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外務省:「谷内外交」退場…「官邸直結」の重要性強調

 外務省は17日付で事務次官を含む幹部の人事異動を行い、3年余り続いた谷内正太郎前次官体制から、外務審議官だった藪中三十二次官体制に移行した。小泉、安倍、福田の歴代政権で「谷内外交」とも呼ばれた特色ある政策を主張し続けた名物次官が約39年間の外交官人生を終えた。

 「外務省は国内の権力構造で高い位置にある。権力の源泉はアクセスだ。私は週1回、首相や官房長官と会うことができた」。17日の次官交代式で、谷内氏は職員を前にこう語り、政策実現の要諦として「官邸直結」の重要性を強調した。

 谷内氏は物腰の柔らかさと、米国や露など各国と積極的な「戦略対話」を展開する「攻めの外交」のアンバランスが持ち味だった。小泉政権では官房副長官補として当時の安倍晋三副長官と気脈を通じ、「対話と圧力」の対北朝鮮強硬路線を演出。安倍政権では、憲法9条解釈の見直しを検討した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」のたたき台となった4類型のひな型を進言し、麻生太郎元外相が提唱した東欧からアジアの新興民主主義国を支援する「自由と繁栄の弧」構想にもかかわるなど、「安倍外交」の中軸を担った。

 しかし、突然の安倍退陣で登場した福田政権は、こうした政策を軌道修正し、「谷内外交」も頓挫(とんざ)した。「朝の来ない夜はない。耐え忍んで、次の芽生えを期してほしい」。交代式での言葉には、無念の心中ものぞいた。【中澤雄大】

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<外務省>薮中事務次官などの人事決まる

 政府は17日午前の臨時閣議で、外務事務次官に薮中三十二外務審議官(政務)を充て、後任に佐々江賢一郎アジア大洋州局長を起用する人事を決めた。発令は17日。薮中、佐々江両氏、アジア大洋州局長に就任する斎木昭隆駐米公使は、いずれも北朝鮮との交渉経験が豊富。拉致問題などの懸案解決を重視する福田康夫首相の意向が強く働いた布陣となる。

 【外務事務次官】薮中三十二氏(やぶなか・みとじ)69年阪大中退。アジア大洋州局長、外務審議官。大阪府出身、59歳。

 【外務審議官】佐々江賢一郎氏(ささえ・けんいちろう)74年東大卒。経済局長、アジア大洋州局長。岡山県出身、56歳。

 ◇外務省(17日)アルゼンチン大使(ペルー大使)石田仁宏▽官房長(前アイルランド大使)林景一▽ボリビア大使(シアトル総領事)田中和夫▽コンゴ民主共和国大使(南米カリブ課地域調整官兼カリブ室長)北沢寛治▽ベトナム大使(外務報道官)坂場三男▽ペルー大使(アフリカ審議官)目賀田周一郎▽マダガスカル兼コモロ大使(大臣官房総務課企画官兼人事課)川口哲郎▽アフガニスタン大使(中東1課長)佐藤英夫▽アジア大洋州局長(米国公使)斎木昭隆▽大臣官房付(官房長)塩尻孝二郎▽外務報道官(ロサンゼルス総領事)兒玉和夫▽退職(事務次官)谷内正太郎
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“太陽政策10年” 統一部の時代去る

16日午後2時、ソウル世宗路(セジョンノ)政府中央庁舎事務室で、大統領職引継ぎ委員会により政府組織改編案の発表をテレビで見守った統一部のある幹部は、たばこを取り出して口にくわえた。「はぁ…」っとため息を吐いて口をつぐんだ。統一部のある職員は「昨日の晩まで、うちの部は大丈夫だと思っていたのに…」としながら驚きと諦めの表情を隠すことができなかった。

引継ぎ委員会の電撃的な統一部廃止案発表は、新設される外交統一部に統一部の業務を移管し、外交統一部を対外・対北朝鮮政策を総括する「ワントップ」体制に作りかえるということだ。ここには「対北朝鮮政策も韓米の強調など対外政策の枠組みで決定されなければならない」という李明博(イ・ミョンバク)次期大統領の意向が反映されたものとみられる。実際に引継ぎ委員会は前日まで統一部の存廃をめぐって試行錯誤し、最終決定は李次期大統領が下したと伝えられている。

これまでの左派政権10年間、政府の外交と対北朝鮮政策はそれぞれ外交通商部と統一部が担う「ツートップ」システムだった。特に参加政府になってからは、実力者だった李鍾奭(イ・ジョンソク)、鄭東泳(チョン・ドンヨン)前統一部長官が国家安全保障会議(NSC)の常任委員長まで引き受け、外交部の「対米強調、国際協調」より統一部の「民族協調」が事実上、優位に立った。

しかし今回の引継ぎ委員会の発表で進歩政権での南北関係を優位に考える構図は消え、南北の経済協力、対北朝鮮支援のような南北懸案は韓米の立場を調整し、6カ国協議の進展の度合いに応じて速度を調節する可能性が高くなった。

引継ぎ委員会では統一部の運命が右往左往した。引継ぎ委員会李東官(イ・ドングァン)スポークスマンは4日「青瓦台と統一部などに散在した対外政策機能を統合する必要がある」と述べ、これまで話題に上っていた統一部の廃止論に現実味を加えたが、3日後、同スポークスマンは「政府部処改編は国民感情と象徴性を考慮しなければならない」と存続を示唆し、統一部を安堵させた。ところが16日の最終発表では、1969年国土統一院から出発した統一部は39年ぶりに空中分解せざる得ない状況となった。引継ぎ委員会によると統一部の対北朝鮮交渉と政策業務は外交統一部へと吸収される。対北朝鮮情報の分析業務は国家情報院に、南北経済協力は知識経済部と国土海洋部に、北朝鮮からの離脱住民支援施設(ハナ院)は地方自治体に移管にされる。

問題は統一部の廃止に対する少なくない反発だ。丁世鉉(チョン・セヒョン)前統一部長官は「奇想天外な発想。まるで海外トピックスの格好の餌食だ」と批判した。

また一部では、引継ぎ委員会による統一部の廃止案は、今後、国会で法案を成立させる際に、大統合民主新党など旧与党に対し交渉の切り札として使用しようという意図が含まれているという解釈もある。
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