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北朝鮮・拉致問題:救う会新潟が署名活動 被害者・田口さんの長男参加 /新潟

 北朝鮮による拉致被害者の支援団体「救う会新潟」(馬場吉衛会長)は18日、新潟市中央区の古町十字路で署名活動を行った。拉致被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)の長男、飯塚耕一郎さん(30)も初めて県内での署名活動に参加し、一刻も早い救出の実現を訴えた。
 田口さんは78年、1歳だった耕一郎さんを残したまま行方不明になり、北朝鮮では金賢姫(キムヒョンヒ)・元死刑囚の教育係だったとされる。飯塚さんは「私は29年間、一度も母に会ったことがなく、金賢姫の本などでしか知ることができない。6カ国協議でも核ばかりクローズアップされ、人の命が軽んじられているようだ」と訴えた。馬場会長も「拉致問題がさっぱり進展していない。後押ししていかなければ」と話した。【渡辺暢】

8月19日朝刊

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - 北朝鮮・拉致問題:救う会新潟が署名活動 被害者・田口さんの長男参加 /新潟

古町で大沢さん救出署名活動

 北朝鮮に拉致された疑いが濃厚な新潟市西蒲区出身の特定失踪(しっそう)者大沢孝司さん=失踪当時(27)=の早期救出を目指し、同級生らでつくる支援団体「再会を果たす会」が19日、新潟市中央区の古町十字路で署名活動を行った。

 これまで同会は西蒲区などを中心に活動を行ってきたが、この日は初めて市街地で実施。街頭には、孝司さんの兄昭一さん(71)や同級生らが立ち、買い物客らに協力を呼び掛けた。

 同会は今年2月から、孝司さんの母校東京農業大学OB会の協力を得て、例年の3倍に当たる約3万人分の署名を既に集めている。こうした動きを受けて、県内でも取り組みを強化。孝司さんの父福一郎さんが98歳の誕生日を迎える11月までに、10万人分の署名を集めて政府に提出、拉致被害者として認定されることを目指す。

 昭一さんは「拉致問題が進展しない上に、特定失踪者のままでは世間から忘れ去られてしまう。父が元気なうちに弟を取り戻したい」と力を込めた。

新潟日報2007年8月19日

新潟日報 NIIGATA NIPPO On Line

南北首脳会談:1カ月延期の背景 北朝鮮に支援の思惑も

 7年ぶりに予定されていた南北首脳会談が、北朝鮮の「水害を癒やし、人民の生活を安定させることが急務」(北朝鮮国営朝鮮中央通信)なため、延期されることになった。北朝鮮の核問題をめぐる関係国の駆け引きが続く中、6カ国協議のプロセスにどのような作用をもたらすのか。毎年のように洪水、干ばつが繰り返される北朝鮮の治水・かんがい施設はどれほどぜい弱なのか。自然災害が延期理由とはいえ、そこには北朝鮮の思惑も働いているようだ。当初予定から約1カ月後の10月初旬に仕切り直しで首脳会談が開催される背景を探った。

 ◇悲鳴に近い水害報道

 ここ数日、北朝鮮の水害報道は、悲鳴に近い。

 「農耕地が浸水、穀物の収穫できず」(14日)、「豪雨の被害拡大、田畑の11%が被害。平壌も交通マヒ」(15日)、「全国で8万世帯が浸水」(16日)--。

 北朝鮮は95、96年の夏にも「100年に1度の大雨」で経済難が一層悪化した経緯がある。今回も前回並みの被害が予想されている。

 国営の朝鮮中央通信は被害実態を伝える写真も配信し始めた。

 家を失いテント生活を送る平安南道の住民、冠水したトウモロコシ畑……。北朝鮮は通常、市民生活の写真は海外に配信しない。特に住民の困窮ぶりを配信することは、まずない。だが、テント生活の写真には、枯れ木で布きれを支えただけの「テント」で、煮炊きをする被災者の姿が写っている。被害実態を海外に知らせたいという北朝鮮の思惑が伝わってくる。

