋によって殺されてしまったのはさすがに滑皮も予想外だったろうが、ここで滑皮は、どちらの場合であっても、結果的には「先輩を立てながら先輩を超える」という矛盾を超越するのである。

そうして、滑皮は、手段を選ばず、長期的目線でのしあがっていく。滑皮は豹堂(というか巳池)が象徴する旧習を笑い飛ばすようなところがあるが、これは、以前の彼にはできなかった。なぜなら、熊倉が彼のうえにはいたからである。ここでいう旧習には、彼が敬意を払う上下関係も含まれている。こう考えれば、鹿島殺しが滑皮にとっていかに大きかったかがわかる。そこを契機に彼は、旧習を否定・論破するのではなく、包括的に取り込むしかたで超越し、通過したものとして「古い」ということができるようになったのである。「古い」とすることは、価値の否定ではなく、通用しないという現実の指摘にとどまるのだ。

豹堂はその「古さ」のなかにじぶんの価値を見出す人間だ。少なくともじぶんではそう認識している。それは、仁義と呼ばれている。何度か書いたことなのであまりくりかえさないが、ここでいう仁義、あるいは義というものは、法以前、良心以前の地点で、ひとが、正しいと感じられることを衝動的に行ってしまうことであると考えられる。裏社会の人間がこうしたことを語りがちなのは、裏社会の状況でなければ、義は顕現しないからである。たとえば、信号が青になるのを待って道をわたることは正しい行いだが、それは法律で決まっていることだし、ふつうに考えて守るべきことだからそうするものなのであって、これをいちいち義の行いであるとするひとはいないのである。だが、法は正しさをとりこぼすことがある。『刃牙道』において、日本最強のヤクザ・花山薫は、警視総監に土下座されそうになるのを止めて、彼の依頼を受け、警察官たちを虐殺した宮本武蔵退治に乗り出した。こうした仕事は、通常の法のもとでは認められない。つまり、法にしたがっているだけでは、強すぎる武蔵を捕らえるなりなんなりすることはできないのである。もし警視総監が土下座を達成してしまったら、これも信号のはなしと同じく、ある種の特権が発生するので、たんなる正しい行いとなる。しかしヤクザである花山は、あくまでヤクザとしてこの依頼を受けるために、土下座をさせず、義をなすのである。

 

 

仁はひとをいつくしむこころ、義は正しさを求めるこころである。豹堂はここに価値を見ている。しかし、ほんとうにそうだろうか。彼がやたら仁義ということばをくちにしたがるのは、滑皮が眼前にいるからである。滑皮は、仁義もへったくれもないやりかたで、金をかせぎまくり、のしあがってきた。それが彼は気に入らない。そして、その気に入らない根拠を、仁義に求めているのである。仁義の価値観のもとで、鹿島を殺し、半グレをつかって弱いものから金を奪うようなやりかたは、正しくないと考えられる。だから、短絡的にみえても、彼を始末しようとするのだ。

ところがどうだろう、彼は、獅子谷を陥れるためにつかったあの女の子を、あっさり始末するよう巳池にいうのである。豹堂の影響下にあり、彼の意図を察する立場の巳池も、いわれる前からすでにその手はずを整えている。つまり、豹堂はそういう、そう判断するということを予想していたのである。彼らの意図通りに働いた、ただちょっとたんじゅんなだけの女の子を外国に売り飛ばすことは、果たして、仁義にもとらない、正しい行いなのだろうか。このくだりから感じ取れるのは、滑皮がヤクザ社会に対したときほどには、豹堂は徹底していないということだ。彼にとっての仁義は、たえずもどっていく不変の価値観ではなく、必要なときに都合よく用いられる道具であって、彼のアイデンティティにかかわるほど深くは、彼の生き方に関与していないのである。これが、彼の滑皮にかんする言動を不安定にする。おそらく、彼が滑皮を消そうとしている根本の動機は、仁義ではなく、個人的に気に入らないからなのだ。しかし、そういう自己理解を、彼は拒んでいる。そうではなく、正しくないから、これを始末すると、解釈しなおすことで、彼は仁義のヤクザとしてこれに取り組むことができる。だが、根本には感情があり、そのことが彼の一貫性を欠くことになる。だから、なにか心当たりがあるかと戌亥に問われて、一番利益が云々などと、じぶんのことをも含むことをくちにしてしまうのである。

 

 

どの人物にかんしても隠し事が多すぎて、どこまで秘密なのかふたしかなのがなんとももやもやするが、戌亥がいきなり滑皮の名前を出したことからしても、彼が滑皮と仲良くしていることは別に秘密ではないのかもしれない。しかし、だとしたら、このように豹堂からいわれたことを、戌亥は滑皮にはなすかもしれない。それを含めて、豹堂たちは戌亥の家族を持ち出して脅したのだろうが、なにかちょっと戌亥や滑皮をなめすぎじゃないか、という感じもする。だいたい、豹堂に情報を流したところで、必ず彼が勝つとは限らない。滑皮の思い切りとカリスマをらーめん食いながら間近で見ていればよけいそうだろう。情報を流したのに結果滑皮の勝利に終わっては最悪である。かといって家族のことを握られたまま滑皮にすべてをゆだねるわけにもいかない。彼は、この状況を自力で突破しなければならないのである。それが、情報にかんする決意表明みたいなものにつながっている。戌亥には、それができるのである。問題は、誰を生き残らせるつもりなのか、ということだ。むろん丑嶋のこともある。複雑すぎるこの状況を、戌亥はどのように整理するのだろう。

 

 

兄ゆずりの甲児の拷問は小指からはじまった。指詰めといえばヤクザで、これは原則、なにかやらかしてしまったときに反省の表示として行われるようである。価値観的な意味では痛みに耐える男らしさ、みたいなこともあるらしい。ともかく、一般的な認識として、小指がないことは一種の記号になる。問題は、これが拷問として行われていることだ。ミスをして、反省をして小指を落とすのは、切るのが他人であったとしても、基本的に主体的な行為として認められるだろう。これを、丑嶋は拷問として行われるのである。ヤクザになりたくない丑嶋に、欠損というかたちで一般的にヤクザのものとみなされる記号が施されるのである。丑嶋の現在おかれている状況の逃れ難さのようなものが見て取れるかもしれない。

 

 

 

 

 

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