日米首脳共同会見 福田首相の発言全文
日米首脳会談後の共同記者会見での福田首相の発言は以下の通り。
初の外国訪問先として私は、我が国唯一の同盟国、米国を訪問した。ブッシュ大統領と充実した会談をした。
まず第1に日米同盟。これは両国がグローバルな諸課題に対処していく上で、不可欠な役割を果たしており、両国がアジア外交を展開するうえでも、極めて重要な基礎となっているということで、ブッシュ大統領と認識が一致した。
日米は半世紀以上にわたり、時には困難をともに乗り越えて、今や強靱な同盟関係を築いている。今日われわれが、こうした関係を享受しているのは、日米両国の数えきれないほど多くの市民の努力と交流によって支えられている。
日米の現在の強固な関係を当然視するだけでなく、将来の日米関係を支える基盤をさらに強化したいと考え、私から、知的交流を含む日米交流を強化するイニシアチブを説明した。これに対し、ブッシュ大統領から心からの支持の表明があった。
第2に日米同盟と日米それぞれのアジア政策との間の共鳴、シナジーの問題。強固な日米同盟はアジアに平和と繁栄の基盤をもたらす。また日米同盟をよりどころにして、アジア諸国との関係を一層深化させ、安定的で開かれた、そして繁栄し発展するアジアを実現するということは、日米共通の利益につながる。こうした積極的なアジア外交は、翻って日米同盟のさらなる強化につながるという確信を自分から申し上げた。
自分は、この会議の後、シンガポールで開催されるASEAN関連の首脳会議に出席する。その前にワシントンを訪問して、ブッシュ大統領と協議したのはこうした考えに基づくものだ。大統領から賛同を得て、誠に心強く感じている。
次に、日米が共同して対処していく課題として、北朝鮮およびテロとの戦いについて話し合った。
北朝鮮の核兵器については、6者会合を通じて北朝鮮の核兵器、核計画の完全な放棄を実現させるべく日米が引き続き緊密に連携、努力していくことで一致した。
特に拉致問題については、ブッシュ大統領から「この問題を決して忘れることはない」ということを述べていただいたうえで、日本政府に対する変わらぬ支持を確約をして下さるということを改めて表明された。
アフガニスタンを再びテロの温床としてはならない。テロとの戦いに日米両国と国際社会がともに引き続いて取り組んでいくことでも一致した。
自分からは、海上自衛隊によるインド洋での補給活動の早期再開に向けて法案の早期成立に全力を尽くす旨、ブッシュ大統領に伝え、ブッシュ大統領からも、これまでの我が国の国際社会のテロとの戦いに対する支援への感謝、そして補給活動の再開への期待の表明があった。
ミャンマー情勢については、自分からミャンマーの民主化、人権状況の改善に向けて、強く働きかけている旨説明をした。
イランについては、核開発は容認はできない。引き続き国際社会が一致して圧力を高めながら、イランが国連安保理決議を遵守するよう働きかけていくことで一致した。
この激動の時代において、我が国としては、日米同盟を礎として、アジア、そして国際社会が直面する問題に一層積極的にリーダーシップを発揮して対処していく考えだ。
来る2008年、我が国はきわめて重要な国際会議を二つ主催する。一つは7月のG8北海道洞爺湖サミット。重要なテーマは気候変動だ。この問題については、ここ半年ほど日米は緊密に協議し世界の議論をリードしてきた。国連での新たな交渉の場で、実効性ある将来枠組みの構築に向けて、具体的な成果を得られるよう、地球温暖化対策で緊密に連携していくことにつき、大統領と話し合いたいと考えている。
その際、経済成長を維持しつつ、地球温暖化対策とエネルギー安全保障を両立させる科学技術についても有意義な議論ができるのではないかと期待している。気候変動を含め、G8サミットの成功に向け、日米で協調していきたい。
もうひとつ、国際社会全体で取り組むべき課題として、アフリカ開発支援がある。我が国が主催する二つ目の重要な国際会議は、5月に開かれる第4回アフリカ開発会議(TICAD4)だ。ここで得られた知見、そして成果をG8サミットにつなげるべく、日米が協力して取り組んでいきたい。
またアフリカを中心とする保健状況を改善すべく、国際保健分野での日米協力を進めたい。さらに、世界経済が多くの課題に直面している中で、日米が世界に安心ある繁栄をもたらすよう、途上国の持続的発展に向けた協力や、知的財産権の保護を含め、経済分野における世界規模での日米の協力関係を強化したいと考えている。
またWTOドーハラウンド交渉の早期妥結を一致して目指したいと考えている。
最後に牛肉の話があった。牛肉については、日本政府として、国民の食の安全を大前提に、科学的な知見に基づいて対応していくということだ。
ブッシュ大統領含め米国の皆様の温かいもてなしに感謝を申し上げたい。今後ともブッシュ大統領と手に手を携えて、我々が直面する諸課題にともに対処していくことを楽しみにしている。サンキューベリーマッチ。
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「ごあいさつに来たのか」 拉致家族会、首相に失望の声
訪米中の福田首相とブッシュ大統領の共同記者会見を受け、北朝鮮による拉致被害者家族会の飯塚繁雄副代表は16日、ワシントン市内で日本人記者団に対し、「(首相は)単なるごあいさつに来たのかなあ、という感じがする」などと述べ、失望の色をあらわにした。
増元照明事務局長も「私たちの思いと福田首相の思いとが少し違っていたかな、という認識だ。今回の(ブッシュ大統領の)回答は非常に不十分なものだし、はっきりと言質をとるような感じで、拉致問題の解決なしに(テロ支援国家指定の)解除はしない、という言葉を発していただきたかった」と語った。
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CNNインタビュー、首相「北朝鮮、核放棄すべきだ」
【ワシントン=伊藤浩昭】福田康夫首相は16日、米CNNテレビのインタビューに応じ、北朝鮮問題について「独立国として自立していこうとするなら、核兵器を放棄すべきだ」と述べた。同時に「経済的自立を考えた場合、日本の経済的協力も必要なので、当然、拉致問題の解決も必要だ」と強調した。
「核を放棄しなければ、滅ぼされるという警告に聞こえる」との質問に首相は「(北朝鮮が)滅ぼされるかどうかは別として、今のような閉鎖的な国家では、自立はできないだろう」と述べ、対外的開放を進めていくべきだとの考えを示した。CNNは首相の発言を「核兵器を放棄しなければ、生き残りはできないと警告した」と報じた。
首脳会談後の共同記者発表では質疑応答がなく、日本人記者団は今回の訪米中、首相に質問する機会はなかった。(14:01)
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