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一刻も早い救出を めぐみさん拉致から30年

 あの日から、30年-。昭和52年11月15日、新潟市で中学1年生だった横田めぐみさん=当時(13)=が下校途中、北朝鮮の工作員に拉致されてから、あす15日で丸30年を迎える。政府が北朝鮮による拉致と認定してから10年、北朝鮮の金正日総書記が拉致を認めて謝罪してから5年が過ぎても、日本はいまだめぐみさんを取り戻せていない。当時の同級生や恩師、捜査員らは30年の歳月の重さをかみしめながら、「一刻も早い救出を」と念じ続けている。(永岡栄治)

 「横田さん一家は、私を家族のように大事に思ってくれている。だから私も家族の一員として、一生あきらめることはできない。必ず取り返すことができると信じている」

 事件発生時、管内の新潟中央署松波町交番に勤務していた山田秀雄さん(53)=仮名=は、そう切々と訴える。

 事件の2カ月前、巡回連絡でめぐみさんの自宅を訪れ、母親の早紀江さん(71)に会った。「明るい笑顔が印象的なお母さんでした」。

 めぐみさんが行方不明となってから訪問は控えていた。年明けに早紀江さんと会い、その憔悴(しょうすい)ぶりに衝撃を受けた。「今でも、あの顔は忘れられない。あのやつれた姿を見れば、人間であれば何とか助けてあげたいと思うはずですよ」。山田さんは横田さん宅を月に1回、訪問することを決めた。

 「めぐみさんは必ず生きている。お母さんが信じてあげなくてどうするんですか」。そう励まし続けた。

 山田さんが逆に励まされることもあった。「『お前は非行少年に情をかけすぎる』と先輩に言われ、警察官を続けられるかどうか悩んでいた」。悩みを打ち明けると、早紀江さんは「そういう警察官がいてほしい。あなたが一番警察官に向いている。頑張りなさい」と激励した。その一言が、警察官を続ける原動力となった。

 「山田君」「お母さん」と呼び合い、横田さん一家が新潟を離れた後も、警察官の立場を超えた交流が続く。山田さんはめぐみさんの帰国を、「家族の一員」として待ち続けている。

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 当時、新潟中央署長を務めた松本瀧雄さん(83)は「めぐみさんは近くの海岸から拉致されたのではなく、車で遠くの海岸に運ばれたのではないか」と推測する。新潟海上保安部などが警戒する新潟市沿岸は、工作員にとって危険が大きすぎるとの理由からだ。

 松本さんは昭和45、46年に外事課長を務め、山形県境から侵入した北朝鮮工作員の逮捕に成功した。だが、めぐみさんの事件が北朝鮮による犯行とは当時は思いもよらなかった。捜査を指揮した当時の刑事官は昨年、鬼籍に入った。松本さんは「彼もめぐみさんの安否をずっと気にしていた。忘れようにも忘れられない事件」とつぶやいた。

 駆け出し時代に捜索に出動した県警の小幡政行外事課長(53)は「捜査に携わった先輩方の思いを背中に感じ、できることをすべてやっていく」と力を込める。

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 《めぐみさん 今 どこにいますか/みんなの呼ぶ声 聞こえますか/早くお帰り 早くお帰り/この父の腕に この母の胸に》

 この「とどいて めぐみさんへ」を作詞作曲したのは、ピアノ・声楽教師の斎藤邦さん(75)だ。新潟小学校教諭時代、めぐみさんに音楽を教えた。

 「めぐみさんは歌が好きで、声がきれいだった。謝恩会でシューマンの合唱曲『流浪の民』を披露することを決め、ソプラノ独唱を任せたら、6年生とは思えないぐらい上手に歌った」。今もその歌声はテープに残り、聞く人の涙を誘う。

 斎藤さんは平成9年、めぐみさんの救出を訴える第1回県民集会に向けて「とどいて めぐみさんへ」を作った。「詩をまとめるのに3カ月かかった。1行書くと、涙が出てきて、その後が続かなくて。つらかった」と振り返る。

 斎藤さんは最近、拉致問題の風化を懸念する。「うちの子じゃなくて良かったという考えはいけない。同じ日本人として苦しみを共有しないと」。その思いを込めて、歌い続けている。

 めぐみさんの同級生、佐藤容子さん(43)=新潟市=は、北朝鮮による拉致が判明してから毎朝晩、十字架を手にして祈りをささげている。

 「めぐみちゃんが心も体も健康で生き続けていますように。そして、早く帰ってこられますように。ご両親の心の苦しみが取り除かれて長生きできますように」

 30年の歳月を経た今も、当時の関係者はめぐみさんの事件を鉛のように背負って生きている。

一刻も早い救出を めぐみさん拉致から30年(産経新聞) - Yahoo!ニュース

「拉致」、具体的な関連ない=北のテロ支援国指定解除で米国務省

【ワシントン13日時事】ケーシー米国務省副報道官は13日の記者会見で、北朝鮮のテロ支援国指定解除問題と日本人拉致問題について、「双方は必ずしも具体的に関連付けられているわけではない」と述べた。解除手続きを拉致問題と切り離して進める方針を一層明確に打ち出した。
 ただ、核問題をめぐる6カ国協議のプロセスを前進させるためには、拉致問題に関しても進展を図る必要があると強調。「他の懸案が(解決に向け)前進する一方で、ある問題が(進展のないまま)取り残されるような協議ではない」として、今後も米朝2国間接触などを通じて取り上げていく姿勢を示し、拉致問題の「置き去り」懸念払しょくに努めた。

時事ドットコム:「拉致」、具体的な関連ない=北のテロ支援国指定解除で米国務省

拉致とテロ解除、関連せず 米副報道官、対北朝鮮で

 【ワシントン13日共同】ケーシー米国務省副報道官は13日の記者会見で、北朝鮮のテロ支援国家指定解除と日本人拉致問題は「厳密に関連するものではない」と述べ、解除にあたって拉致問題の解決は必ずしも必要ないとの立場を示した。

 6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補も「米国内法の問題だ」と繰り返し述べており、拉致問題は解除に向けた法的条件ではないとの米政府の姿勢があらためて示された格好だ。

 訪米中の拉致被害者家族は15日にヒル次官補と会談し、拉致問題の解決までは解除を行わないよう働き掛ける予定だが、議論は平行線をたどる可能性もある。

 ケーシー副報道官は「拉致問題を大変気に掛けている」と述べ、米朝協議でこれまでも毎回取り上げ、今後も協議を続けていくと強調。だが年内完了に向けて着手された北朝鮮・寧辺の核施設無能力化に加え、核廃棄への動きが強まれば、指定解除に向け前進するとの見方を示した。

東京新聞:拉致とテロ解除、関連せず 米副報道官、対北朝鮮で:国際(TOKYO Web)