JKD/KALI® JAPAN 武術アカデミー 【リズミックボクシング®・TSD KALI®】

JKD/KALI® JAPAN 武術アカデミー 【リズミックボクシング®・TSD KALI®】

ブルース・リーの高弟ダン・イノサント師父の公認インストラクターが3名在籍。現在も直接指導を受け、進化し続けるJKD/KALI®を伝える日本唯一の常設ジム。健康・護身・フィットネス・自己成長を通じて、自分らしい成功を育む場所。

【初公開|歴史を伝える貴重な記録】ダン・イノサント師父日本公式セミナー映像 ― 第1弾 ―皆様こんにちは、TSD KALI創世記メンバー元会員番号3番小橋健一郎です。今回、長年大切に保管されてきた貴重な映像を、初めて公開いたします。




映像の中で、ダン・イノサント師父の相手を務めているのは、
リズミックボクシング®創始者・内野隆司(TU)。
内野隆司は、ダン・イノサント師父を
日本の大阪へ1986年9月14日来日してもらい、日本初の「ダン・イノサントセミナー」を主催し、その技術と哲学を日本に伝える機会をつくってきました。

そして当時19歳だった私、小橋健一郎も、その歴史的な場に立ち会い、すぐそばで師父の技術とTUの姿を目に焼き付けていました。
時代が変わり、さまざまな情報が語られる今だからこそ、私たちは言葉で争うのではなく、当時の映像や資料という「記録」を通して、歴史を正確に残していきたいと思います。

誰が、いつ、何をしてきたのか。
その答えは、残された記録の中にあります。

TSD KALIの歩んできた歴史を、これから少しずつ公開していきます。

第2弾、第3弾へ続く

 

【貴重な歴史資料】

JKD/KALIを深掘る最終回(第7弾)!「休息と瞑想」がもたらす意識の拡大と、ジュンファンの技法

 

皆様、こんにちは!

TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

『格闘技通信』に掲載された歴史的な連載を振り返るシリーズ、いよいよ最終回となる第7弾(昭和63年1988年9月号/通巻NO.22)をお届けします! (※今回はジュンファンの技術解説の中で、ヒロ渡邉氏も登場しています)

1991年12月に私たちが大阪駅前第3ビルに「TSD KALI」をオープンする直前、師匠である内野隆司代表(TU)が日本の武術界に向けて発信し続けた連載の結びとなります。じっくりとご覧ください。

🧘‍♂️ 活動の質を決める「休息」と「瞑想」の重要性

これまでの連載では、技術、スピード、タイミング、アトリビュートといった「活動的側面」について科学的なトレーニングシステムが紹介されてきました。しかし、どれほど活動だけに集中しても、それだけでは真の意味での自己の可能性や、自らが作り上げた「拘束」という鎖から解放されることはできません。

日本には古くから「根性・根性」で肉体的・精神的極限まで自分を追い込むことが美徳とされる風潮がありましたが、休息が欠ければ疲れとストレスがたまり、注意力や思考力が低下して逆効果になってしまいます。 ブルース・リーが圧倒的な動きと素晴らしい考えを持っていたのは、彼が「休息と活動のバランス」の重要性を認識し、深い休息法を知っていたからです。植物にたとえるなら、根が深く広く広がっているほど多くの樹液(エネルギー)を得られるのと同じです。

 

JKD/Kaliグループでは、最も深い休息を得る方法として「瞑想」を勧めています。 瞑想によって脳を最も純粋なレベル(仏教でいう「無」の状態)まで持っていくことで、脳が最も活性化され、意識を拡大させて真理を見出すことができます。武術としてのJKDはあくまでそのための「手段」であり、この手段を通して自己を確立することが究極の目的なのです。

だからこそ、「自分たちが一番優れている」といった他を否定する排他的な考えは、自らの意識を拘束し、自滅を招くだけです。手段は何であれ、すべての道は真理へと通じています。

