脱北者:海保に 衝撃 小型木造船でレーダー捕らえず?
北朝鮮籍とみられる男女4人が乗り込んだ船が漂着した事件は、日本海の警備を強めてきた海上保安庁に衝撃を与えた。事件後に付近の海域を捜索したが、他の不審な船は確認できなかった。ある幹部は「パトロールを行っている海域に入った後、ある程度の時間はあったはずなのに、捕捉できなかったことはショックだ」と話した。小型木造船のため、レーダーで気づくことができなかったとみられ、海保は警戒を強めるとともに小型船への対策を検討する。
海保は、99年の能登半島沖不審船事件をきっかけに、速力・航続距離を大幅に伸ばした高速特殊警備船を導入。11隻が就役し、日本海を中心に哨戒活動を続けている。また新潟県や福井県の原子力発電所にはテロ対策として巡視船を常駐させてきた。
巡視船は通常、半径約45~90キロの範囲を映すレーダーを使って不審な船がないかを捜索している。しかし、船の高さが低い船や小型木造船はレーダーに映りにくい。漂着船は、長さ約7・3メートル、高さ約1メートルと小型だったため、捕捉できなかったとみられる。
今回の漂着船は事件後の海保の捜索でも大型の母船の影がなかったため、小型船は単独で青森県に漂着したとみられる。海保幹部は「今回は不審船ではないようだが、詳しい経路を調べるなど情報を集め、今後に生かしたい」と話している。【長谷川豊】
毎日新聞 2007年6月2日 20時41分 (最終更新時間 6月2日 23時48分)
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脱北者:青森に漂着の男女4人、北朝鮮の公民証を所持
2日午前4時15分ごろ、青森県深浦町の深浦港沖合を国籍不明の小型船が漂流しているのを釣り人が発見した。小型船は同港に接岸され、男女4人が県警に身柄を保護された。4人は北朝鮮の公民証を所持しており、県警などの調べに対して「北朝鮮には人権がないので出国を決めた。はじめは韓国へ行く予定だったが、軍事境界線の警備が厳しいので、日本に向かった」と供述。警察と入管当局は、脱北者とみて入管法違反(不法入国)の疑いで取り調べている。
青森県警によると、4人は家族で、50歳代後半の父、60歳代前半の母、30歳代の長男、20歳代後半の次男。
4人が「一時庇護(ひご)のための上陸許可」を希望した場合、法務省は認める公算が大きく、その場合、国内に制限付きで半年間滞在できる。また、韓国など第三国への移住を希望した場合、外交ルートで出国を調整することになる。
4人は通訳を介して朝鮮語で調べに応じており、「5月27日に北朝鮮の港を出た」「清津(チョンジン)付近から出航した」と話している。発見された際は、発見者の釣り人に、片言の日本語で「ニイガタはどっちか」と尋ねたという。
また、アンプル入りの毒物とみられるものを持っており、県警などで詳しく調べている。
小型船は、木造で、長さ約7.3メートル、幅約1.8メートル、高さ約1メートルで、老朽化していた。
警察庁によると、北朝鮮から日本に向けて脱出を図るケースは、1950年代の朝鮮戦争当時は、戦争による危害から逃れるために船で逃れてきたケースが相次いだが、最近では極めて珍しいという。
また、4人と北朝鮮の工作機関とのかかわりについて警察当局は、4人が武装していない▽小型船はこれまでに見つかったようなスピードの出る工作船でない--などの点からかかわりはないとみている。
脱北者をめぐっては昨年6月、国会で北朝鮮人権法(議員立法)が成立し、政府が脱北者とその支援民間団体を保護・支援する努力規定が盛り込まれた。同法制定にかかわった民主党衆院議員は「今回のケースでも不法入国扱いせず、特別在留許可を出すなど丁寧に対処すべきだ」と話す。
一方、同法には北朝鮮の人権侵害状況が改善されない場合には「必要な措置を講ずる」ともある。対北朝鮮強硬派が今回の事例を「人権侵害の結果」ととらえ、さらなる経済制裁を政府に求める可能性も否定できない。
【ことば】脱北者 生活苦などで北朝鮮から国外へ脱出した人たちの総称。90年代半ばの食糧事情悪化で急増し、ほとんどが国境を接する中国に逃れる。しかし中国当局の取り締まりが厳しく、中国国内の在外公館に駆け込んだり、東南アジアなど周辺国に渡り保護を求め、韓国に亡命するケースが多い。韓国が受け入れた脱北者は00年は312人だったが、06年には2019人に上り、累計で1万人を超える。日本が受け入れているのは原則的に帰還事業で渡った日本国籍を持つ人か元在日朝鮮人で、これまでに150人近くに上るとされる。
毎日新聞 2007年6月2日 20時48分 (最終更新時間 6月3日 2時09分)
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国連、北朝鮮への支援事業の不正流用は「証拠なし」
【6月2日 AFP】国連監査委員会(UN Board of Auditors)は1日、北朝鮮における支援事業についての監査結果を発表、米国が指摘した不正流用疑惑は証明されなかった。
ミシェル・モンタス(Michele Montas)国連報道官は「事業費が大規模かつ組織的に北朝鮮政府の手に渡されているとの疑惑が持ち上がっていたが、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)の3機関に対する監査結果では、そのような事実は見いだせなかった」との声明を発表した。
しかし、「スタッフ雇用における独立性」や「給与の外貨での支払」、「現地事業遂行状況の確認方法」などについて問題点が見つかった。
声明によれば、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)国連事務総長はUNDP、UNICEFおよびUNFPAに対し、可能な限り透明性を確保しつつ、迅速に監査結果に従い行動するよう要請したという。(c)AFP
国連、北朝鮮への支援事業の不正流用は「証拠なし」 AFPBB News