やはり、1時間ほど早く目が覚めた。
ドラマ『瑠璃の島』で憧れた鳩間島へ行く予定の日だ。
まずは天候と運行状況をチェック。
行きの便は運行するようだが、帰りが欠航の恐れあり。
もし帰りが欠航となれば、人口50人ほどの鳩間島で運良く宿が見つかったとしても、翌朝の便では石垣島に戻れず、明日の与那国行きの飛行機に間に合わない。
もちろん、こういう事態は想定済みだ。
台風で2日間とも石垣島に滞在するプランも用意してあった。
「予定通りに行かないのも旅の醍醐味じゃないか」
そう思いながら、ノーチェックの島に行くことにした。
小浜島。ドラマ『ちゅらさん』の舞台だ。
全話を見たわけではないが、再放送で何度か目にして雰囲気はわかる。
その程度の知識で十分だ。むしろ冒険感があっていい。
船は9時発。帰りは15時40分の便に決めた。
そう決めた途端、心が軽くなった。
朝食をゆっくりと楽しむ。
どうやら台風は沖縄を避けるコースをとるらしい。
よかったじゃないか。
食後、フェリーターミナルへ向かう。
マリヤシェイクを片手に、ほぼ定刻通りの船で小浜島へ。
40分ほどの船旅。
昨日の波照間便を思えば、これくらいは短い。揺れも穏やかだ。
竹富島を横目に、小浜島が見えてくる。
上陸すると、港に人影は少ない。レンタルショップの人も見当たらない。
辺りを見渡すと、港の目の前にいくつかの店が並んでいた。
一番端の店へ行くと、お姉さんが「どうぞどうぞ」と笑顔で迎えてくれた。
原付を借り、入ってはいけない場所やおすすめルート、
『ちゅらさん』ゆかりのスポットを教えてもらって出発。
島は小さい。
もしかすると、昨日の波照間島より小さいかもしれない。
手つかずの自然、ヤギと牛、そしてさとうきび畑。
島の中央にわずかな集落があるのみだ。
それでも、海の青さは格別だった。
やはり沖縄の海はどこまでも美しい。
『ちゅらさん』でえりぃたちが通ったシュガーロード。
風に揺れるウージ(さとうきび)の音が心地よい。
道を抜けると、こはぐら荘。えりぃの家だ。
中には入れないが、外から見ていると、あの一家の笑い声が今も聞こえてくるようだった。
おばぁ、恵文、そしてえりぃの家族たち。
懐かしい顔ぶれが浮かぶ。
その後、西大岳へ登る。
大岳も行くつもりだったが、暑さが厳しい。
暑さに弱い自分は、西大岳だけにした。
頂上からの眺めは素晴らしかった。
青い海を背景に立つ「ちゅらさんの碑」。
この景色を見るために来たんだと思えた。
次に海人公園へ。
目の前には西表島がくっきりと見える。
レンタルショップのお姉さんに教えてもらったランチスポットもあったが、場所が分かりづらく、昼食難民になるのも嫌だったので港に戻った。
レンタルショップの3階にあるハンバーガーショップでランチにする。
港を眺めながら食べる小浜バーガー。
肉厚でジューシー、ソースも絶妙で、パンの柔らかさも心地よい。
朝マックで始まった旅。ここでもバーガーだ。思わず笑ってしまった。
食後、再び島をぐるぐると回る。
何度も走るうちに島の構造がわかってきた。
たぶん次に来たら地図なしで走れるだろう。
かつてのコーラルアイランドリゾート跡地にあるコーラルビーチへ。
自由に入れると聞いて行ってみると、パトカーが停まっていた。
若い警官がいたので声をかけると、「パトロールです」と笑顔で返された。
小さな島での大変さを、冗談交じりに話してくれた。
そのあとトゥマールビーチ近くの東屋で休憩。
ウージが風に揺れる音が心地よい。
原付を少し早めに返し、港で海を眺めて過ごした。
やがて船が入港。
石垣島へ戻る。
夜は、昨日行った居酒屋へ。
「鳩間島、行けたんですか?」とお姉さん。
事情を話し、小浜島に行ったことを伝えると、「滅多に行かないからお店とか全然知らないんですよ」と笑う。
沖縄本島の方が詳しいんだとか。
そんなもんなんですね、と笑い合う。
小学校の遠足で竹富島に行った話や、ローカルな話題で盛り上がった。
「鳩間島はいつかリベンジしたいんです」と言うと、「明日から与那国島なんですね。また石垣島に帰ってきたら、与那国の話、ぜひ聞かせてくださいね」
そう言われて、またここに戻る理由がひとつ増えた。
お兄さんもお姉さんも感じが良く、料理も本当に美味しかった。
石垣島の夜が、また少し好きになった。
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