⚔️ 最終回を飾る実践テクニック:ジュンファンとカリの流動性

技術解説の最終回では、エンプティハンド(ジュンファン)とカリのスティックファイトの一連の流れが紹介されています。

  1. ジュンファンの動き

    • リードジャブに対して先制攻撃をしかけ、相手のパリィをパックサオで下方に招きながら、ジュンファン・ウィンチュンのグワッチョイ(裏拳打ち)を顔面に叩き込む。

    • さらに相手の意識が上方に向いた隙に、大腿部にニースラストをぶち込んでバランスを崩させ、フォワード・エナジーに乗せたエルボーストライク(ヒジ打ち)へとつなげる。一連の動作に無駄がなく、超スピードで相手を制圧します。

    • ジュンファン

  2. カリのスティックファイト

    • 相手のNo.1アングルからの攻撃に対し、体さばきと同時にインサイドスウィープで防御。同時に相手の手をストライクし、流れのまま脇腹への攻撃と足踏みによる封じ込めを行います。

    • アガオ(スティックを取り去る技)のなかの「カウンター・クロックワイズ・スネイク」という技法で相手の右手を不動にし、最後はのど元への差し込みとテコの原理で後方へ倒して制圧します。

    • かぃ

これらの一連の流れは、決してその場しのぎで考えるものではなく、状況に応じて自然に変化し、無限の可能性を自らのものとするためのものです。

金沢で同好会として活動していた頃、この総合デモンストレーションのビデオを必死に覚えて、見学に来た方々に「ジークンドーとはこういう練習をします」と見せていた若き日の思い出が鮮明によみがえります。

こうして1〜7回までの記事を改めて読み返してみると、自分自身気づくことが本当に多く、今のリズボク・TSD KALIのすべての教えがここに繋がっていることを強く実感せずにはいられません。

今となっては大変貴重な『格闘技通信』の資料はまだまだ他にも眠っているかもしれませんので、また折を見てアップしていきたいと思います!

どうぞお楽しみに!

JKD/KALI武術アカデミー

【貴重な歴史資料】
JKD/KALIを深掘る第6弾!
ジークンドーの核心と必須科目「ジュン・ファン」の真実

 

皆様、こんにちは!

TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

『格闘技通信』に掲載された歴史的な連載を振り返るシリーズ、今回は第6弾(昭和63年1988年8月号/通巻NO.21)をお届けします! (※1991年12月に大阪駅前第3ビルへTSD KALIをオープンする直前の時期です)

 

今回はシリーズの総まとめとして、世間の誤解を解きながら「JKDの真の目的」と、ブルース・リーが残した必須科目「ジュン・ファン」の全貌に迫ります。

🎯 JKDの究極の目的とは何か?

これまでの連載を通じて、JKDが科学的かつ合理的な練習体系を持っていることが語られてきましたが、その本質について改めて明確に定義されています。

  1. 何が自分にとって必要なのかを、世の中のすべての事柄の中から探し出すこと。

  2. それらを利用し、いかに自分というものを向上させるか。

つまり、ゴールそのものではなく、「ゴールへ行きつくための方法や過程(プロセス)」こそがJKDです。 だからこそ、他者の流派やドリルとどちらが強いかなどという低レベルな比較はナンセンスであり、JKDは決して他者を批判しません。練習者同士が互いの脳と肉体を通しかみ合うことで、長所や短所を発見し、共に発展していくことが求められます。

世間には「ブルース・リーの死とともにJKDは消滅した」といった偏った情報や、ダン・イノサント師父を愚弄するような声すら存在しました。しかし、イノサント師父こそが、ブルースが伝えたJKDの最高の理解者であり、さらに発展させた最大の功労者です。 ブルースの動きをただの「ものまね」に終わらせず、指導を受けながらも自己発見と発展を続けること――それこそが真のJKDの姿です。

 

🥋 必須科目
「ジュン・ファン」と3つのパーツ

JKDという真理に達するための、ブルースが残した道しるべ。それが修行者にとっての必須科目「ジュン・ファン」です。 ジュン・ファンのテクニック体系は、大きく以下の3つのパーツに分かれています。

  • ① パンチングとキッキング

    • ジュン・ファン・詠春拳、ジュン・ファン・ウェスタンボクシング、25派の南北中国武術、ムエタイ、サバット、そしてブルースのオリジナルを含む「ジュン・ファン・キックボクシング」など。それぞれをブルース流にアレンジしたものです。

