南北共同宣言発表の裏話──盧大統領「目の前が真っ暗だった」
10月5日22時42分配信 オーマイニュース
10月4日午後1時、韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首脳による「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」(平和共同宣言、全8条項)が発表された。
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■「対南政策が変わった」
10月4日午後、韓国盧武鉉大統領(左)と北朝鮮金正日総書記が宣言文を交換している。(撮影:青瓦代共同写真記者団)
今回の平和共同宣言は、2000年6月の南北共同宣言よりかなり豊富な内容で、特に今まで軍事的な衝突が絶たなかった西海岸の北方限界線(NLL)にいたっては、これ以上ないと言えるほど具体的な内容が含まれている。
特に、宣言の4条に含まれている「現在の停戦体制を終息させて恒久的な平和体制を構築していくべき…(中略)…この問題に直接関連している3ヶ国または 4ヶ国首脳が韓半島地域にて会合し、終戦を宣言することを推進していく……」という部分が北朝鮮の金正日総書記から提案されたことが判明され、韓国内の北朝鮮研究者たちに衝撃を与えた。
日本在住で北朝鮮を研究しているある学者は、匿名を条件に、「6・25戦争(朝鮮戦争)は北朝鮮にとって民族解放戦争である。それは北朝鮮の対南戦略を支える根幹、原則だった。その根幹を金総書記が自ら終戦にしようとしたのであれば、対南戦略が180度変わったとみても過言ではない」と、記者に答えた。
要するに、「戦争は終わっていない。我々は南(韓国)を共産化する義務がある」などの従来の対南イデオロギーを支えてきた思想的な柱が「休戦」であったのに、それを金総書記自ら廃棄するよう提案してきたのである。
また抽象的ではあるが、2条には「思想・制度の差を超越して南北の信頼関係」を強調している。思想と制度でそれぞれの国の正統性や国民の支持を保ててきた今までの南北関係を照らしあわせるまでいかなくても画期的な宣言と思われる。
■報道されなかった裏話
さらにこのような根本的なものではなく具体的な内容も多く見つかる。
「開城-新義州(シンウィジュ)区間の鉄道と開城-平壌区間の高速道路の共同利用」、「ソウル―白頭山(ぺクドゥサン)直行便」、「安辺(アンビョン)と南浦(ナンポ)に造船協力団地建設」など普通の首脳会談による宣言では考えにくい実務的な部分が相当含まれているのだ。
2回(いずれも10月3日)の会談、合計4時間という決して長いとはいえない時間でここまで詰められた秘訣があったのか?
10月5日、今回の韓国訪問団を代表してイ・ジェジョン外交統一省長官が公式記者会見を開き、今まで報道されなかった裏話(?)を語った。
「初日万寿台(マンスデ)議事堂で金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と会談した時、金委員長がとても長い原稿、約1時間かかるほどの長い原稿だったが、内容があまりにも根本的な変化を求めてきたので、直ちに解決しにくい、というか私たちが受け入れ難い提案も相当あった。」(韓国外交統一省イ・ジェジョン長官、世宗路(セジョンノ)政府庁舎別館、10月5日)
盧大統領も4日夕方、ソウルでの帰還報告会にて「初日金永南常任委員長の話を聞いて正直、目の前がまっ暗だった。具体的な話もたくさんあり、どうやって詰めていくんだろうと心配した部分もある。3日午前金総書記と初めて会談した時まで大変だったが、午後の会談ではほとんど相互理解が出来た」と言及したことをみても今回の宣言がここまで具体的になると思わなかったようである。
また、2回の首脳会談にすべて同席したイ長官は「金総書記の健康状態に全く問題がないと感じた」と話しながら、最大のハプニングであった金総書記による『延長提案取り消し』に関して「アリラン公演と関係性がある」と見解を示した。
「3日午後にもずっと雨が降っていたので、金総書記は予定されていた(3日)夕方のアリラン公演が取り消しになると予想したようで担当職員をわざわざ呼んで夕方の天気がどうなるのかと尋ねていた」
「私の理解では、韓民族の風習で遠くから訪れた知人やお客さんをよく歓待するために『さらに一日泊まって帰って』と好意で誘う場合があるが、(延長提案した際の雰囲気では)天気も悪いし、アリラン公演も見てゆっくり満喫して帰ったらどう、みたいな感じだった。特別な意味があったとは考えない」
また、経済チームのトップとして訪問団に参加したクォン・オギュ経済副総理は「金総書記はもちろん北朝鮮の経済担当管理たちは、韓国と北朝鮮による経済共同体の建設に深い興味を持っていた」と説明し、多くの資金が必要とされる共同経済特区開発の財源先について「合意履行に要する財源は、海外開発ファンドなどで推進する」という考えを示した。
■非核化宣言は含まれない?
