今週の闇金ウシジマくん/第136話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第136話/スーパータクシーくん②


月曜祝日のため今週のスピリッツは土曜発売。タクシードライバーの諸星が、オレタチのキャブキチョで丑嶋と遭遇だ!


1ページ目に「新シリーズ第2弾!」と書かれてあるんだけど、どういう意味なんだろ。「第2話」のまちがいだろうか。額面通りに受け止めれば第1弾は出会いカフェくんということになるが。としたら、副題がサラリーマンくんまでの“肩書”から、サルトル的な、自己を捕らえ、規定する“状況”に変わったことにもやはり意味があったのかもしれない(少なくとも出会いカフェくんでは、そこからの脱出と、主体的に獲得される生ということが主題だったと、僕はかってに考えている)。さらに勘繰れば、すでにタクシードライバーくんを短篇で消化していることにも意味があるのかも。たとえば、1巻に収録されている作品では、丑嶋と負債者の対立した状況を読者には負債者視点で見せることで、リアリズム的に(ここでの読者はすべて負債者であるから)丑嶋の怖さを描いていたが、2巻のヤンキーくんからは、視点がもう一段階高次にシフトして、第三者的な、立体的なものとなっていて、そのことであの迫ってくるような取り立ての恐怖は失われてしまったのだけど、かわりにより大きなものさしを獲得し、第三者の「確認」により、丑嶋の“強さ”=キャラとしての「価値」を、ばあいによっては絶対的なものとして扱うことに成功していた。滑皮と丑嶋の対比、またジュンともめる丑嶋を遠くから目撃した石塚(豚塚)のふるまいなどといった描写がこれをよくあらわしている。1巻とそれ以降がまったくちがう漫画のように感じられるのは、作者のおそらくは企図的な、こういう物語のありかたのちがいからきている。そして、このような創作姿勢の変化が出会いカフェくんから新たに加えられている可能性もある。副題がそれを示唆する。まあ、おはなしを読みながらそれを感じられないようでは無意味だけど、まだ始まったばかりだから…。ていうかこういったことはぜんぶ僕の妄想なんだけど。


前置きが長くなってすいません。


ハマーに追突しかけた諸星のもとに、車をおりた丑嶋がやってくる。窓ガラスを軽く叩いただけの丑嶋や、うしろで鳴らされるクラクションにも、諸星はとりあえずものすごいおびえている。

やがてうしろの車の運転手らしきスキンヘッドのおっさんがやってくる。おっさんは丑嶋に軽く合図したあと、諸星を怒鳴りつける。


…よくわかんないな。諸星は丑嶋のハマーのうしろに停まってるんだよね?だとしたらいちばん前でとまってんのはハマーじゃないの?丑嶋は鼻水垂れ流しの諸星に半笑いでカウカウファイナンスのティッシュを手渡す。丑嶋はなんのために車おりたんだろ?特に怒ってるようでもないから、たんにぶつかりかけた諸星に注意を促したかっただけなのかも。おっさんが怒っているコマでは、タクシー前方にハマーは見当たらないのだが、としたら丑嶋はわざわざ路肩に寄せてから下りてきたのだろうか…。


なんにしても、これで諸星と丑嶋のラインがいちおうできた。



女の子が手をあげてタクシーをとめる。狛江までのお客だ。これでいちおうノルマには達しそうだが、客は厄介な酔っ払いだ。

…でもかわいいから良し。


到着したようだが、女は熟睡している。禁止されているので、諸星はなんとか触れずに起こそうとするがぜんぜんダメ。仕方なく警察に行こうとすると、じつは起きていたのか、金がないからホテルで休憩しようと女が持ちかけてくる。諸星は拒否するが、「私に恥をかかせないで」と言われ、「恥をかかせ」ないために、どこまでもキリッとした表情でヤルことをヤッてしまう。なにか不思議な描写だ。ここで諸星は性欲に負けているわけだが、そんな感じがあまりないのだ。

(ちなみにホテルの名前は「PANDA」となっている。サラリーマンくんではパンダの遊具が光と闇の共存を表象していたが、ここでは諸星の裏の顔を指示するものなのかもしれない。)


だから諸星は、女が払うはずの6千円と売り上げから引いたホテル代7千円の合わせて1万3千円、ノルマに足りないことになってしまった。翌朝帰社後、諸星は一台千円でタクシーの洗車を請け負い、 なんとか6千円をつくる。足りないぶんは、同僚のあやしい男、薄本から借りることにした。薄本は「また女か?」と言っている。諸星の悪癖のようだ。


売り上げ成績が悪く、叱られている今井というドライバーを尻目に、諸星は清算をすませる。出発のときは感じの悪かった社員もにんまりだ。24時間勤務を終えたあとは、自由な24時間が待っているのだった。


つづく。



…なるほど。前出番ってそういう意味なんだ。そういえばデ・ニーロの「タクシードライバー」もそんな勤務形態だった…気がする。MIBみたいだな。きついなーこりゃ。もっとも眠ってはならない仕事なのに。


とりあえず、今回の主人公はそうとうヘンなやつだ。プライベートでは人格がひっくり返るかもしれない。出勤のとき、諸星はやたらと白にこだわっていた。白が、彼の人格のスウィッチなのだ。プライベートの、裏側の彼が黒であったとしてもべつにおかしくない。顔も黒いし。


それにしても、スーパータクシーってなんだろうな…。有事となるとハンドル交換して、羽みたいのも出てきて、レース仕様に変形するのだろうか…。


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