『拉致』協調 日韓すれ違い | trycomp2のブログ
めぐみさん夫 拉致韓国人
日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫が、やはり拉致された韓国人、金英男(キム・ヨンナム)さんである可能性が高いことが十一日分かった。ともに北朝鮮による拉致被害者であり、救出を目指して、日韓は協力できるはずだ。だが、数百万の南北離散家族がおり、今は北朝鮮に融和政策をとる韓国にとって、拉致問題は一筋縄ではいかない。 (ソウル支局・山本勇二、社会部・西田義洋)
■慎重姿勢崩さぬ韓国
日本政府は拉致問題が国際的な広がりを持ってきたとして「韓国に協力を要請する」(安倍晋三官房長官)と明言した。
両国にある拉致被害者の支援団体も期待を強める。「救う会」の平田隆太郎事務局長は「民間団体や政府間の連携を強め、拉致被害者すべての救出を目指す」と話す。韓国の「拉北者家族会」、崔成龍(チェ・ソンヨン)代表も「金英男さん、横田さんの両方の家族を早く対面させたい」と言う。
一方、韓国外交通商省は同日、「韓国政府としても日本の協力を得ながら、独自に事実関係を確認したうえで対策を講じる」とのやや慎重な見解を発表した。
韓国と北朝鮮の間には拉致問題だけでなく、朝鮮戦争で発生した離散家族、未帰還の韓国軍捕虜などの懸案がある。政府当局者は「一つずつ問題を解決していくしかない」と重い口ぶりだった。
北朝鮮が二〇〇二年九月の日朝首脳会談で、日本人の拉致を認め、一部生存者の帰国が実現したことから、韓国でも拉致被害者家族らを中心に対応を求める声が強まっている。
韓国政府が認定した拉致被害者は四百八十五人。うち九割は操業中に拿捕(だほ)された漁船員ら。コリア・レポートの辺真一編集長は「北朝鮮は韓国人船員らが自分の意思で『越北』してきたと主張している」と説明。金英男さんらについては「拉致はもちろん、北朝鮮国内にいることも認めていない。今回の鑑定で存在が初めて証明された」との見方を示した。
■世論も強硬派は少数
韓国と北朝鮮は六年前から離散家族の再会事業を十三回実施し、南北に別れた数千人が対面を果たした。北朝鮮はこれまでに、韓国側が拉致被害者とみなす人たちのうち十三人を、離散家族の名目で再会させたが、一人も帰国させていない。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、核問題の外交による解決、経済協力を通じた改革誘導など、北朝鮮への融和政策を続けている。拉致問題や北朝鮮住民の人権などへの関与には慎重だったが、最近、変化もみられる。
二月の南北赤十字会談では「(朝鮮戦争の)戦中、戦後の行方不明者の生死確認」を進めるという合意ができた。韓国の要求で、北朝鮮が初めて調査に応じる姿勢を示した。
日本政府は核問題と拉致への対応が不十分だとして、対話から圧力重視に変わった。
しかし、韓国では強硬論は少数派だ。十日付の「東亜日報」は、北朝鮮で生存する拉致被害者や韓国軍捕虜約千人が返還されたら、韓国政府は見返りとしてインフラ整備や工場建設をする構想を持っていると報じた。
李鍾〓(イ・ジョンソク)統一相は国会委員会の答弁で、拉致問題や捕虜送還について「費用がかかるし、費用とは北朝鮮に対する経済支援だといえよう」と述べた。この発言をみても、韓国政府は北朝鮮を支援して改革を促しながら、拉致問題に取り組む意向が読み取れる。

