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<めぐみさんの夫は拉北韓国人>外交部「事実確認後、対策用意」

横田めぐみさんの夫が北朝鮮拉致被害者(拉北者)の韓国人金英男(キム・ヨンナム)さんである可能性が高いという日本政府の発表に韓国政府は慎重だった。

外交部はスポークスマン論評を出して「日本政府から関連の調査結果について協力を受け、自主的に事実関係を確認する予定」とし「政府は事実確認をもとに国家の基本責務と被害者家族たちの意思などを考慮して対策を講じていく」と述べた。先に事実確認からするということだ。

外交部は日本側の通報と別に確保している生体資料をもってDNA検査などの確認作業を行う計画だ。

政府の慎重な姿勢は、この事案が朝日関係と南北関係など6カ国協議再開のための周囲の環境に否定的に作用することもあり得るという懸念による。外交部当局者は北朝鮮に対して送還を促すものかという質問に「まだ確認をしていないので今は何とも言えない」と述べた。拉北者対策を担当する統一部はこの事案がどのような形態でも21日、平壌(ピョンヤン)で開かれる南北閣僚級会談で論議されるものと予想している。

しかし金英男さんについては、すでに政府の拉北者名簿に含まれており、別途扱いせず全拉北者対策として扱う方針だ。

パク・スンヒ記者
Japanese JoongAngIlbo

「息子に会えるよう、政府がなんとかしてくれ」金英男さんの母

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(政府に)息子を返してくれという言葉以外に何が言えるか。英男に会ったら抱きしめてやりたいし、ご飯も作ってやりたい」--。

北朝鮮に拉致された息子(金英男=キム・ヨンナム=さん)が日本人拉致被害者の横田めぐみさんの夫という報告を聞いた母親のチェ・ゲウォルさん(82)は、28年ぶりの息子の消息に、信じられないという表情だった。

チェさんは11日、息子の知らせを聞き、娘のキム・ヨンジャさん(47)と一緒に全州(チョンジュ)からソウルに向かった。チェさんはこの日の夜、ソウル蚕室(チャムシル)のロッテホテルで記者たちと会い、拉致された末の息子に対する切実な母情を吐露した。

姉のヨンジャさんは母が驚かないか心配で、英男さんの話はせずにあわてて「ソウルへ行く用事ができた」とチェさんを車に乗せたという。車の中でヨンジャさんが「英男が北朝鮮で生きているらしい」と話をするとチェさんは涙を流していたという。

チェさんはこの日午後9時から20分ほど記者会見をした。(※は読者の理解のための編集者註)


--今の心情は。

「英男に会いたい。ほかに何と言えと?これ以上うれしいことはない。早く抱きしめてやりたいだけ」

(※家族たちは行方不明になった2年後の1980年、対共産捜査機関から『英男さんが北朝鮮に住んでいるという対韓国向け放送が流れた。連絡があったら届けてくれ』という通報を受けたという)

--息子さんが行方不明になった後、家の雰囲気は。

「お父さんは日常生活も普通に送れないほどがっくりきていた。4日後に帰ると言っていた子が帰宅しないので死んだのかと大騒ぎになった。もしかして誰かが埋めたのではないかと掘り返した所が1、2カ所ではなかった。息子がいなくなり、周囲の高校生を見るのも嫌だった」(※英男さんの父親は83年、息子を失った後、病死)

--息子さんの姿、思い出せるか。

「たくましくて男前だったが、末っ子なのでかわいかった。お父さんからの頼まれごともよくやっていた」

(※日本政府は北朝鮮がめぐみさんの夫だと明らかにしたキム・チョルジュンの身元確認のために2月、英男さんを含む韓国人拉致被害者5人の親、兄弟から髪の毛と血液などを採取していった)

チェさんは息子さんとめぐみさんの間に生まれた孫娘ヘギョンさん(18)に対しても「写真では息子にはあまり似ていないようだが」と言った。また、英男さんが自ら北朝鮮に行ったと誤解もされたこともあったという。

97年当時、安全企画部は英男さんが北朝鮮で『以南化教育』教官として働いていると発表した。これに対して英男さんは「その頃には監視がひどかったので正直に話せなかった」と言った。