  • ② グラップリング(投げ・関節極め・締め)

    • 日本の柔術、中国の擒拿(チンナー)、西洋のレスリングで構成されています。

  • ③ ウェポン(武器術)

    • 第一に「フィリピノ・カリ」がきます。ブルースのあの素早い動きは、実はナイフ・スパーリングのたまものでした。他にも琉球古武道、居合道、フェンシングなどが含まれます。

また、攻撃動作における6つのパターン(アタック・バイ・コンビネーション、シングル・アングル・アタックなど)や、得意としたジー・テクニックによるインターセプティングなど、非常に高度な体系が組まれています。

📈 修行者の道しるべ「ジュン・ファン・プログレッション」

武術を学ぶ上での進歩のプロセスとして、以下の3段階(ジュン・ファン・プログレッション)が示されています。

  1. 第一段階(核心への忠実): 不満や反感を抱かず、物事の中心・中軸となるものに素直にすべてを吸収しようと努める時期。

  2. 第二段階(解放): その核心や中軸から解放され、吸収したものをいったん捨て去る時期。

  3. 第三段階(独創と自由): 初心に戻り、新たに独創的なものを造り上げ、自由となる時期。(※この段階で第一段階を振り返ると、また新たな良さが発見できることもあります)

このプロセスは、JKDコンセプトと同様に、修行者にとって極めて重要な羅針盤となります。
ジークンドー截拳道ビデオジークンドー截拳道ビデオ

金沢で同好会として活動していた頃、このビデオ(リック・フェイ、内野隆司、グレック・ネルソンによる総合デモンストレーションの演武を必死に覚えて、「ジークンドーとはこういう練習をします」と見学者や色々な場所で披露していました。
言葉で長々と言い訳するよりも、実際の動きを見せる方が圧倒的に伝わると信じてやっていましたね(笑)。
 

「説明より実際に見てもらうのが早いと思って、必死に覚えた動画」↓

 

TUがLAで学び、積み上げてきた本物のジークンドーの歴史。

 

 次回はいよいよこの大人気シリーズの「完結編(第7弾)」をお届けします。どうぞお楽しみに!

 

JKD/KALI武術アカデミー

【貴重な歴史資料】
JKD/KALIを深掘る第5弾!「脳を活かした科学的トレーニング・アトリビュート」の真髄に迫る!

 

皆様、こんにちは!

TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

『格闘技通信』に掲載された歴史的な連載を振り返るシリーズ、今回は第5弾をお届けします! (※昭和63年1988年7月号/通巻NO.20の誌面です)
格闘技通信 前田日明 カールゴッチ

前号までの練習体系に続き、今回はJKDにおける科学的トレーニングの裏付けである「アトリビュート(個人の特質)」、そして実践的なセンシティビティ・ドリルである「ロック・フロウ」について深掘りしていきます。

JKD ジークンドー

🧠 脳を100%活かすトレーニング「ジークンドー・アトリビュート」

人間と猛獣の最大の違いは、何と言っても「高度に発達した脳の存在」です。ただ本能のままに汗を流したり、やみくもに反復練習やウェートトレーニングを繰り返すだけでは、武術の真の目的である「無限の可能性」に到達することはできません。

JKDでは、各個人の個性を形づくる特質を「アトリビュート」と呼び、これを21の項目に分類して指導しています。

【21のアトリビュート項目】 (1)知覚 (2)敏感度(感覚) (3)適切な精神態度 (4)身体機能 (5)耐久性 (6)フットワーク (7)スピード (8)パワー (9)タイミング (10)コーディネイション (11)バランス (12)間合い (13)機敏性 (14)スタミナ (15)コンディション (16)柔軟性 (17)リズム (18)正確性 (19)爆発性 (20)連続性 (21)メディテーション

