NY記録(後編) ブロードウェイを観て学んだこと | TSUBASA倶楽部 (中村翼の日々)

NY旅行記の続編です。
僕は今回ブロードウェイでの観劇が目的の旅だったわけですが、

ではブロードウェイとはいったい何?
みなさんは知っていますか??
僕はミュージカル俳優なのにブロードウェイが何かを分かっていませんでした(笑)

 



どういうことかというと、

まず、ブロードウェイの劇場街はマンハッタンという街にあります。
マンハッタンは縦の道と横の道からなる碁盤の目のような街になっています。

 



僕はブロードウェイを
ずっとどこかのエリアなのかなと思っていたのですが、
ブロードウェイは道のことでした。
よくよく考えてみればbroad wayなのでそりゃ道ですよね(笑)

 



地図で見るとよくわかりますが、碁盤の目なので四角形の街ができるのに対して、
ブロードウェイは斜めの道です。
碁盤の目の道だけだと、目的地まで大回りする道も斜めの道があることでショートカットできます。
マンハッタンは思ったより小さな街でした。
地下鉄もあるのですが、時間が不確定だったり、急に止まったりするので、
現地の人は歩いて移動することが多いそうです。
僕も、ホテルから劇場街まで2ー3キロあるのですが、毎日歩いてました。

地図の上の方をみると、碁盤の目とブロードウェイがぶつかる場所があります。
少し台形のようなこの場所をスクエアと呼びます。
ユニゾンスクエアや、マディソン・スクエアなど。
このスクエアを中心に街が栄えているそうです。

 

 

劇場街があるのは、タイムズスクエアの周辺。
マンハッタンのちょうど真ん中あたりに位置します。

渋谷のスクランブル交差点の何倍も大きいモニターがたくさんあって、
大都会でした。

めちゃめちゃミュージカルの街なのかと思っていたのですが
意外にも、都会の街の中にミュージカルが溶け込んでいるといった印象でした。

 



ゴミ箱やタクシーに上演中のミュージカルのポスターが貼られていて
ミュージカルが街に根付いていました。

このポスターは僕が一番好きなミュージカル

「The Book Of Mormon」です!


劇場も凄かったです。
何が凄いかって、まず築年数がどれも古くて立派。そして劇場内が丸いので音の響きがとても良いです。
なぜ丸いと良いのかというと、
音は壁にぶつかると反射して跳ね返る性質を持っています。
日本のように四角い劇場だと平行に同じ場所にしか反射していきません。
ですが、平たい場所がなく、丸い形だと全体に音が跳ね返って響きが良くなっていきます。
どうしても平たくなってしまう場所には彫刻だったり、模様だったりを作って
でこぼこをあえて作る工夫がされていました。

 

The Book Of Mormonを上演していたユージン・オニール劇場

 

Back To The Futureを上演したウィンター・ガーデン劇場

 

Harmonyを上演していたバリモア劇場

 

やっぱり全部劇場が丸いですね。

ちなみに日本はなぜ四角い劇場なのかというと
四角い建物の中に劇場を作るので、効率的にするには四角くするしかないんだそうです、、、
ブロードウェイは、劇場は劇場のみで建っているので丸くできるみたいです。

ちなみに四季劇場は丸い劇場です。

 

ブロードウェイの劇場は飲食もOKで、客席の地下だったり劇場内でドリンクやお菓子を売っています。

せっかくなので、ジンジャエールを飲んでみました。

 

 

こぼれないように特注の容器に入っていて、

蓋を回してストローで飲みます。

作品によっては、作品のロゴが入っていたり!
ディズニーランド感覚で楽しいですね。

 

劇場もそうですが、全体的に古い建物が多い印象でした。

タイムズスクエアは日本の渋谷みたいな場所だったので、高いビルだらけでしたが、

一本隣の道に行くと全然街の印象が変わるので面白いです。

ヨーロッパも歴史ある古い建造物を大事にする文化があると聞いたことがありますが、

アメリカ人もルーツはヨーロッパからの移民ですし、

古いものを残す伝統があるのですかね、、?

古い建造物というのは、日本もそうですが海外でもやっぱりすごいなーと思います!!


観劇記録は前編の方で書いたのでまだ見てないよって方はぜひ!

 

 


今回初めてブロードウェイのミュージカルを観て
アメリカ人のためのミュージカルだなという印象を受けました。
もちろん英語が分からないところがあったり、アメリカンジョークが分からなかったりというのはあるのですが、
文化の違いというか、僕の語彙力では上手く表せない「アメリカ人のためのミュージカルだ!」と感じる何かがありました。

そう感じる原因を色々考えてみたのですが、
一つはトニー賞の存在だと思います。
トニー賞の特に作品賞を受賞すると、世界中のミュージカルファンが注目するので
確実にロングランになって、ビジネスとして成功します。
なので、恐らくブロードウェイの全プロダクションはトニー賞を目指して作品作りをしていると思います。

アカデミー賞もそうですが、トニー賞の審査基準は、
単に作品の面白さや、凄さだけではありません。
アメリカの今の情勢や社会的思想、国の問題など、今のアメリカで作品を上演する意義などを鑑みて審査しています。
ポリコレやフェミニズム、差別などを考えながら作品作りをするので、
白人のストーリーでも、黒人やアジア人をキャストの中に入れたり、
そもそも作品の段階から黒人やアジア人を取り上げたり、あえて女性メインの作品も多く存在します。
ハミルトンは白人の話を有色人種で演じ、黒人の文化であるラップを多く取り入れることで話題になりました。
MJも黒人のキャストが半分以上でした。
ウェイトレスはクリエイターが全員女性ということで話題になりました。

