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【ソウル29日共同】韓国メディアは29日、韓国人拉致被害者、金英男さん(44)の記者会見について、拉致を否定したことに重点を置き「予想通り、北の立場を外れなかった」(韓国日報早版)などと伝えた。
ソウル新聞早版は「北へ行った経緯すら、うそで飾るほど言動の自由が制限されている」と指摘。聯合ニュースは「証言を聞くと、今も南北間には越えられない壁があることを切実に感じずにはいられない」と現実を嘆いた。
KBSテレビも「拉致でないとの証言は額面通り信じるのは難しい」と指摘。北朝鮮の体面を傷つけずに拉致問題の現実的解決を図るため英男さんの主張に反論するのは望ましくないとの雰囲気が韓国政府内にあると伝えた。
岩手日報ニュース 金英男(キム・ヨンナム)さん(45)は1978年8月5日、友人と全羅北道群山の仙遊島海水浴場に遊びに行き行方不明になった。当時17歳で、群山機械工業高校の1年生だった。家族は金英男さんが水死したと思い、葬式を行った。
しかしそれから2年後、北朝鮮は対南放送(韓国向けの宣伝放送)で金英男さんが北朝鮮で暮らしている、と報道した。当時、捜査当局は金英男さんが浜辺を歩いていたとき、北朝鮮の工作員により拉致されたと判断した。
拉致後、金英男さんは金正日(キム・ジョンイル)政治軍事大学を卒業、対南工作機関の労働党対外情報調査部の研究員として韓国に送られるスパイを育成してきたといわれている。
金英男さんが日本人拉致被害者の横田めぐみさんの夫だったということは、日本政府により確認された。日本政府の代表団は2004年に平壌を訪問、自らをめぐみさんの夫だと述べた「キム・チョルジュン」と会った。キム・チョルジュン氏はそのとき、日本の代表団に「1986年に日本語を学ぶため出会っためぐみさんと結婚、女の子が生まれた。めぐみさんは出産後、うつ病を患い、1994年に自殺した」と語った。
日本の代表団はその際、面談の場で金英男さんの皮膚組職などを採取、極秘でDNA鑑定を行った。日本は金英男さんが横田めぐみさんの娘と確認されたキム・ウンギョン(別名・ヘギョン)さんの父親かどうか確認した後、197778年に韓国で北に拉致された高校生4人の家族のDNAと照合した。日本は今年4月、「キム・チョルジュン氏は韓国で北に拉致された金英男さん」と公式発表した。
北朝鮮は日本の発表に対し公式には言及していなかったが、6月に金英男さんに間違いないことを認めた。そして金英男さん親子の再会に合意した。金英男さんが拉致されてから27年11カ月後のことだった。
■金英男さん拉致から再会まで
1978年8月5日
全羅北道群山の仙遊島海水浴場で北朝鮮により拉致(群山機械工業高校1年・17歳)
80年
北朝鮮、対南放送で「金英男は共和国で元気に暮している」と報道
86年
日本人の北朝鮮拉致被害者・横田めぐみさんと結婚
87年
めぐみさんとの間に娘・ウンギョン(ヘギョン)さんが生まれる
94年
めぐみさん自殺(北朝鮮側主張)
97年
・検挙された金光賢(キム・グァンヒョン)元工作員「任務終えて帰還中に金英男さん拉致」と供述
・パク・チュンファさんと再婚
2002年9月
北朝鮮、日本に対しめぐみさん拉致を認めと死亡と発表
04年11月
北朝鮮、日本の政府代表団にめぐみさんの遺骨を渡す
04年12月
日本の警察がDNA鑑定の結果に基づき遺骨は他人のものと発表
2006年4月
日本「ウンギョンさんの父親は金英男さん」と結論を出し発表
06年6月8日
北朝鮮、金英男さんの生存を確認
06年6月28日
金剛山で拉致28年ぶりに金英男さん親子再会
キム・ジョンフン記者
朝鮮日報
朝鮮日報 Chosunilbo (Japanese Edition)韓国のメディアは29日、韓国人拉致被害者、金英男さんの記者会見を大々的に報じた。だが、その内容については「北朝鮮の従来の立場を繰り返しただけ」(ニュース専門テレビYTN)とし、「拉致問題解決への突破口を開くのは簡単でない」(同)との厳しい見通しを伝えている。
韓国側にとって最大の関心事は、金さんが北朝鮮に拉致された事実を率直に認めるかどうかだった。この点で「拉致でも自ら北朝鮮に渡ったのでもない」として“偶然説”を持ち出したことに、聯合ニュースは「額面通りには受け取れない」と論評。「北朝鮮側が記者会見を開くと言った時から、拉致を否定するとは予想していたが、南北間にはまだ越えられない壁があることを痛感した」と指摘した。
韓国統一省当局者は29日、本紙に対し、金さん親子の再会を「拉致問題で初の成果」と評価した上で、「今後、一人でも多くの家族が再会できるよう努力する」と述べた。
だが、聯合ニュースは、北朝鮮に「拉致被害者の存在を認め、名簿を渡し、帰還させなければならない」と求める一方、韓国政府に対しても、「金氏が拉致を否定したからと言って、今までより後退した態度を見せてはならない」と強く帰還を迫るよう注文をつけた。(ソウル 平野真一)
(2006年6月29日22時33分 読売新聞)
金英男さん会見、韓国メディア「拉致否定」に冷ややか : 拉致問題 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