誌面では、これらの中からいくつかの重要な項目とトレーニング方法が解説されています。

  • 知覚: 相手の行動を目で見る能力。ナイフスパーリングなど多彩なスパーリングで養います。

  • 敏感度(感覚): 相手から伝わるエネルギーや意志を肉体・心で感じる能力。フーバやチーサオなどのセンシティビティ・ドリルが最良です。

  • 身体機能(ボディメカニック): 自身の身体の状態を常に把握し、無駄なエネルギーをなくす能力。長さや重さの異なる多様な「武器トレーニング」が最適です。

  • リズム: 格闘技においても相手のリズムを崩すために多様なテンポが必要。音楽を聴く、楽器を演奏する、ダンスを表現する、スピードバッグを叩くなどして養います。

こうした細かなアトリビュートを理解し、脳を十分に活用してトレーニングを行うことこそが、JKDが極めて科学的かつハイレベルなシステムである証拠なのです。

🔗 関節技のセンシティビティ・ドリル「ロック・フロウ」

前回の「エンプティ・ハンドでのセンシティビティ(フーバなど)」に続き、今回はカリの中にある関節技を用いたドリル「ロック・フロウ」が紹介されています。

関節技は相手が抵抗すると通常はなかなかかかりませんが、このカリのロック・フロウ・トレーニングを積むと、おもしろいほどスムーズにかかるようになります。その理由は2つあります。

  1. 相手のエネルギーを感じて技をかけ、変化させるから。

  2. 関節をとる前に、目突き、ヒジ打ち、蹴りなどの「当て身技」を入れるから。

誌面では、相手のジャブに対してフィンガージャブやパンチで崩し、下方向・上方向へのエネルギーの抵抗を利用しながら、フィギュアフォー・アーム・ロック、リバースリストレバー、そして最終的にテイクダウンへと流れるように連続していく高度な攻防が解説されています。 (※この技術は、3年前のTUスペシャルレッスンでナイフの技術としても会員の皆様にご提供させていただいたものです!)

 

9割以上の会員様がダイエット目的であるリズボクの通常レッスンではここまで行いませんが、リズボクやTU KALIには、ジークンドーに必要なアトリビュートの数々がしっかりと網羅されています。

 

金沢で同好会として活動していた頃、ビデオのデモンストレーションを必死に覚えて見学者や色々な場所で披露していた懐かしい思い出が蘇ります。

言葉で説明するよりも、実際の動きを見せるのが一番伝わりましたからね(笑)。

 

TUが学んだLA時代のジークンドーの神髄がここにあります。
ジークンドー アームロック
 それでは、次回第6弾もお楽しみに!

 

JKD/KALI武術アカデミー

 

 

【貴重な歴史資料】

JKD/KALIを深掘る第4弾!個々の違いを重視した「科学的トレーニング体系」に迫る

皆様、こんにちは!

TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

『格闘技通信』に掲載された歴史的な連載を振り返るシリーズ、今回は第4弾をお届けします! (※前田日明氏が表紙を飾った、昭和63年1988年5月号/通巻NO.18の誌面です)

前号でのスピード理論に続き、今回は「JKDの練習方法と、その理論体系」について深く掘り下げていきます。

💡 科学的なトレーニングを成し遂げる意志こそが「根性」

日本のスポーツ界には、かつて「根性」という言葉のもとで、精神論に頼った非科学的な練習方法を押しつける伝統がありました。しかし、そうした極限状態で力を発揮できるのは限られたエリートだけであり、科学的裏付けのない根性は往々にして空回りに終わります。

ジークンドー(JKD)において、自己の限界を超えようとする意志はもちろん素晴らしいものとしながらも、「科学的なトレーニングを成し遂げる意志」こそを真の根性と捉えます。性別、年齢、体格などの差異(条件の違い)を無視せず、個性に合わせた練習方法を行うためのベースとなるのが、JKD独自のトレーニング理論です。

🏃‍♂️ JKD独自の5段階トレーニングステップ

誌面では、実践的な強さを養うためのステップとして、以下の5つの段階が体系的に解説されています。

  1. 導入練習

    • 基本の突き・蹴り。各自であらかじめこなしておくべきものであり、ジムではチェックする程度にとどめます。

  2. フットワーク・トレーニング

    • JKDでは、間合い(距離)をとるための「フットワークこそがすべての武道の基本」と考えます。V字やT字型などの秩序ある足の動きをマスターし、そこに無駄のない単演の技やイメージトレーニングを組み合わせていきます。

