採譜や採譜に近いアレンジもちょくちょくお仕事作業としてやります。
実は採譜作業が、結局は一番の実践的なイヤートレーニングになるんじゃないかと思います。
そういえばモーツァルトは一回コンサートで演奏を聴けば、家に帰って全曲譜面に起こすことができたそうです。
それはちょっと凄すぎますが、聴き取る力と記憶力が最高に発揮されればそれも可能なのでしょうね。
普通は採譜するときは同じ音源を何度も繰り返し聴きます。
メロディをはじめ色々なラインを横で聴いたり、コードネームをつけるためにタテで聴いたり、あるかないかが微妙な音を頭の中で想起しながらその音を確かめたり、色んな聴き方をします。
この作業を繰り返していると、細部の情報がどんどん聴きとれるようになります。
最初のうちはメロディとベース、オブリガート、バッキングのコードの一番上の音のようなわかりやすいものが聞こえ、狙って聴いていくうちにコードの内声も聞こえてきます。
和音の内声は最初取りだしにくいかもしれません。
でも繰り返し聴きながら既に聞こえている音の間を探すと聞こえてきたりします。
元の音情報が同じでも、どこに意識を向けるかで本当に聞こえ方は変わっていくものです。
基礎的なトレーニングと並行して、採譜を数小節だけでもやると、とっても実践的な耳になると思います。
ぜひ気に入った曲でお試しください。