極真・第九回世界大会 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

ぜんたいとして…やはり外国人の実力アップが目立った。なんというのかな…ひとことでまとめたくはないのだけど、かじりついてでも勝つという、がむしゃらさみたいなものがついてきたというか。そして、根拠のある強い自信のようなものも感じられた。たぶん…守るものがないということと、そして八年前のフィリョの優勝がもたらしたものが大きいのでしょう。

はっきりいって日本人と外国人の体格差は年々縮まっているようにおもう。一発一発の技の重さや圧力なんかについていえば、日本人選手全体もそうとうなものになってきている。しかしそういう大型の日本人の選手が国内で試合をするとき、あるいは道場でスパーリングをするとき…やはり昔ながらの、胸でぜんぶ技を受けて、正面からぶつかるという、いわゆるガチンコの試合をしているんですよね、たぶん。四回戦で敗退した内田選手なんかは…非常に強い選手なのだけど、ここのところを少しなめていたようにおもう。あの胸にもらってる突き、大丈夫かよ…とおもっていたら、やはり終盤スタミナがきれてしまった。鎖骨や心臓のあたりって、もちろんKOはないのだけど、ものすごい体力を奪われるんですよね。足をかけられて転んだりということも、経験者ならわかるとおもうけど、非常に疲れる。いっぽうの外国人選手は、試合運びの上手さはもちろんだけど…あきらかに根性がついてきてる。要するになかなか倒れないんですよ。かなりいい下段なんかもらっても…。
そう考えると、徹底した筋力トレーニングで下段蹴りによる一撃必殺を具現した黒澤浩樹はやはりすごい男だった…。下段蹴りというのはいっけん地味な技なんですが、威力だけでいったら前蹴りや回転後ろ蹴りに匹敵するくらい強力なものです。しかし人間の脚…ふとももというのも、同様にしてとても丈夫にできている。だからこそ世界大会くらいの究極レベルになると一本をとることが難しいし、地味にみえる。然るに黒澤は、スクワットで300kgを持ち上げる脚力でもって、これの破壊力を必殺の域にまで高めたのです(これは地方の大会でしたが、相手のガードした腕ごとあばらを折るという、マンガみたいな出来事もありました)。ある格闘技誌が彼の蹴りの威力を測定したところ、1.4tという数値を出したそうです。プロ野球選手のバットのフルスイングが900kg弱というところであることを考えると、これがいかにありえない数字かわかるとおもいます。世界大会での優勝はなかったけど…全盛期のあの、第十六回全日本や、第五回大会のころの黒澤は
、まちがいなく世界最強に数えられる人間だったと僕はおもう。


でもむかしのはなしをしてもしかたない。日本人がひとりもベスト4に残らなかったというこの結果は…残念でならない。僕らファンはもちろんだけど、選手の落胆はもっとだろう。しかし、日本人選手はいったいどんなトレーニングをしているのだろう。いわゆる城西支部タイプの選手が少ないように思った。分裂後、八巻、フィリョ、数見というカリスマたちがいたから目立たなかったのかもしれないが、はっきりいって、レベル落ちてきているとおもう。放映されたのはごく一部ですが…


田中健太郎は…ちょっと体重つけすぎじゃないのか。

優勝テシェイラか…。たしかに強かった。まるで台風。ウィリー・ウィリアムスみたいだった。極真の世界大会決勝というのは、たいてい実力が超拮抗して、なにものもそのあいだに入れない、文字通り「真剣」勝負、すさまじい緊張感のもとに行われ、ほとんど(ぜんぶ?)が判定にもつれこむというものだったけど…まさか一本勝ちするとは…。だけど、ケチつけるわけじゃないが、なにか腑に落ちない…。ナショナリズム的なことではないとおもう。極真の世界大会で優勝するというのはどうあれとてつもないことです。大山総裁がこれを四年ごととしたのはオリンピックを意識していたといわれています。要するに、空手の金メダルなんですよ。ちょっと才能あるとか、からだがでかいとかじゃ、はなしにならない。たとえば日本人なら、全日本とかウェイト制で入賞しないと、出場すらできない。それくらい巨大な大会だし、出場者はみんな人生かけてる。準決勝に勝利した瞬間のヤン・ソウクップ選手の表情がすべてを物語っている。それは日本人だっておなじこと。国がど
うとかいう以前に、ただただ勝ちたかったはず。だからこんなふうな無責任ないいかたはしたくないのだけど…、ちょっとなめてたんじゃないかとおもう。試し割り判定で負けるなんてのは、本気でくやしい。


あと、関係ないけど…アナウンサー実況下手だな~。新人とかかな?僕がいちばん極真の試合をよく見ていたころ、フィリョや数見のころは、アナウンサーはみんな、プロの解説者ばりに試合がよく見えていた。もともと大ファンだとか、経験者だとかいうならわかるけど…。そうとう勉強してるなーっていうのがわかるような実況だったし、解説者へのはなしのふりかたも的確だった。



唯一の救いは…リポーターの東原亜希でした(笑)