  3. インパクトトレーニング

    • 宙を突く練習から、実際にミットやタイパッドを使って「物を叩く」練習へと移行します。物当てによる体のバランスのとり方や持久力を養いながら、受け手が細かな欠点を矯正していく重要な段階です。

  4. フローチャート式練習方法(※JKD最大の特徴)

    • いきなり100%のフリー・スパーリングを行うのではなく、恐怖心や特定の技への偏りを防ぐために行われるJKD独自のユニークな練習法です。

    • 4つの間合い(突き、トラッピング、蹴り、レスリング)のうち、特に「トラッピングの間合い(相手との接点)」を中心に、型にはまらない流動的かつ秩序ある状況を作ります。

    • エンプティハンドでは「フーバ」、チーサオ、カリでは「シンブラタ」と呼ばれるドリルを取り入れます。(※今でこそ理解して実践できるこの動きも、当時は何をしているのか全く分かりませんでした。TSDカリに入会してJKD/KALIビデオ(日本初のJKD/KALIハウツービデオ)のオープニングが「フーバ」だと分かった時は本当に感動しました!基本のフーバからのウェッジチェンジ、ボンサオ、パクサオ、ウェッジ(ビルジー)のドリルが行われています。)

    • この練習により、「安全である」「長時間できる」「創造性が養われる」「接近戦に強くなる」など、数多くの大きなメリットが生まれます。

  5. スパーリング

    • プロテクションをつけ、リードサイドから徐々にスピードを上げ、最終的に自由なフリースパーリングへと進みます。特にナイフスパーリングは、あらゆるスピードを養ううえで極めて効果的です。

ブルース・リーはその圧倒的な才能によってこれらを自然に行ってきましたが、この練習体系を理論立てて構築したのがダン・イノサント先生です。

当時は誌面を見ても何をしているのかチンプンカンプンだった技術が、今こうして自身の身体を通してすべて理解でき、実践できるようになったこと。その歴史の重みと、私たちが歩んできた道のりの正しさを改めて強く実感します。

 

それでは、次回第5弾もお楽しみに!

 

 

 

 

【貴重な歴史資料】JKD/KALIを深掘る第3弾!JKD独自の「スピード理論」と「カリ」の融合に迫る
 

皆様、こんにちは!

TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

『格闘技通信』に掲載された歴史的な連載を振り返るシリーズ、今回は第3弾をお届けします!

昭和63年(1988年)5月号の誌面で取り上げられているテーマは、格闘技において最も重要かつ奥深い「スピード」についてです。当時、モハメド・アリやシュガーレイ・レナードが観戦に訪れ、マイク・タイソンが東京ドームで試合をした熱気あふれる時代の空気感とともに、リズミックボクシング®創始者であり私たちの師であるTUこと「内野隆司」代表が、リック・フェイ氏と共に実技・解説された非常に濃密な内容となっています。

💡 JKDにおける「スピード」の細分化と進化

私たちは普段、何気なく「あの人はスピードがある」「スピードが足りない」といった言葉を使いがちです。しかし、ジークンドー(JKD)においてスピードは、単に「動きが速い」という一言で片付けられるものではありません。

1. ブルース・リーが定義した3つのスピード

元々、ブルース・リー自身はスピードを以下の3つに分類していました。

  • 物理的スピード: AからBへいかに速く移動するか(突き蹴りの速さなど)。

  • ビジュアルスピード: 相手の態勢やスキを「見て」読み取る速さ。

  • メンタルスピード: ビジュアルスピードに対応し、防御か攻撃か、どの技を使うかを選択する速さ。

2. イノサント師父による「7つの追加概念」

ブルース・リー亡き後、ダン・イノサント師父は自身の資質(瞬発スピードの天才であったブルースとの違い)に向き合い、「ブルースの概念だけでは行き詰まってしまう」として、さらにスピードを細分化・発展させました。

  • 瞬発スピード(判断した技を実際に行動に移す速さ)

  • 情況判断スピード(危険や相手の敵意をいち早く察知する速さ)

  • 触覚スピード(接触により相手のエネルギーを感知する速さ)

