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「北」工作資金の流れ浮き彫り 正男氏、メール指示 マカオの銀行経由

韓国、スパイの台湾系華僑逮捕

 【ソウル=久保田るり子】韓国のソウル中央地検は十日、北朝鮮工作員から報酬を受け取り韓国の情報を渡していた台湾系華僑(67)を国家保安法違反で逮捕した。北朝鮮工作員は金正日総書記の長男、金正男氏の指令で活動しており、この華僑に渡していた報酬は五年間に約十二万ドル(約千四百万円)。米国が対北朝鮮金融制裁を科しているマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」経由で受け取っており、同銀行が工作資金の窓口だったことが裏づけられた。

 韓国各紙によると、逮捕されたのは貿易会社社長の台湾系華僑で、韓国情報を中国内の北朝鮮工作員に渡していた。特に二〇〇三年以降はコンピューターのハッキングやネットワーク保安関連の資料、韓国内外のソフトウエア会社の保安・ホームページ作成プログラムなどを要求され、工作員に渡していた。韓国の海岸線の詳細な地図を要求されたこともあったが、これは漁業従事者にしか販売されておらず入手できなかったともいう。

 この華僑が接触していた北朝鮮工作員(50)は朝鮮労働党傘下の工作機関「対外連絡部」に所属、北京で活動していた。また工作員は「キム・チョル」という仮名を使っていた金正男氏から電子メールで指示を受けていた。この事実は、韓国の情報機関が二〇〇四年、韓国のポータル業者の電子メールを押収して確認したという。

 在中国の工作員は、ファクスや携帯電話で華僑に必要な品物の目録を注文し、北朝鮮のドル資金のマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されてきたとされるマカオの「バンコ・デルタ・アジア」で工作金を受け取った後、取引代金として華僑に送っていた。

 逮捕された華僑は一九七〇年代後半から貿易業を始め、八〇年代後半に工作員と知り合った。九〇年代から工作活動に加わり、韓国当局が約五年前から内偵していた。

 北朝鮮スパイが摘発されたのは盧武鉉政権に入って三回目。金融制裁への反発から北朝鮮が参加を拒否している六カ国協議再開への模索が日本を舞台に行われている最中の摘発となったのは、捜査当局が三月に行った捜索で決定的な証拠が見つかったためとされる。
Sankei Web 産経朝刊 「北」工作資金の流れ浮き彫り 正男氏、メール指示 マカオの銀行経由(04/12 05:00)

横田さん一家「これで一緒に動ける」 「日韓連携」高まる期待

 「同じ思いで連携をしたい」。まだ幼かった中学生の娘が拉致された家族と、高校生の息子が拉致された家族。北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=拉致当時(13)=の夫が韓国人拉致被害者、金英男(キム・ヨンナム)さん=同(16)=の可能性が高いとのDNA鑑定の結果を受け、めぐみさんの両親や韓国の家族らは日韓の連携を改めて訴えた。「死ぬ前に一日でも早く会いたい」。親心と無念さを口にした。

 「私たちも長いこと待っていました…」。横田めぐみさんの父、滋さん(73)はグレーのスーツ、母の早紀江さん(70)は白っぽい薄手のコート姿で内閣府に到着。五十分間にわたって外務省アジア大洋州局の梅田邦夫参事官らから鑑定結果の説明を受けた。

 その後、報道陣を前に、滋さんは顔を少し紅潮させ、「一日も早くめぐみの元気な姿を見たい」と語り、金英男さんについては「ヘギョンちゃんをちゃんと育ててくれたのだから、感謝の言葉を述べたい」と話した。

 早紀江さんは「ほとんど間違いないと思う。北朝鮮がどんなことをやっているのかまた一つ明らかになった。今までなかなか動こうとしなかった韓国政府も、これで解決のために一緒に動いていけるのでは」と毅然(きぜん)として語り、「(結婚した)相手がどこの国の人であろうと関係ありません。とにかく一日も早く帰ってきてほしい」と親心をのぞかせた。

 夫妻はめぐみさんの娘、キム・ヘギョンさん(18)とまだ会ったことがなく、早紀江さんは「めぐみが生きて一緒にいるのか何もわからない。少しずつ雪解けのように明らかになるのでは」と自分に言い聞かせるように話した。

