日本人拉致 :手口が酷似、手法確立か 「よど号」グループ
80年に欧州から松木薫さん(失跡当時26歳)と石岡亨さん(同22歳)が拉致された事件で、結婚目的誘拐容疑で逮捕状が出た日航機「よど号」乗っ取りメンバーの妻2人が松木さんらを誘い出した手口が、3年後に起きた同グループによる有本恵子さん(同23歳)拉致事件に酷似していたことが分かった。警視庁公安部は、よど号グループによる日本人拉致の手法が確立していたとみて、松木さんらが誘拐された経緯を詳しく調べている。
逮捕状が出たのは、森順子(54)、黒田(現姓・若林)佐喜子(52)の両容疑者。
両容疑者はマドリードに借りたアパートに、偶然出会った松木さんらを招待。食事やゲームをして関心をひいたとされる。森容疑者は北朝鮮で結婚し子供がいるのにかかわらず「ウィーンで(自分の)婚約者に会わないか」と松木さんらをだまし、ウィーン経由で北朝鮮に連れ出したという。
一方、83年に起きた有本さんの事件に関与したメンバーの元妻(51)の証言によると、有本さんに対してもロンドンのアパートで同様の工作が行われていた。元妻は「市場調査の仕事がある」と架空の就職話で有本さんを誘ったとされる。
有本さん事件を巡っては、メンバーの魚本(旧姓・安部)公博容疑者(59)が国際手配されている。公安部によると、元妻は事前にメンバーの田宮高麿リーダー(故人)から「関心をひくためにアパートを借りてもてなし、うその口実で相手をだまして北朝鮮に連れ込むように」と指示を受けていたという。
公安部は、80年に松木さんと石岡さんの拉致で成功した手法を、よど号グループが3年後も踏襲した可能性があるとみている。同部は14日、森、黒田両容疑者らの実家など関係先21カ所を家宅捜索した。
毎日新聞 2007年6月15日 3時00分
日本人拉致:手口が酷似、手法確立か 「よど号」グループ-事件:MSN毎日インタラクティブ
「よど号」犯の妻 北朝鮮の国家的犯罪に加担した(6月15日付・読売社説)
欧州で消息を絶って27年にして、ようやく捜査が進展へ動き出した。
スペインを旅行中の石岡亨さんと語学留学していた松木薫さんが1980年に拉致された事件で、警視庁が「よど号」乗っ取り犯の2人の妻の逮捕状を取った。北朝鮮に在住する森順子(よりこ)、若林佐喜子の両容疑者で、結婚目的誘拐容疑である。
よど号犯の9人が北朝鮮に亡命したのは、70年のことだ。その後は、北朝鮮の国家的犯罪や不正工作に加担してきたとみられている。その実態をさらに追及していく必要がある。
石岡さんと松木さんは2人から「ウィーンに行こう」などと持ち掛けられ、北朝鮮に拉致されたらしい。ウィーンは当時、北朝鮮の西側工作の拠点となっており、工作員らも暗躍していた。
英国に留学していた有本恵子さんが83年に拉致された事件では、よど号犯の魚本公博容疑者に逮捕状が出ている。この時も、よど号犯の元妻が有本さんに接触し、おびき出す役を果たしていた。
よど号犯は70年代後半、当時の金日成主席から「代を継いで革命を行え」と指示を受けたと言われる。結婚して子孫を残し、将来は日本で革命を起こす。そのための「日本人獲得」を目的に、若い男女を標的とした。
何とも荒唐無稽(むけい)な発想だが、行動は冷酷極まりない。その先兵として、よど号犯の妻も動員された。
北朝鮮は、石岡さんと有本さんは結婚して1児をもうけたが、88年、暖房用の石炭ガス中毒で家族全員が死亡したと日本側に説明している。松木さんは96年に交通事故で死亡したという。
そのまま信じるわけにはいかない。政府は、他の帰国していない拉致被害者と併せ、真相の究明などを引き続き求めていくべきだ。
よど号犯も逮捕者や死亡者がいて、北朝鮮に残るのは4人とみられている。妻も次々と帰国し、森、若林の両容疑者がいるだけだ。彼らは日本政府との「無罪合意帰国」を主張してきたが、こんな身勝手な論理が通るはずがない。
米国は北朝鮮をテロ支援国家に指定している。ハイジャック犯であるよど号犯をかくまっていることも理由とされてきた。よど号犯の身柄の扱いは、北朝鮮にすれば、テロ支援国家の指定解除のための対米カードともなっている。
今年2月の6か国協議で、米国は「指定解除の作業を開始する」と明言している。だが、日本としては、拉致という問題全体の解決なしでは、とても了承できる話ではない。
(2007年6月15日1時52分 読売新聞)
「よど号」犯の妻 北朝鮮の国家的犯罪に加担した : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「革命村」映したビデオを押収、赤木容疑者関係先から
北朝鮮による拉致被害者、石岡亨さん(失跡当時22)と松木薫さん(同26)の拉致事件に絡み、警視庁公安部が今月上旬に旅券法違反容疑で逮捕した赤木邦弥容疑者(52)の関係先の家宅捜索で、よど号ハイジャックメンバーらが暮らす平壌郊外の「日本革命村」とみられる映像が映ったビデオを押収していたことが14日、分かった。
革命村の様子については、欧州で消息を絶った有本恵子さん(失跡当時23)の拉致事件への関与を認めた元スナック店主(51)が言及している。(21:00)
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