一方、今回の宣言には、韓国・北朝鮮両方の経済・軍事的な部分でも合議が多数含まれているものの、世界の期待をもたらせた「非核化宣言」が触れていない。また、日本からみると、拉致など人道的な部分での言及がほぼ入っていないことが気のかかるところ。日本のみならず、韓国内でもこの二つについては批判的なスタンスがみられている。
しかし、慶南大学校北韓大学院キム・グンシック教授(訪問団の一員)は記者からの国際電話にこう話してくれた。
「金総書記は、これから北朝鮮体制をどういう風に導いて行くのかを考えている様子だった。タイミングよく6者協議の合議文も発表され、金総書記は今までとは違う戦略を立てなくてはならないということ。6者協議によって北の核施設が不能化されれば、核カードは使えなくなるから。核を放棄して北米関係を改善すると決心したように感じられた。となると、経済建設をどのようにすべきか悩まないといけないし、そこで南側からの支援しかないと判断したようだ。」
また、キム教授は非核化宣言が含まれていないという記者の質問に対しては「今回の共同宣言には『9・19共同声明と2・13合意の履行のために努力する』となっている」としながら「2・13と9・19には『北朝鮮のすべての核兵器と核計画の放棄』という最も正確な表現が入っている。非核化に関する言及がないという指摘は受け入れ難い」と加えた。
いずれにせよ、「韓民族」にとってみると歴史的ともいえる平和共同宣言が発表されたが、これで終わりではない。むしろやっとスタートが切れたというのが正確な表現であろう。
また韓国と北朝鮮が「韓民族」だけではなく、東アジア全体の平和と繁栄のためどう努力していくのか、非常に感心が持たれる。
(記者:朴 哲鉉)
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金総書記「福田首相の出方見守る」
【ソウル=藤田哲哉】韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が北朝鮮の金正日総書記との南北首脳会談で日本人拉致問題を提起し、金総書記が「福田康夫首相の出方を見守る」と述べたことが4日、明らかになった。盧大統領は8日に側近を特使として日本へ派遣、福田首相に直接、詳しい内容を説明する意向だ。盧大統領の随行筋が明らかにした。
随行筋によると、盧大統領は3日の首脳会談で「日本人拉致問題を解決し、日本との国交を正常化することが重要だ」と訴えた。金総書記は「福田首相が新しく就任したから、その方がこれからどうするかを見守る」と答えたという。
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北朝鮮を「テロ国家」から外す問題、米政府が議会と協議開始
米政府は3日発表された北朝鮮の核問題を話し合う6者協議の合意の後続措置として、北朝鮮をテロ支援国のリストから削除する問題を早急に議会と協議すると明らかにした。
クリストファー・ヒル米国務次官補(東アジア太平洋担当)は3日、ワシントンで記者会見を開いて、「議会とこの問題について4日から議論を始める」とし、「北朝鮮とも来週実務グループ会談を開いて、細部協議を行う」と述べた。
10・3合意を受けて北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)地域の3ヵ所の核施設の不能化を年末までに終了しなければならない。しかし、北朝鮮が不能化の代価として要求してきたテロ支援国の解除の移行時点は、合意文に含まれなかった。合意文には、「指定解除の努力をはじめ、北朝鮮の(非核化)措置と並列的に進行する」となっている。
ワシントンの外交筋は3日、「国務省が合意発表直後から議会と協議を始めることそのものに非核化プロセスを早く展開したいというブッシュ政権の期待が込められている」としながらも、「公式の解除の時点が不能化が完成する今年末ごろと断定するのは早い」と述べた。
対北朝鮮経済制裁の根拠となってきた「テロ支援国の条項」は、立法事項ではなく、行政府の裁量事項である。
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