 北朝鮮は昨年10月の核実験で国連決議による制裁下にある。だが水害報道に歩調を合わせるように、国際社会は人道支援に乗り出した。

 米政府の対外援助統括機関、国際開発局(USAID)は17日、北朝鮮に10万ドル(約1140万円)の人道支援を行うと発表。非政府組織(NGO)を通じ毛布などの緊急援助物資を提供する。

 韓国も同日、食料や水など約8億5000万円相当の緊急支援を発表した。早ければ20日にも支援物資の輸送を始めるという。国連各機関も支援の準備をしている。

 一方、日本政府は「災害であれば人道問題ということで、(北朝鮮から)要請があれば支援も不可能ではない」(政府筋)との見方もある。ただ、拉致問題の進展なしに北朝鮮へのエネルギー支援をしないとの基本方針を堅持する中、内外の世論を見ながら、慎重に対処する考えだ。

 こうした国際社会の機敏な反応は、水害の深刻さだけでなく、6カ国協議の動きも絡んでいる。

 北朝鮮は6カ国協議の合意に従って、寧辺(ニョンビョン)の核施設の稼働停止・封印を履行しており、国際原子力機関(IAEA)による監視が続いている。次は「核施設の無能力化」と「核計画の完全申告」をいかに実行させるかという段階に入っている。北朝鮮が国連制裁下にあるとはいえ、「水害」という自然災害で迅速な人道支援を実施し、核問題で北朝鮮に前向きな態度を取らせたいという思惑も働いているようだ。

 南北首脳会談は韓国の開催要請を受け入れたもので、北朝鮮に延期による取りこぼしはない。むしろ、水害被害の深刻さを国際社会に知らしめ、援助を期待できる。

 北朝鮮は7年前の南北首脳会談前日、日程を1日ずらして韓国側を混乱させ、主導権を握った。今回は自然災害が延期の理由だが、変更された10月上旬は、金正日(キムジョンイル)総書記就任10年(8日)、核実験実施1年(9日)、朝鮮労働党創建62年(10日)と行事が集中する時期でもあり、開催日程に絡んでもう一波乱ある可能性もある。【北京・堀信一郎】

 ◇「先軍政治」のツケ、被害拡大

 今月7日から続いた北朝鮮の豪雨による被害は、「過去40年間で最悪規模」(国連児童基金=ユニセフ)との指摘も出ている。だが疲弊する経済に加え、北朝鮮当局が軍事優先の「先軍政治」を進めてきたため、治水やかんがい施設の整備に予算が回らないという現実がもたらした結果でもある。

 北朝鮮の豪雨被害はこれまでも度々繰り返されてきた。昨年7月の集中豪雨でも死者・行方不明100人以上の被害を出し、韓国からの参加も予定されていた「8・15」祝典や芸術公演「アリラン」公演が中止。南北の交流に水を差す形となった。

 北朝鮮当局は水害や干ばつのたびに「天災」と説明してきたが、度重なる豪雨被害の背景には、以前から治水対策の不備がある。もともと山が多く水害に弱い地形であるにもかかわらず、エネルギー不足などから森林の乱伐が進み、より被害が拡大しやすい傾向になっているとされる。

 アジア経済研究所の中川雅彦研究員によると、95年夏の大水害の反省を受け、北朝鮮では土地整備事業が始まり、防災インフラの整備が進んだ。しかし、「財源があまりにも小さい上、国家予算の約15%を占める軍事費が重荷になっている」ため、インフラへの投資が十分に回らない現実があるという。

 95年の水害時には、北朝鮮経済はマイナス成長になった。今回の豪雨でも中川研究員は「工業部門に回す投資を生活インフラ、農業インフラに回さなければならず、経済全般が不振に陥る可能性がある」と予測する。

 軍事優先-未整備の治水対策-工業部門への投資削減……。「負の循環」が北朝鮮庶民の生活を苦しめている。【鵜塚健、米村耕一】

毎日新聞 2007年8月18日 22時53分

南北首脳会談:1カ月延期の背景 北朝鮮に支援の思惑も-アフリカ・オセアニア:MSN毎日インタラクティブ