今週の範馬刃牙/第176話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第176話/失ったもの



きんたまへの我を忘れるほどの衝撃から、ピクルがついに最終形態を見せつけた。



関節をくみかえ、なにがどのような必要からそうなったのかはよくわからないが、とにかく見た感じはスゴイ。八歳くらいの子供がドラゴンボールをまねして描いた「つよいおとこ」って感じだ。

面もありえない。先週も書いたけど、勇次郎の背中のようになっている。


バキはその変形を、じぶんへの最大級の評価、すなわち、ピクル的な友情のしるしと受け取る。


あまりに漫画っぽいできごとに、烈はむずかしい面持ちでなにやら哲学的なことを考えている。



「有史以来

片時も休まず進化し続け――


同時

夥しい武器を手にするに至った」


「結果――

何を失い…


何を捨て去ることになったのか…


それを

古代人――


ピクルが我々に教えてくれた」



ピクルは格闘人種の極みなのだろう。

烈やバキの世代にも、もちろん素手にこだわるファイターはたくさんいる。

そのことを美学としておのれに課し、異様な説得力をもって実践するひとびともいる。

だがピクルの素手とたとえば愚地独歩の素手ではそもそもの意味が、おそらくちがう。

たとえば武器の反対としての素手でもないし、素手であることになにか自負心を抱いてということでもない。

おそらくは、まさに人類が核をどこかの段階で必要とし、つくりあげたのと同じ程度のエネルギー量で、ピクルはその肉体を練磨し続けてきたのである。

このことは、たぶんピクルが彼らの種族(いたらのはなしだが)ではまったく畸形的な、特別な存在だったろうという推測ともつながる(どんな推測だったかじぶんでも覚えてないけど)。

ピクルは四足歩行から単独で二足に進化するような生物である。

体内の細胞レベルの細かな成長が、人類が核を獲得するまでの過程を凝縮して孕んでいるようなものだったとしてもなにもおかしいことはない。

そうしたわけで、ピクルは肉体のみで、我々の進化の過程すべてを無時間的に表現しているのだろう。

人類の進化と同様の営みを、ピクルはその肉体のみで行ってきたのだ。



白目のピクルが大きくふりかぶる。どことなく消力をつかいはじめた郭海皇に対する勇次郎の攻撃みたいだ。バキはピクルの激烈な一撃をその場から動かずに受け止める。ななめうえ方向からの攻撃だったので、いつかのジャックみたいに回転するかとおもったが、バキはその衝撃を片足で受ける。が、衝撃はすさまじく、地面を掘りつつ何メートルも真横にとばされるかっこうとなる。


どことなくまだ余裕のあるバキを、続いてジャックから習い覚えたかのような右アッパーがおそう。宙を舞ったバキは、しかしそれを両足でうけとめる。バキはピクルの必倒の一撃に接触しながら飛ばされることなく、同じ地点に着地する。



「なんちゃない…


よりスピーディーに

より鋭角的に

同じ力量(ちから)で迎え打っただけのこと


これが進化だッッ」


「俺達は格闘技を手に入れたッ


何も捨てちゃいないッッ


ここは一歩も譲らねェッッ」




最後のコマの煽り文がすばらしい。


「なんて少年誌な言葉なんだ~!!!」



そんな少年誌的にカッコE主人公に、烈や花山はピクルの疵を発見してすべてを悟ったとき同様、無意識に拍手をしてしまうのだった。



つづく。



バキの啖呵にびびってるピクルが素でコワイ。

白目むいた強そうな顔なのに冷や汗かいてる…。


ピクルの最終形態はいったいどんな意味があったのか…。

僕は四つんばいになるための体勢かとてっきりおもっていた。

伏せてつっこむ、というパターンがピクルのなかではもっとも強い位置にあって、怒りのあまり全身にちからを漲らせて四つんばいになろうとしたところが、急激な進化(退化)をとげて可変型のからだにかわっちゃった、みたいな…。

でも四つんばいはぜんぜん関係なかったみたい。

たんじゅんにこの骨格のほうが威力があるということなのかな。


しかし、烈のおもいとバキの啖呵を比較して考えてみると、「素手にこだわった格闘技術」ということがかなり奇妙な人間的営為なのだなーとおもえてくる。

極端なはなしをすれば、にんげんは技術の果てに核を手にしたはずなのである。

これに対しピクルはその場(肉体)にとどまり続けている。

そして格闘技術というのは、その場にとどまり続けながら、しかし科学的な洗練を身につけようというものなのだ。

肉体にこだわり続けながら、しかし個人ではふつう形成不可能な(技術)体系というものを重んじ、関係のなかに生きるいわば「格闘社会人」として、たたかいの技術を高めてゆく。

もちろん勇次郎やバキは天才児なので、ひとりですべてそうした地点に到達し、技術を手にしたともいえるでしょう。

しかし本来の意味での「技術」とはそういうものではない。

そしてこの意味での「技術(体系)」には、いくらピクルが天才児であっても、ひとりでは決して到達できない。

到達できないというか、はなしの次元がちがうので、触れることができない。

これはいわば魔人ブウと元気玉のぶつかりあいである…(ちがうか)。



せっかくピクルがおそろしい感じ出てきたのに、今週ではさっそく冷や汗かいている。

バキはこの調子でずっとピクルの攻撃をしのいでいくのだろうか。

それはいい。

それは予想もできた(わかんないけど)。

問題はバキの攻撃がピクルにきくのかってことだ。

勝ち負けをいえるほどに、決定的にダウンさせることができるのかってことです。


あ、金的があるのか…。



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