第139話/スーパータクシーくん⑤
“相保証”で丑嶋から金を借り出した諸星と今井はガールズバーにきていた。諸星のソフトタッチに店の女の子も引き気味である。ほお擦りまで…。だが金にはうるさい。今井が女の子に言われるままばかばか酒を頼むのに対し、じぶんと“チークダンス”をしないならドリンクも無理と言う。諸星は、なんというか…いちいち昭和だ。
会計の時間となり、今井が割り勘にしようとすると、今井のほうが酒頼んでるし指名もしてるから割に合わないと諸星が主張する。まあ、まちがったことはいってない。しかし今井に押しきられ、結局割り勘に。
接客を終えて帰宅するりおと明日香。今井に7万の携帯を買わせたりおは、明日香を“副業”に誘う。実際は同じ携帯を別の客に再度買わせて、業者と売り上げを折半するというもの。すでに35000×9で31万5千円も儲けてるらしい。
帰り道、相保証で借金をしている諸星は今井にムダ使いを注意する。闇金のことは任せておけという今井だが、彼のうさんくささには諸星も気付きはじめていた。
諸星が団地に帰宅。実家のようだ。母親にお客がきている。家のなかにはおなじマークの入ったダンボールや賞状、写真などがところせましと積まれ、飾られている。あらゆるものにこのマークは見られる。
母親のお客は“団地婦人部”の三人。“井上さん”が“ダイヤモンドエンペラー”に昇格した模様。そして諸星の母親(母親だよな?)は“支部長”だそうだ。最初は組合とか地方自治体のようなことかとおもったが、“支部長”“婦人部”ということなので、もう少し大きな団体のようだ。今月は“強化月間”であり、奥様がたは“井上さん”を見習って“売り上げ”を上げなくてはならないそうだ。家中そこかしこに見られる、ひとが手をつないだ様子のデフォルメのような商標もたぶんこの団体のものだろう。宗教かともおもったが、“売り上げ”だからなぁ。売り上げがいいと昇格するようだし(“ダイヤモンドエンペラー”っていう称号がまたうさんくさいな…)、ネズミ講みたいなことだろうか。
母親は諸星と実務的な会話のみを交わし、目も合わせずはなしに戻る。諸星は鏡のなかのじぶんに笑いかけながら歯磨き。
(笑顔!
目力!
超目力!!
諸星信也は男前!!!
笑顔(スマイル)!!
スーパースマイル100万ボルツ!!
スマイリー信也
ヤッホッホー)
酔っ払ったもと野球部のようにするすると服を脱ぎだし、ブリーフ一枚になったナウい諸星が、男前一人チークだっ!!
なんなんだコイツ…。ボルツて。ビシッて。キモすぎて逆にきもちいい。
お月様におやすみのあいさつをした諸星が電気を消して就寝。すると暗くなった室内の天井や壁に無数の星型シールが発光して浮かび上がる。“諸星”である。ふすまには次のような過去の諸星からのメッセージも浮かぶ。
「ガンバレ☆
未来の信也☆☆☆
by諸星信也」
すごすぎる諸星…。
翌朝、第一話と似たような描写で諸星が出勤。ちがうのは前出番の成績がよかったということだ。また“白”でゲンをかつぐ諸星。途中で会った木村は歩く“道”でゲンをかつぐようだ。わりとギャンブルのような、水物の性格が強いこの職業だから(新宿や銀座にいったからといって上客にあたるとはかぎらない、またあたらないともかぎらない)、みんなジンクスを大事にしているのかもしれない。
徒歩で出社するふたりの前に、高そうな車に乗った新人の新庄があらわれた!みんなガンバレ。
ひまな昼の時間帯、いつものようにどこかの駅前ロータリーにタクドラが集結して雑談。意外にも若い新庄には妻とふたりの子供がいた。一軒家ももっている。とはいえ、高圧鉄塔に囲まれた、子供には危険な立地だ。新庄は家族の写メを見せるが、すべての背景に鉄塔がうつりこんでいる。
しかし今井たちよりは若い新庄がマイホームとマイカーを所持し、じぶん以外の誰かを養っていることに変わりはない。ちょっと悔しい気分になったか、今井はじぶんにも女がいるという。で、女のはなしになり、特に隠すわけでもなく、いともあっさり諸星は一昨日の深夜しましたよとくちにする。あの狛江で下ろした子だ。なかではいちばんカタギっぽい、先輩格の木村が、一昨日って勤務中だろ、客とかじゃないだろうなと訊ねると、諸星はやはりあっさりと、「客とかです」と応える。なにか問題でも?といわんばかりだ。しかも諸星はこれが素のリアクションっぽい。美人局(つつもたせ)対策で一回目の客は断るべきなんだとか。
「いつか女で痛い目見るぜ」と今井に言われたところ、諸星の携帯に非通知設定で着信が…。
つづく。
うーむ、諸星のキャラクターはすごいな。生ける一発ギャグみたいな諸星のような男が、『闇金ウシジマくん』という、リアリティの権化みたいな漫画に登場しているという事実がまた不気味だ。明らかになんらかの意図のもとにこのキャラクターは構築されているが、おもしろすぎてぜんぜん見えてこない…。今週の100万ボルツの描写は、「スーパータクシー」という子供じみた副題に返っていくのだろうか?
そして非通知設定の着信は誰からだろう。画面を見た諸星は少し震えている。相手が誰かわかっているのかもしれない。少なくとも丑嶋ではない。彼は非通知にしない。また狛江の女関連でもたぶんない。番号きいとけばよかったなと後悔していたくらいだから。そりゃ女が記憶したナンバーやなんかで調べたとかならわかんないけど。
とすると諸星が利用している出会い系関連だろうか?仮に相手が誰なのか諸星が知っているとすると、その見当がついたのだから相手はいつも非通知でかけてくるにんげんということになり、拒否ってないということは、こちらの意思に関わらずとにかく出なければならない種類の相手ということになる。
いやわかんないか。あんなようなリアクション芸人だからな諸星は。たんに「非通知」ってことにびびってるだけかも。
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