  • コンビネーションスピード、トラッピングスピード、体方向スピード、フットワークスピード

このようにスピードを細かく要素に分けることで、「自分にはどのスピードの要素があり、何が欠けているのか、どんなトレーニングが必要なのか」を的確に分析・指導できるよう体系化されているのです。これこそが、JKDが常に進化し続ける所以に他なりません。

⚔️ JKDとフィリピノ・カリの密接な関係

JKDの戦闘理論における最強の概念「インターセプト」は、フィリピノ・カリにおける「ディストラクショング(破壊)」と完全に同一の思想です。相手の手足を崩し、攻撃力を奪った上で中心部を破壊する――。この2つはまさに「自転車の両輪」のような関係にあります。

誌面では、護身としても極めて実用的な「ポケット・スティック(タバック・マリット)」や「ナイフ・ファイティング」の攻防の一例も紹介されています。

  • 相手の攻撃のエネルギーや方向を接触した手で感じ取り、無駄な抵抗をさせずに「不動の状態」に持ち込んで制圧する。

  • ナイフを用いたスパーリングや素手のさばきを通じて、単なる力のぶつかり合いではない、高度な判断力や機動性を養う。

相手をただ傷つけるのではなく、致命傷を避けつつ無力化して「最後通告(ギブアップ)」を促すというアプローチは、現代の護身や人命尊重の観点からも非常に重要な意味を持っています。

🎯 スピードを育成する実践的トレーニング

スピードの種類に合わせて、JKDでは以下のような体系的なトレーニングが行われています。

  • ビジュアルスピードの練習:

    • 相手の動きを見抜く「シンブラタ」や「フバット」といったフローチャート式のスパーリング。

    • わずかな接触でもダメージを受ける「ナイフ・スパーリング」は、ビジュアルだけでなくメンタルや瞬発力も養う総合的なトレーニングになります。

  • メンタルトレーニング: カリのウェポン(武器)トレーニングやサイン・リアクションなど。

  • 瞬発スピードの練習: 壁に向かい、後ろから不規則に照らされる懐中電灯の光に素早く反応する「ライト・リアクション」や、スティックを用いたスパーリング。

私自身、この「スピード」に関する深い理論や細分化されたアプローチについて、直接TU(内野隆司代表)から聞いて学びました。武術・格闘技を極める上で、この概念の深さは計り知れません。

表面的な速さの裏にある、緻密な分析と進化の歴史。 私たちが受け継いできた教えの深さを改めて実感させられます。
 

それでは、次回第4弾もお楽しみに!
 

 


【貴重な歴史資料】JKD/KALIを深掘る第2弾!
ブルース・リーのコピーではJKDにならない理由とは?

皆様、こんにちは! TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

前回に引き続き、1988年(昭和63年4月号)の『格闘技通信』に掲載された、日本におけるジークンドー黎明期の貴重な連載から、第2弾をお届けします!

今回は、リズミックボクシング®創始者であり私たちの師であるTUこと「内野隆司」代表が、リック・フェイ氏と共に実技・解説された内容の中から、「ブルース・リーのコピーではJKDにならない理由」について深掘りしていきたいと思います。

💡 ブルース・リーをコピーしてもJKDにならない理由

ブルース・リーがこの世を去ってから、彼の遺産であるジークンドー(JKD)の体系と思想は、優れた継承者たちの手によって今なお進化発展を続けています。

しかし、ここで大きな勘違いをしている人が少なくありません。 映画の中で見せた研ぎ澄まされた肉体美、派手な技法、圧倒的なハイスピード――。そうした「表面的な現象面」ばかりを追いかけ、ブルース・リーをそのままコピーすることがJKDをマスターすることだと錯覚してしまうのです。

しかし、師である内野代表らが当時から伝えていたように、JKDとは単なる突き蹴りなどの技術体系を超えたものであり、「真理」を見つけ出すための手段であり思想(道)なのです。

 

🌊 「川を渡る」という本質的な比喩

ここで、JKDの真の目的を分かりやすく示す有名な比喩があります。

「広い川が流れている。この川をひとりひとりがボートに乗って渡るのである。ブルース・リーはすでに対岸に渡りきった先達といえるだろう。我々はまだ川のこちら側にいる。」 「川の流れは絶えず変化し、一刻たりとも同じ姿を見せることはない。ならばブルースの渡った航跡をそのまま正確になぞるなどということが、いかに困難か、あるいは不可能であり、また無意味であるかが理解できるだろう。」

