安倍首相が辞意表明=「求心力ない」
安倍晋三首相は12日、自民党幹部らに辞意を伝えた。自民党首脳は「首相が辞めるとの情報が入っている」ことを明らかにした。また、民主党幹部は自民党幹部から「わたし(首相)は代表質問に出るわけにはいかない。健康上の理由だ」と伝えてきたことを明らかにした。
これを受け、自民党は、首相の所信表明演説に対する各党代表質問が行われる午後1時からの衆院本会議の開催を遅らせるよう申し入れた。
自民党首脳は首相の辞意について「ずっと前から聞いていた。自分には求心力がないと言っていた」と述べた。
参院選で惨敗し政権が失速したことが辞意表明につながったとみられる。
首相は7月29日の参院選で自民党が37議席にとどまる惨敗を喫したにもかかわらず、続投した。8月27日に内閣改造を断行。政権の立て直しを図ったが、補助金不正受給問題で遠藤武彦氏が農水相を辞任、「政治とカネ」の問題が絶えなかった。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のため訪れたシドニーで9日記者会見した際には、11月1日に期限が切れるインド洋での海上自衛隊の給油活動継続に「職を賭す」と表明。延長できなかった場合には内閣総辞職する意向を示した。(了)
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安倍首相辞意:衝撃の一報…列島にショック広がる
「職を賭して」と海上自衛隊の給油活動継続への決意を表明して、わずか3日。安倍晋三首相は12日、自民党幹部に辞意を伝えた。「本会議の時間が決まらない」と朝から国会内がざわつく中で、突然飛び込んできた衝撃の一報。参院選の惨敗、相次ぐ閣僚らの辞任……。内閣支持率が低迷し続け、退陣を求める声も強まる中で、何が「引き金」を引いたのか。政界関係者や安倍首相を支持してきた拉致関係者、地元支援者を含め、列島にショックが広がった。
東京・霞ケ関でも衝撃が走った。厚生労働省幹部は午後1時前にテレビに流れた「安倍首相辞意」のテロップに「えっ」と絶句した。その後「内閣総辞職となれば、また、大臣が変わるのか。やっと、年金などの課題がスムーズに動きだしているところなのに……。とにかく情報が本当かどうか知りたい」と話した。
国交省幹部も「内閣改造したばかりなのに、また変わるのか」とつぶやいた。幹部らは「なぜ辞任するのか」などと慌しく情報収集に走った。
農水省幹部はテレビの速報で知り、「えっ本当にそうなのか。所信表明をしたばかりなのに。農水の一連の不祥事が直接の原因とは思わないが、異例のことだ」と半信半疑の表情を見せた。
テロ特措法の国会論戦を控える防衛省・自衛隊では、14日から全国各地でインド洋の自衛隊の補給活動をアピールする一般向けセミナーも予定されており、唐突な辞意表明に驚きと困惑の声が漏れた。
同省では、ある自衛隊幹部は「安倍さんほど自衛隊の現場を訪ね、士気を気遣ってくれた総理はいなかった。本当だとしたら誠に残念だ」とやるせない表情。別の同省幹部は「小池(前防衛相)さんが内閣に留まらないと言い出した時も驚いたが、まさか安倍さんまでとは。もう政治家は信じられなくなりそうだ」と情報収集に追われていた。
自民党東京都連の幹部は、テレビのニュース速報で安倍首相辞任の一報を聞き、「びっくりしている。大変残念だ。新しい歴史を作れなかったのは残念だ。応援した以上は頑張ってほしいという期待しかなかった」と話した。東京都千代田区の衆院第1議員会館にある安倍首相の事務所では、首相が与党幹部に辞意を漏らしたというテレビのニュース速報について「分かりません。情報源に確認して下さい」と短く答えるにとどまった。
「辞める人に代表質問ができる訳がない。どうするのか」。衆院本会議の代表質問を控え、衆議院内の民主党国対役員室で同僚議員と打ち合わせをしていた山井和則衆院議員は「前代未聞だ」と驚きの声を上げた。ニュースが流れた瞬間、部屋は議員のどよめきの声に包まれたという。「(直後に控えた)鳩山さん(由起夫・同党幹事長)らの質問に答えられないと思ったのか。こんなことは国会史上ない」と戸惑いを隠せなかった。
◇居座りは無理
▽ 政治評論家・森田実氏の話 来るべきものが来ただけで当然と受け止めている。参院選で国民から事実上の不信任を突きつけられ、国民が信任しない政権が「衆院じゃないから」という理屈で居座るのはもともと無理だった。どんな独裁政権でも国民の信任が得られないと長持ちしない。衆院解散のエネルギーは首相自身にも政権にも残っていないことが、首相の最近の表情から読み取れた。臨時国会前から既に安倍首相には辞めるという選択肢しか残っておらず、後は時期の問題だと考えていたので全く驚きはない。
◇遅すぎるぐらい
▽評論家、室伏哲郎さんの話 辞任は当然だ。むしろ遅すぎるくらいだ。7月の参院選で、安倍晋三首相は「私と民主党の小沢一郎代表のどちらを首相に選ぶのか」と国民に迫った。国民は選挙結果を通じてその意思を示したのに、首相は前言を翻し、何もなかったかのように居座り続けた。安倍政権は実質的に何もしていない。零点だ。後継に選んだ小泉純一郎前首相の責任も大きい。
毎日新聞 2007年9月12日 13時17分 (最終更新時間 9月12日 13時25分)
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拉致問題で政府の交渉を批判
北朝鮮による拉致被害者家族会(横田滋代表)は11日、先の日朝作業部会で政府代表を務めた美根慶樹日朝国交正常化担当大使と内閣府で面会し、協議内容の報告を受けた。家族会からは「ダラダラ交渉を続けても(被害者は)帰ってこられない」と厳しい声が相次いだ。
美根大使は具体的な進展がなかったが、協議継続に合意したと説明し、「力不足を感じた」と述べた。これに対し、家族会からは「こんな交渉で解決できるのか。強い態度で当たってほしい」「北朝鮮の対応は不誠実なのに、外務省が『誠意ある姿勢』と説明するのはおかしい」と不満が噴出した。中山恭子首相補佐官が「日本の対応には強さが感じられなかった」と引き取った。
面会後、飯塚繁雄副代表(65)は「北朝鮮は解決済みという言葉こそ使わなかったが、その態度は崩していない」と指摘。横田めぐみさんの母早紀江さん(71)は「何回ここに来て説明を受けても同じことの繰り返し。(大使が)意をくんでくださると言うので期待半分ですが…」と失望感を隠さなかった。
新潟日報2007年9月11日
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