中山恭子補佐官に聞く「日本はなぜ拉致にこだわるの?」
日本は北京での6カ国協議で北朝鮮の核問題が解決しても、北朝鮮による日本人拉致問題が解決しなければ北朝鮮への制裁を続けるとの立場を変えていない。これについて6カ国協議の日本の立場に影響力を持つのが中山恭子拉致問題担当首相補佐官(67)だ。8日に首相官邸で話を聞いた。
―拉致問題になぜそのようにこだわるのか。
「日本人が他国(北朝鮮)により口をふさがれたまま麻袋に押し込められ、工作船で誘拐された。そのような犯罪行為を放置すれば日本は国民を守ることができない国、国際社会で信頼を得られない国になる。拉致問題に進展がない限り、北朝鮮への制裁を緩めたりエネルギー支援をしたりするなどの協力はできない」
―北朝鮮に対してどのような行動を望むのか。
「誰を拉致したのかその事実を明確にし、拉致された被害者を直ちに帰国させる決断を下さなければならない。日本との修交が成立すれば自由な往来が可能になるともいわれているが、それも誤っている。拉致被害者は今も自由を奪われ監視されている。このような状態で北朝鮮の体制が維持されても意味がない」
―国際的にはどのような努力をしているのか。
「日本以外の他国の人たちも北朝鮮に拉致され自由を奪われている事実を広報している。すでに拉致被害者救出を訴えるパンフレットを日本語だけでなく英語や韓国語、中国語、フランス語、ロシア語、スペイン語、イタリア語など8カ国語で作成し、各国に配布している」
中山補佐官は東大卒で外務省に入省したが、女性を軽んじる雰囲気を感じて再び試験を受けて旧大蔵省に入省し、女性として初めての局長などを歴任した。 1999年のウズベキスタン大使在任中に反政府ゲリラに日本人7人が拉致された時は、本国からの指示に従わずに武装ゲリラと交渉して人質を救出した。
東京=鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
朝鮮日報 Chosunilbo (Japanese Edition)
6カ国協議:北朝鮮が米国との「裏取引」内容を公開

詰めの折衝が続いている北京での6カ国協議で、米国の北朝鮮に対する金融制裁問題が、協議の行方を左右する重大な要素として再浮上する兆しを見せている。北朝鮮が先月中旬、ベルリンで行われた米国との2国間交渉の内容を公開したことで、米国側首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補が窮地に立たされているためだ。
この日、北朝鮮側が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」を通じ、米国との交渉内容を公開したことで、今回の6カ国協議では話題にすら上らなかった金融制裁問題に関するナゾが一挙に解明されることになった。昨年12月の6カ国協議では、北朝鮮の核廃棄に向けた方策よりも金融制裁問題の方ばかりが注目を集めた。北朝鮮はまた、2005年9月の6カ国協議での9・19共同声明には同意したが、金融制裁問題が出てきたことで、「金融制裁措置が解除されなければ6カ国協議に進展はない」という姿勢を貫いてきた。
北朝鮮はこれまでにも、交渉が難航するたびに、非公開とした水面下の協議事項をメディアに流すという手法を用いてきた。これは国際慣例に反したやり方だが、相手を脅す上で効果があるものだ。
米国内の世論の多くは今も、「北朝鮮の過ちに目をつぶるような交渉はあってはならない」とする立場に立っている。またブッシュ政権はこれまで、「金融制裁問題と核問題は別個の問題だ」という立場を堅持してきた。今回の朝鮮新報の報道内容を米国が認めれば、米国側はこうした原則を自らかなぐり捨てて今回の協議に臨んだことを認めるという印象を与えることになる。
現時点で北朝鮮が「米国がわが国と裏取引した」と暴露したことは、米国側交渉団にとって不利になるものだ。韓国政府のある関係者が「交渉を破たんさせかねない愚かな行動だ」と非難したのも、こうした理由によるものだ。
朝鮮日報 Chosunilbo (Japanese Edition)
6カ国協議 日本「蚊帳の外」 拉致重視に中韓はけん制
【北京11日志村治】北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階措置」と、見返りのエネルギー支援をめぐり、ぎりぎりの協議が続く六カ国協議で、核問題に拉致問題を連動させる日本が「蚊帳の外」に置かれている。韓国や中国は、拉致問題で進展がなければ北朝鮮への直接支援をしないとする日本の方針をけん制し始めている。
四日間を通じ中朝、米中、中ロ、米朝、韓ロなどの二国間協議が活発に行われたが、日本の出番は少なかった。
とりわけ、韓国は「北朝鮮の考えをきちんと聞き出すことができるのはわが国だけ」(政府当局者)と胸を張り、ロシアも「半島非核化の目標のため何でもする用意がある」(ロシュコフ外務次官)と強調。議長国・中国とともに、精力的な調整作業を展開した。
これに対し、日本の動きは停滞。佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長と金桂冠(キムゲグァン)外務次官による日朝の「直接対話」も、初日の夕食会での短時間の接触だけ。北朝鮮へのエネルギー支援問題ばかりに焦点が当たり、日本は論議に積極的に関与しにくくなっている。
麻生太郎外相は十一日のテレビ番組で「協力はしますけど、お金を出すことはしない」と述べ、たとえ核問題で一定の成果があっても、拉致問題が進展しない限り、直接支援には踏み込まず、北朝鮮国内のエネルギー需要調査などへの協力にとどめる考えを示した。
だが、韓国は「参加六カ国は負担も共同で責任を負うべきだ」、中国も「日本が拉致と核を結びつけるのにこだわれば、具体的成果が得られなくなるかもしれない」(新華社通信)とけん制。日本を取り巻く状況は厳しさを増してきた。
北海道新聞 国際