 めぐみさんの双子の弟、拓也さん(37)は「来日中の北朝鮮の金桂寛外務次官は、日本国民が本当に怒っていることをしっかり見つめ、帰国したら金正日総書記に報告し、具体的な行動に移してほしい」。哲也さん(37)も「北朝鮮がどう対応するのか、金外務次官のコメントを注目している」と語った。

                   ◇

 ■早い解決願う 蓮池薫さん

 拉致被害者の一人、新潟県柏崎市の蓮池薫さん(48)は十一日、「鑑定の行方に深い関心を持って見守ってきました。拉致問題の進展と一日も早い解決につながることを切に願っています」とするコメントを出した。
Sankei Web 産経朝刊 横田さん一家「これで一緒に動ける」 「日韓連携」高まる期待(04/12 05:00)

めぐみさん夫は拉致韓国人 北に全面解決迫る DNA鑑定 政府、確率99%

 政府は十一日、一九七七(昭和五十二)年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=拉致当時(13)=の夫が、七八年八月に韓国・仙遊島で拉致された高校生、金英男(キム・ヨンナム)さん=同(16)=だった可能性が極めて高いとするDNA鑑定結果を発表した。政府は同日、この結果を北朝鮮側にも伝え、拉致事件の全面的な解決を強く迫った。韓国政府にも拉致事件での連携を求めた。

 鑑定結果を発表した安倍晋三官房長官は、「今回のDNA鑑定により、拉致事件が国際的に広がっている事実がはっきりした」と述べ、解決へ向け国際的な連携を強めていく考えを示した。

 政府は二月中旬、外務省を中心とする調査団を韓国に派遣。拉致被害者の少年五人のうち、金英男さんら四人の家族から血液、一人から毛髪の提供を受けた。これらを神奈川歯科大と大阪医科大の二カ所に持ち込み、めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさん(18)のDNAサンプルと照合。神奈川歯科大は99・5%、大阪医大は97・5%の確率で、金英男さんとヘギョンさんが父子関係にあることを示す結果が得られた。

 「めぐみさんの夫だった」と名乗るキム・チョルジュン氏はDNA鑑定の材料となる毛髪などの提供を拒否したため、金英男さんと同一人物であるかは確認できないが、関係者は「顔などの特徴は一致している」と証言しているという。

 今回のDNA鑑定は、韓国人が北朝鮮工作員に拉致された事件であり、日本の警察権は及ばないため、あくまで拉致被害者家族会などの要請を受けて「日朝協議のための外交上の情報収集活動」として行われた。

 政府は公表に先立ち、めぐみさんの両親である横田滋、早紀江さん夫妻らに鑑定結果を説明。北朝鮮に対しては、十一日午後に都内で行われた外務省の佐々江賢一郎・アジア大洋州局長と金桂寛外務次官の会談冒頭に伝えた。これに対し、金次官は「注意深く検討し、考慮したい」と述べるにとどまった。

 鑑定結果が、六カ国協議の首席代表による断続的な協議にあわせる形で発表され、安倍長官は「金桂寛外務次官に直接会って事実を伝え、問題解決を求めることができたのはタイミング的によかった」と述べた。

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 ■横田滋さん 日韓で救出運動を

 DNA鑑定の結果について、内閣府で外務省アジア大洋州局の梅田邦夫参事官らから説明を受けた横田めぐみさんの父、滋さん(73)は「鑑定の結果、高い数値が出たので間違いない。国際結婚は多いし、相手が韓国人であれ日本人であれ関係ありません。今後、北朝鮮に対しても拉致問題解決の突破口になる」と報道陣に語った。また、今後の対応については、「いずれ韓国の家族とも会い、手を携えたい。日本、韓国双方が協力して救出運動が起きるよう働きかけたい」と述べた。

 母、早紀江さん(70)は、めぐみさんの夫の可能性が極めて高いことが分かった金英男さんの母に対して、「だれも経験したことのない大変な人生を送り、私たちと同じ思いでしょう。『希望を捨てないで』といいたいですね」と気遣った。

 早紀江さんらは米下院の公聴会で今月二十七日(現地時間)、拉致問題について証言することになっており、今回のDNA鑑定の結果は“追い風”になりそうだ。
めぐみさん夫は拉致韓国人 北に全面解決迫る DNA鑑定 政府、確率99% (産経新聞) - goo ニュース