今回のこのタイトルのシリーズ、クローマ(ピッチカラー)の話を避けていました。
クローマはピッチそのものの「色」ですね。
日本語にはこれに当たる適切な訳語はないです。
「音色」にそういう意味は持たせにくいので。
ただ、絶対音感の本来的感覚としてはこれが一番大事だとは思います。
視覚上の色が直感的で他の色との比較しなくても明らかにその色が分かるように、クローマもそのピッチの感じ、雰囲気として他のピッチとの比較なしに直接的に感じられるものです。
ロングトーンをじっくり記憶していく訓練とは別に、12音それぞれのクローマをじっくり感じてみるのも好い訓練です。
クローマの感じ方は個人差が大きく、他の人と同じになる必要はありません。
自分にとってどんな感じか、が重要です。
12音は平均律の鍵盤で構いません。
取り敢えず12分割で感じられるようになれば、間の音もグラデーションとして分かるようになるので問題ありません。
平均律の絶対音感者が、、みたいな意見は概ね的外れです。
相対音感が弱いことによる調整の効かなさは一部あるかもですが。
その場合は受動、能動の相対訓練をしっかりやれば解決します。
クローマを共感覚的に色彩で感じる場合はそれを意識するのも好いです。
ピッチそのものの硬さ、柔らかさで感じる人もいるでしょう。
匂いで感じる人も、もしかしたらいるのかもしれません。
CはCっぽい感じがするというトートロジー的な感覚もありです。
クローマが意識されると音楽の聞こえ方もより色彩感豊かに感じられるかも。
ちょっとじっくりピッチそのものを味わってみることで楽しみが増幅することと思います。