ビッグコミックスピリッツにて、『闇金ウシジマくん』連載再開されましたね。今度は「サラリーマンくん」ですか。この作家はきっと「ヒト」が好きなんだなぁ。「アンダーグラウンドをリアルに描く」みたいなのはあくまで一面にすぎず、さらに大きな宇宙に規定される「ジョブ」という空間の内側で、人間がどのように働き「得る」のか…、そこが主眼なのだと、やっぱり思います。「~くん」は、すべての人間のメタファーなんだなぁ。「共有」が、しっかりとした作者の意識に基づいて存在している。
そして、そこに死神のように現れる丑嶋は、きわめてメタな、なにものにも規定されない個別な存在に見えて、それもまちがいないのだけど、おもしろいのはときどき丑嶋じしんも、みずからストイックに生み出した「ウシジマ」という「役割=ジョブ」に規定されているの「かもしれない」と思わせる言動を見せること。つまり、例の、意味不明の優しさ…。だから、題名が「ウシジマ『くん』」なのかもしれないなあ。
『上京アフロ田中』も連載中ですが…ちょっと心配になってきたなぁ。新キャラがやたらと上手く根付きはじめてるから…(笑)むらたとかロボとかいんらんとか、もう出てこないんだろうか。考えたら『高校アフロ』ではかなり大事なキャラだった加藤やたっちゃんも、『中退』では一度も出てきてないんですよね。ありえるなー。わりといんらん好きだったんだけど(笑)
■追記
以前、「ウシジマは疲れてるときは読めない」みたいに書いたんですが、それってなぜかというと、作品の容赦ないエグさが、こころを疲弊させ、不安を煽るからなんでしょうけど、これは実はあたりまえで、すべての人間が潜在的に大金持ちや、あるいは宇宙人と最初に遭遇する人間であり「得る」ように、ここでは「債務者くん」になり「得る」わけです。「債務者くん」は作品内に設けられた宿命的なジョブで、内側にある人間じたいは、ただの「ヒト」、つまり我々の代表なわけですから。ここに僕らが不安を覚えるのは当然で、これは作者と読者のあいだにコミュニケーションが成立していることにもなりますよね。