最近は同時通訳のお仕事を多くいただくようになってきました。逐次通訳とはまた違ったスキルが必要になる業務です。
同時通訳はいくつものことをほぼ同時に行わなければならないマルチタスクの究極ともいえる作業です。
1.講演者の話を聞く
2.その内容を理解する
3.違う言語に訳す
4.訳した内容を発声する
5.それを自分で聞いて間違いないか確認する
…をしながらさらに次の話を聞く
これをほんの1~2秒の間に行うわけですから、
ひょっとしたら人間技ではないかもしれません
![叫び](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/254.gif)
訓練を受けたから、通訳学校を出たからといって、現場に出て満足にできるような簡単なものでもありません。
だから日々コツコツ努力して苦労して通訳者の皆さんはスキルの向上を図っています。
さて先日、そんな同時通訳のお仕事でGoogleplexと呼ばれるグーグル本社に2日間行ってまいりました
![Google](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/nanopiano/1319456.gif)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160513/04/tsu-honyaku/d7/0a/j/t02200165_0800060013644559350.jpg?caw=800)
エグゼクティブセンター入ってすぐの正面玄関
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160429/05/tsu-honyaku/60/44/j/t02200293_0800106613631776248.jpg?caw=800)
Googleのキャンパスは広い!表にはAndoroidくんが立っています。なぜマシュマロを抱えているのかは不明。
同時通訳の場合は事前資料の有無が勝負といっても過言ではありません。
しかしIT企業はセキュリティが厳しいので、前もってすべての資料を送ってくれる会社ばかりではない。
仮に当日使用する予定のパワーポイント資料を送ってもらっても、
最近はどこの企業もスライドになるべく文字をたくさん入れない傾向にあるので
極端なケースだと
画像だけ、とかトピックだけ、というページも
つまり、せっかくファイルをいただいても話の内容が見えない
ものすご~く想像力を掻き立ててもわからない、ということが多々あります。
話の方向性が見えない講演を初見で同時通訳するというのは
目的地のわからない乗り物に乗っているようなもの
![DASH!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/178.gif)
いったいどこに行くのか、右に曲がるのか、左に行くのか、進行方向がまったくわからない
![UFO](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/130.gif)
しかもハンドルを握っているのは自分
あの感覚は何ともいえない、独自のものです
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160429/05/tsu-honyaku/d0/57/j/t02200165_0800060013631774673.jpg?caw=800)
日本航空との大きな会議。Google特製のJALスイーツ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160513/04/tsu-honyaku/18/5e/j/t02200293_0720096013644559349.jpg?caw=800)
お手洗いのサインもAndroidくん
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160513/04/tsu-honyaku/fe/95/j/t02200293_0720096013644559351.jpg?caw=800)
ご存じのようにキャンパス内のカフェやレストランは社員やビジターに無料で提供されています。各会議室にもドリンクとスナックバーが。こちらはビジター用の朝食ブッフェ。
今回は担当者の方のご配慮で、各プレゼンターが到着したら通訳者たちとブリーフィングを行うという流れになりました。
スライドを一ページずつ見ながら、話の概要や事例などを簡単に説明してくださいました。
ほんの5分ほどのことですが、ブリーフィングをするのとしないのでは、
通訳のパフォーマンスにかなりの差がでる
ことを改めて実感しました。
講演者の方も遠くから来られている場合が多いので大変だと思います。通訳者とブリーフィングなんてやっている時間はないかもしれないし、面倒だと思うかもしれません。
でも、話し手のメッセージをできるだけ正確に聞き手に伝えるためにはやっぱり大切
通訳者のためというより、講演を聞いているオーディエンスのため、さらにはクライアントのためです。
通訳の質は、会議の成功を左右する重要な部分ですから。
何事もやっぱり簡単には妥協しちゃいけないですね
![メラメラ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/037.gif)