大切なのは、誰かの航跡をそのままなぞることではありません。 それぞれの与えられた川の状況(環境や自身の身体)に合わせて、自分にぴったりあったボートを手に入れ、それぞれの航路を見つけ出すこと――これこそがJKDの道です。

ブルース・リーの後ろ姿やカッコよさだけを追い続けることこそ、彼が最も恐れていたことでした。 JKDの目的とは、型にとらわれることなく、それぞれの個性を生かしながら「意識の拡大(世界観を広げること)」を目指すことにあります。

🧠 「意識の拡大」とは何か?

ブルース・リーが生涯をかけて実践したこと。それは、西洋哲学から東洋古典、音楽(ポピュラー、ジャズ、クラシック)、演劇、美術、栄養学、料理に至るまで、あらゆる分野のエッセンスを貪欲に吸収し続けることでした。

なぜ、これほどまでに多岐にわたる分野に挑んだのか? それは、この世界のあらゆる事象に共通する「真理」や「原理」をさまざまな角度で捉えるためです。異なる分野で得た体験とエッセンスこそが意識を拡大させ、それらがそのままJKDという武術、そして日々の生活の中での実践に生かされていました。

 

これこそが、ブルース・リーが言うJKDの究極の目標、「自己を発見する」ということなのです。

表面的な「型」や「技」の模倣に囚われず、自らの身体と向き合い、意識を拡大させながら進化していく。 私たちが内野代表から受け継ぎ、今なお「TSD KALI」や「リズボク」の中で大切にし続けている原点が、この1988年の誌面にはっきりと刻まれています。

 

 

 

 

次回、第3弾もお楽しみに!

 

 

JKD/KALI武術アカデミー

【貴重な歴史資料】
1988年『格闘技通信』に日本初登場!内野隆司代表が伝えた「ジークンドー」の真実とは?

 

皆様、こんにちは!
 TSD KALI 創世記メンバー、元会員番号3番の小橋健一郎です。

以前にジークンドーを深堀ということで掲載していた内容を再度リメイクしながら皆様にお伝えしたいと思い、初心に帰り気づいたことも含めて第7弾までお伝えしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

 私たちが歩んできた歴史の原点に迫る、非常に貴重なお話をさせていただきます!

かつて、1986年から2010年まで日本の格闘技界を牽引し続けた専門雑誌『格闘技通信』がありました。1990年代のK-1ブームなど、熱い格闘技シーンをリアルタイムで支えていたあの雑誌です。

格闘技通信、ジークンドー

実は、今から遡ること1988年(昭和63年3月号)の紙面に、リズミックボクシング®創始者であり、私たちの師であるTUこと「内野隆司」代表が誌上に登場しました。

これは、日本において「ジークンドー」という当時まだ謎に包まれていた武術が紹介された、歴史的な記念すべき第1回目の連載でした!

当時、その連載の中で語られていた「ジークンドーの本質」とは何だったのか。私自身の言葉を交えながら、そのポイントをご紹介させていただきます。

💡 「ジークンドー(JKD)」とは一体どんな武術なのか?

ブルース・リーが創始した拳法として知られるジークンドー(截拳道)。 しかし、当時の誌面でも語られていた通り、その実態は非常に捉えどころのないものです。なぜなら、ジークンドーは固定化された「型」ではなく、絶えず変化し、修行者の個性や生き方そのものにまで影響を及ぼす「コンセプト(概念・思想)」だからです。

1. 名前の由来と「インターセプト」の本当の意味

  • 「截(インターセプト)」+「拳(フィスト)」+「道(ウェイ)」

  • 単に相手のパンチやキックを遮断するだけではありません。動き、思考、意志、流派など、自分に立ち向かってくるすべてのものに対する「インターセプト(迎撃・捕捉)」を意味しています。

  • ブルース・リーの言葉に「人間はすべて体格、体質、性格、気質が異なる。したがってその武術も違ってこなければならない」とあるように、ジークンドーとは、格闘技の枠を超えた「人間がどのように進歩し向上していくか」を示すベーシックな思想そのものです。