家族は英男さんが死んだと思い、写真など物品はすべて燃やしてしまったという。チェさんは「英男の顔を見られるように政府が是非何とかしてほしい」と訴えた。

チェさんは12日、記者会見を開く。



◆横田めぐみ=13歳だった1977年、日本の新潟県で行方不明になった日本人だ。

北朝鮮金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が2002年北日首脳会談で拉致の事実を認めた。

北朝鮮はめぐみさんが86年、キム・チョルジュンという男と結婚し、翌年、娘ヘギョンさんを生んだが、94年自殺したと発表した。

◆金英男=16歳だった78年、全北群山市仙遊島で水泳中、行方不明となった。

97年彼が北朝鮮に住んでいるという脱北者の証言から工作員によって北朝鮮に拉致されたことが確認された。

北朝鮮で南派工作員教育をしていたということだ。



キム・ホジョン記者
Japanese JoongAngIlbo

『拉致』協調 日韓すれ違い

めぐみさん夫 拉致韓国人

 日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫が、やはり拉致された韓国人、金英男(キム・ヨンナム)さんである可能性が高いことが十一日分かった。ともに北朝鮮による拉致被害者であり、救出を目指して、日韓は協力できるはずだ。だが、数百万の南北離散家族がおり、今は北朝鮮に融和政策をとる韓国にとって、拉致問題は一筋縄ではいかない。 (ソウル支局・山本勇二、社会部・西田義洋)

■慎重姿勢崩さぬ韓国

 日本政府は拉致問題が国際的な広がりを持ってきたとして「韓国に協力を要請する」(安倍晋三官房長官)と明言した。

 両国にある拉致被害者の支援団体も期待を強める。「救う会」の平田隆太郎事務局長は「民間団体や政府間の連携を強め、拉致被害者すべての救出を目指す」と話す。韓国の「拉北者家族会」、崔成龍(チェ・ソンヨン)代表も「金英男さん、横田さんの両方の家族を早く対面させたい」と言う。

 一方、韓国外交通商省は同日、「韓国政府としても日本の協力を得ながら、独自に事実関係を確認したうえで対策を講じる」とのやや慎重な見解を発表した。

 韓国と北朝鮮の間には拉致問題だけでなく、朝鮮戦争で発生した離散家族、未帰還の韓国軍捕虜などの懸案がある。政府当局者は「一つずつ問題を解決していくしかない」と重い口ぶりだった。

 北朝鮮が二〇〇二年九月の日朝首脳会談で、日本人の拉致を認め、一部生存者の帰国が実現したことから、韓国でも拉致被害者家族らを中心に対応を求める声が強まっている。

 韓国政府が認定した拉致被害者は四百八十五人。うち九割は操業中に拿捕(だほ)された漁船員ら。コリア・レポートの辺真一編集長は「北朝鮮は韓国人船員らが自分の意思で『越北』してきたと主張している」と説明。金英男さんらについては「拉致はもちろん、北朝鮮国内にいることも認めていない。今回の鑑定で存在が初めて証明された」との見方を示した。

■世論も強硬派は少数

 韓国と北朝鮮は六年前から離散家族の再会事業を十三回実施し、南北に別れた数千人が対面を果たした。北朝鮮はこれまでに、韓国側が拉致被害者とみなす人たちのうち十三人を、離散家族の名目で再会させたが、一人も帰国させていない。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、核問題の外交による解決、経済協力を通じた改革誘導など、北朝鮮への融和政策を続けている。拉致問題や北朝鮮住民の人権などへの関与には慎重だったが、最近、変化もみられる。

 二月の南北赤十字会談では「(朝鮮戦争の)戦中、戦後の行方不明者の生死確認」を進めるという合意ができた。韓国の要求で、北朝鮮が初めて調査に応じる姿勢を示した。

 日本政府は核問題と拉致への対応が不十分だとして、対話から圧力重視に変わった。

 しかし、韓国では強硬論は少数派だ。十日付の「東亜日報」は、北朝鮮で生存する拉致被害者や韓国軍捕虜約千人が返還されたら、韓国政府は見返りとしてインフラ整備や工場建設をする構想を持っていると報じた。

 李鍾〓(イ・ジョンソク)統一相は国会委員会の答弁で、拉致問題や捕虜送還について「費用がかかるし、費用とは北朝鮮に対する経済支援だといえよう」と述べた。この発言をみても、韓国政府は北朝鮮を支援して改革を促しながら、拉致問題に取り組む意向が読み取れる。