つづき


※約2年程前の出来事です。





祖母の痰を取りに
ベテラン看護師さんが来てくれた。


とても苦しそうで
目からは涙が出ている。


それに酷い冷や汗…



どんなに看護師さんが
「こうやってみて」と言っても
思うように出来ず兎に角苦しそう…



いつもなら元気付けてあげられるけど
あんなに苦しそうな姿を
初めて目の当たりにし兎に角焦っちゃって…



おばあちゃん…大丈夫…??💦💦
どうしようどうしよう…



私がとても心配そうに慌てているのを
感じ取ったのかそのベテランさん、



大丈夫大丈夫。
まずお孫さん落ち着こう



ごめんなさい…私が慌てちゃダメだ。
おばあちゃんがんばって!



するとおばあちゃんがね、
私の目をしっかり見てこう言ったの。



あっちに行ってなさい
見るんじゃない 見るんじゃない


って…私びっくりしちゃった、、


認知症で私の事を孫とは
分かっていないはずが


自分の弱いところ、情けないところを
見せまい!と あっちに行くよう伝えてる…


しっかりと伝わったよ。



脳では血縁関係が無かったことに
なってるけどきっと、
心では分かってるんだなって。



そしたらそのベテラン看護師さんも



おばあちゃん、分かってるんだよ。
本能でしっかり分かってるだよ。



そう言ってくれた。


認知症になると、
頭では忘れちゃうことも
本能ではしっかり忘れず記憶してくれてる



その事がこの時はっきりと分かったので、
今後はどんなに祖母が私の事を
理解できていなくとも
全てを受け入れようと思えたんだ。


それにしてもあのときは
自分の無力さを痛感したな…。


それと同時に祖母の生きる力を
見せて貰った。



面会時間が過ぎているのを気にした私に
こんな状態だと帰れないですよね…
気にしないで居て良いよと
言ってくれた別の看護師さん。



この二人には
とても安心して祖母を任せられた。


つづく