2. 固定化しない、個人のための武術

ブルース・リー自身、詠春拳をベースにしつつも、ボクシング、北派拳術、サバット、ムエタイ、シラット、レスリング、柔術、合気道、さらにはフィリピン武術のカリやフェンシングに至るまで、あらゆる武術を研究・吸収しました。

だからこそ、ジークンドーを学ぶ者も、一つの型に囚われてはなりません。 例えば、AさんとBさんが一緒にジークンドーを始めても、それぞれの体格や性格に合わせて必要なものを吸収していくため、同じスタイルになる必要はないのです。
  「自分に合ったものはすべて吸収し、不用になったならば中心からそっとはずす勇気を持つ」――これこそが、ジークンドーの真髄です。
 

当時、TU(内野隆司代表)とリック・フェイ氏が実技を交えてジークンドーの奥義を全7回にわたって連載したこの企画。
1991年12月に「TSD KALI」をオープンするよりも前の、まさに日本のジークンドー黎明期における極めて貴重な資料です。

私たちが長年守り抜き、そして現在も進化させ続けている「リズボク」および「TSD KALI」の原点がここにあります。
 

次回以降も、この貴重な連載の軌跡を紐解いていきますので、どうぞお楽しみに!

 

格闘技通信、ジークンドージークンドーJKD

 

 

 

 

 

 

こちらも要チェック!

皆さん、こんにちは。
インストラクター小橋健一郎です。

先日開催されたKevin Lee氏をお招きしてのセミナー。
 その熱い教えの様子を、最新動画として公開しました。

Kevin氏の言葉で最も心に響いたのは、「武術は物理的な技術ではなく、何よりも『内側の鍛錬』と『身体構造の理解』である」という点です。

多くの人が、SNSで見かける派手な動きや、有名な技の模倣に目を奪われがちです。しかし、どれほど技術を詰め込んでも、自分の身体がどう機能しているかを理解していなければ、それは決して自分のものにはなりません。

動画の中で語られる「パズルのピースを埋めていく」という表現。 まさに、私たちが大切にしている「螺旋の進化」と完全にリンクしています。 一人ひとり違う骨格、筋肉、反応。それらを見つめ直し、自分だけの武術を作り上げていく過程こそが、本物の武術の醍醐味なのです。

表面的な「ジークンドーごっこ」から抜け出し、自分自身の身体と本気で向き合いたい方。
 ぜひ、Kevin氏の言葉に耳を傾けてみてください。

歴史ある系譜を受け継ぐ者として、私たちの旅は、これからも続いていきます。

リズミックボクシング®は、武術格闘技スポーツの身体操作を理解するための反復練習です。

見学体験お気軽に

 皆さん、こんにちは。

先日、ダン・イノサント師父の本拠地である「Inosanto Academy」のワールドワイド・インストラクターページに、日本から「TSD KALI」が正式に掲載されたという歴史的快挙をご報告させていただきました。

あの発表以来、本当に多くの温かい反響をいただき、私たちが1986年から一切のブレなく守り抜いてきた道が、

 

世界基準で正しかったことを改めて実感しています。

世界が「本物」と認めたその系譜は、決して過去の栄光に留まるものではありません。今この瞬間も、スタジオの中で、そして映像の中で、猛烈なスピードで進化し続けています。

本日公開された最新動画では、その「現在進行形の進化」を余すところなく捉えました。

 

成功者ほど「まだ半人前」と言う! ブルース・リーの哲学と一致する「AI時代の成功法・若い世代への伝言」【EP8 6th 鍔一郎】

 

 

表面的な「型」や「肩書」だけの模倣ではなく、リズムと呼吸、そして相手との流動的な物理的会話を重んじる私たちのスタイル。それこそが、世界最高峰が認めた理由そのものです。

偽物が淘汰され、本物だけが残る時代。 私たちはこれからも、最高の誇りと共に、自分たちの物語を全力で表現し続けていきます。

世界が認めた最新の映像、ぜひご自身の目で目撃してください!

 

見学体験お気軽に!