日本で初めて截拳道（せっけんどう）からジークンドーと伝わったきっかけ？！

本日はジークンドーにまつわるお話です！

元会員番号3番小橋健一郎です！

今回から7回に渡って超貴重な内容を公開させていただきます！

昔、格闘技通信という雑誌がありました。

1986年～2010年の24年に渡って発刊されていた格闘技専門雑誌です。

1990年代には打撃系格闘技イベント「K－１」登場してから大いに盛り上がっていた雑誌でもあります。

1988年（昭和63年）3月号に

リズミックボクシング創始者TUこと「内野隆司」が紙面に登場します！

これが、日本で初めてジークンドーという

謎の格闘技について紹介される第１回目の連載となるのでした！

今回はその第１回目に掲載された内容をそのままご紹介したいと思います。

※右の下に新・連・載・ジークンドーとありますね。

「ジークンドー(JKD)

それは格闘技の革命児なのか？！」

第1回イントロダクション

ブルース・リーが創った拳法として、ジークンドーの名はアメリカはもちろん日本でもかなり知られるようになってきた。日本では截拳道(せっけんどう)と記されることが多く、あるいはこちらの方が通りがいいかも知れない。しかしこれはまったく同じ格闘技を指したものであり、截拳道を広東語で発音すると〈Jeet Kune Do〉、すなわちジークンドーとなるのだ。またその頭文字をとって、JKDともそれは記されたり呼ばれたりする。

では、ジークンドーとは一体どんな格闘技なのか？

こうした問いかけに対して、日本はもちろん本場アメリカでも、ハッキリ答えられる人はそう何人もいないだろう。なぜならそれは絶えず“ 変化”するものであり、技術体系も人によって一定していないのだ。しかもその根底をなすコンセプト(概念・思想)は、格闘技の枠を超えて、広く“生き方”全般にまで影響を及ぼす。とにかく独創性にあふれており、捕らえどころがない。格闘技の“革命児”とも称されたりするのは、まさにこうした不可解さに起因するといえよう。

そんなジークンドー(JKD)に真正面から取り組み、技術体系や具体的な格闘テクニックはもちろん、その根底に流れるコンセプト、ひいては本質に深く迫ろうとするのがこの新シリーズだ！

新シリーズ

ジークンドー(JKD)とは何なのか？

ブルース・リーが伝えたかった思想とは？

格闘技のワクを超えたその独創性に迫る！

What is Jeet Kune Do

◆名前の由来に見る、その基本思想

何故ブルースは、自分が目指した武術をジークンドーと名付けたのか?

すでに知っている方も多いだろうが、ブルースがそれまでに身につけていた武術(これを“ジュンファン”という)は詠春拳をベースにしてできていた。この拳法は中国南派準備の一つであり、その特長はカウンター攻撃にすぐれていることだ。すなわち、相手の動作をストップまたはインターセプトして反撃に出ることを身上にしている。

そこでブルースは、自分の武術を英語で説明するにあたり(ザ・ウェイ・オブ・インターセプティング・フィスト〉と言ったのである。そして同様の意味を漢字で表したのが《截拳道)。つまり“蔵” はインターセプトを意味し、“拳” はフィスト、"道"はウェイというわけである。

これを広東語で読んだのが“ジークンドー”であることは冒頭で述べたが、ここで大切なのはその基礎をなすインターセプト”の概念についてである。

すなわち、それは単に相手のパンチやキックを遮断することだけを意味しているのではない。動き、思考、意志、流派など、自分に立

ち向かってくるすべてのものに対してのインターセプトを意味しているのである。

「教師は真理を教えるのではなく、生徒を真理に導いてやるものだ」「人間はすべて体格、体質、性格、気質などが異なっている。したがってその武術も当然違ってこなければならない」

「万物すべてが変化するように、武術もつねに変化しなければならない」

これらはすべてブルースが語ったことだが、とにかく彼はつねに進歩することに努力し、個人の無限の可能性を引き伸ばすことに一生懸命だった。

そして彼は、ジークンドーを通じてこれを実践しようとしたのである。つまりジークンドーとは、格闘技のワクを超えて、人間がどのように進歩し向上していくかという方法を示した、すべてに通じるベーシックな考え方なのである。

(ちなみにこれは“ジークンドー・コンセプト”と言って、ジークンドーを修行する者にとっては最も重要で不可欠な基本概念である)

したがってジークンドーを研究する者は、つねにあらゆるものから解放されていなければならない。そして自分に合ったものはすべて吸収し、不用になったならば中心からそっとはずす勇気を持たなければならないのである。

◆人によっても時間的にも固定していない格闘技

ブルースは、自分に足らないものを見つけどんどん吸収していった。

その手法は、詠春拳を中国南派拳術とボクシングから。足技は中国北派拳術、テコンドー、サバット、ムエタイから。投げ技や関節技は、インドネシア武術のシラット、レスリング、柔術、合気道、中国拳法の擒拿術から。さらに武器法をフィリピン武術のカリや琉球古武道から。なんとフェンシングや日本の居合いまで研究して、彼はその格闘技を完成へ導こうとしたのである。このように、ジークンドーを修行する者は、それぞれの個性に応じて各自のジークンドーをつくり上げていかなければならない。分かりやすく言うと、たとえばこんな具合だ。

AさんとBさんがジークンドーを一緒に始めたとする。彼らはまずボクシングをやり、次に詠春拳をやり、そしてレスリングにもトライ。こうしていろいろな武術を学んでいくわけだが、その結果A さんとBさんが、同じようにそれぞれの武術をマスターしなければならないということは全くない。つまりAさんとBさんは、体格や性格の違いなどによって、自分にあったものをより多く吸収すればいいのである。

TUとリック・フェイが実技を交えてジークンドーについて7回に渡って連載しています。

1991年12月にTSD KALIをオープンする前の貴重な資料ですね。

第2弾もお楽しみに！

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