空手と武器術 | 古伝琉球武術伝承会/TSKjapan(西横浜)

「空手と琉球古武道(武器術)は車輪の両輪、合わせて修行するべし」と唱える空手の先生がいます。

筋トレと有酸素運動の組み合わせのように「一緒にやったほうが運動効果は高いよ」程度の意味でしたら賛成しますが、武術の根源的な意味から言っているのであれば大変な間違いです。

そもそも、空手(当時は唐手)は士族階級に伝えられ、武器術は農民や漁民に伝えられたものです。この2つの技術が交流を持つのは近代に入ってからです。

補足すると、18~19世紀の琉球士族のメインとなる武器は槍や弓、そして刀などです。本土の武士とそれほど違いはありません。

多数対多数が殺し合う戦場では、トンファーやヌンチャクは明らかに殺傷力不足ですよね。しかし、一般人のトラブル回避用としては効果的です。

 

中国では拳法と武器術を包括して伝承している流派が多く、その事を知った先生方がこんな事を言い出したのだと思いますが、多少勉強不足です。

 

TSKjapanで唐手と武器術を同時に稽古しているのは、このように体系的に必要だからではありません。単に伝承の為です。

そもそも琉球の武器術は個人芸の域を出るものではなく、唐手のように体系付けられてもいませんでした。明治12年の琉球処分や昭和20年の沖縄戦を経て失伝しなかった事自体が大変な奇蹟なのです。

現在、空手道場で稽古されている武器術の多くが近代の空手との交流から創られたものである事を考えると、偶々学んだとはいえ、この古伝の技を何とか消さずに伝えて行きたいと願っています。