昨年オペラ座の怪人がcloseしてしまって、
今やっているロングランの作品といえば、
「wicked」「ライオンキング」の二つだと思うのですが、
どちらも有色人種の女性が主役、キャストのほとんどが黒人です。
観客も今のアメリカの情勢で観る作品を決めているところがあるのかなと感じます。

今のブロードウェイが強くポリコレの影響を受けているというのが現状なのですが、
このポリコレってなんなのかというと、
ポリコレとは、「ポリティカル・コレクトネス(political correctness) 」の略で、「政治的妥当性」「政治的正当性」という意味があります。
ちょっと何言ってるか分からないよって感じですね(笑)
ざっくりいうと、人種だったり性別だったり、差別をやめましょうよっていう考え方です。

ニューヨークには本当に色々な人種の方がいます。
一見日本人に見える方もいるのですが、少し観察していると、恐らく日系人かもなという方も多く見かけました。
人種のサラダボールって昔学校で習いましたけど、
そういう町、そういう国だからこそ、多様性を尊重しないと衝突が増えちゃうのかなと思います。
実は日本でもポリコレの影響を受けていて、
日本のクレヨンから肌色という色が消えたり、ファミマのお母さん食堂も議題に上がったりしたそうです。

このポリコレを意識してミュージカルを作るとどうなるかというと、
まず、差別的な要素を含む話は受け入れられません。
そして白人至上主義的な考え方(白人が一番!)で、オールキャストを白人にするということも受け入れられません。
黒人や、アジア人をキャストに1人以上入れないと基本的にはいけないそうです。

こうしてみると、
日本とは作品の選び方や作り方の段階から違うことが分かります。
アメリカで評価された作品を日本で上演するのもとても良いことだと思います。
ですが、日本人のための日本のオリジナルミュージカルがもっと上演されていくようになればいいなと思いました。
近年は、ホリプロや東宝をはじめ、各プロダクションがオリジナルミュージカルに力を入れています。
日本はアニメ、漫画と日本オリジナルの原作がたくさんあるので、
実は日本産のミュージカルって作りやすいんじゃないかなと思っています。
2.5次元がはやり始めてからまだ10年?くらいですし、
今はどんどん速いペースで作品を作っていく段階なのかと思います。
ただ、ブロードウェイでも平均7~8年かけて作品を作っているように
もっと時間をかけてブラッシュアップを繰り返した作品が
増えていったら今よりさらにレベルの高いオリジナルミュージカルも増えるのではないかと思います。
日本のオリジナルミュージカルがもっと流行するミュージカル界にしていきたいです!

オリジナルミュージカルといえば!
今月はなんとオリジナルミュージカルに2作品出演させていただきます。

2/17,18,23 朝ミュージカル「僕と彼女と物憂げな傘」
2/24,25 AIミュージカル「AI-WRI-EN」
ありがたいことにどちらも主演で出演させていただきます。

2/17(土),2/18(日),2/23(祝・金)

朝ミュージカル「僕と彼女と物憂げな傘」

 



去年の3月から出演させて頂いていて、2月で4回目になります。
一緒にやるキャストが変わったり、その間に僕が出演していた舞台だったり環境で自分の芝居も変わっていくので、
毎回新鮮な気持ちで演じさせてもらっています。
同じ作品に何度も出演することは中々ない経験で楽しいです。
2024年の朝ミュージカルはどうなっているのか?
ぜひ観に来てください!!


◽️チケットお申込みはこちらから
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/020bcu8h4qh31.html
 
◽️チケット詳細
※全席自由席(税込)
傘チケット 4000円(当日精算)

◽️ホームページ
https://asamusical.amebaownd.com/

◽️上演スケジュール

🗓️2024年2月
17日(土) 10:00~ 
18日(日) 10:00~ (完売しました)
23日(祝・金) 10:00~ (残席僅か)

◽️会場
自由が丘プラス南口店 2F

東京都世田谷区奥沢5-24-10 小野ビル2F


2/24(土),25(日)は2人芝居に出演させて頂きます。

オリジナルAIミュージカル
「AI-WRI-EN(エイリアン)」

 



なんとAIを使って脚本と歌詞を書いている新しいミュージカルです。
昨年に60分でのメイキング公演をやりました。
2月公演は、曲も3曲増え、シーンも増えての90分バージョンでお届けします。
どう新しく進化するのか今からわくわくです!!

オリジナルキャストなので、
ありがたいことに僕のキーで音楽も作られているんです!!
たくさん歌って芝居をします。
ぜひ観に来てほしいです!!

◽️チケットお申込みはこちらから
(ご興味ある方はぜひDMください)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSex7V4OsRjflrKaQEMSSccUvgCaJiU0ahxCHm3k3-0V8yv1iQ/viewform
 
◽️チケット詳細
※全席自由席(税込)
一 般 5,000円
応 援 7,000円(公演パンフ付)
お気軽 3,500円(丸椅子)

◽️上演スケジュール

🗓️2024年2月(計4回公演)
24日(土) 14:30|18:00
25日(日) 13:00|17:00
※各回開場30分前,上演時間約90分

◽️会場

音楽サロンScale

◽️Staff
脚本•演出/山﨑聡一郎
音楽/久田菜美

◽️Cast
中村翼
津久井舞

◽️Piano
石渡裕貴

◽️あらすじ
"発達していくAIとどう向き合うのか"
脚本家の詩月は、志す物語が書けずにいた
暁葵は、イメージはあるものの形にできずにいた
そんな中、AIのエイリアンが暁葵のイメージを形にしていく!
暁葵の成功を応援する詩月だったが・・・